大海原を度するアルゴが、気候変動研究に革命を起こす

アルゴとは

全世界の海洋の状況をリアルタイムで監視・把握する!
「アルゴ計画」とは

地球規模で引き起こされる気候変動は、海がその主導権を握っています。海は地球の表面積の約7割を占めており、海水は大気の約1000倍も温まりにくく冷めにくい性質をもっています。逆に言えば海水から大気に熱が移動すると、大気は大きな影響を受けるということです。
つまり海は、大気にたくさんの熱を供給し、空気の流れや温度を大規模に変化させる力を持っているのです。

このことから、気候変動を理解するためには、全世界の海洋をくまなく密に観測し、かつ陸上に居ながらにしてリアルタイムにデータを取得できる海洋観測システムを作る必要がありました。それを可能にしたのが、2000年に開始された国際プロジェクト「アルゴ(Argo)計画」なのです。この計画は、気候変動に影響を及ぼす海洋内部の変動を監視するために、300km四方に1台、全世界で約3000台のフロート(アルゴフロート)を展開するというもの。2000年に開始されたときには、日米欧でわずか8か国の研究者・研究機関のみの参加でしたが、現在では30か国を超える国と機関が参加し、3500台の様々な国籍を持つアルゴフロートが常時稼働するようになりました。

日本では、海洋研究開発機構と気象庁が中心となって、毎年約100台程度のアルゴフロートを航海に送り出しており、全世界のアルゴ観測網のおよそ1割を担う約200台を常時運用しています。アルゴフロートの展開には、研究機関や関係省庁だけでなく、高校や大学の練習船による協力も得ています。

赤色が日本で投入したフロートです。

アルゴ計画の主役を担う
「アルゴフロート」

アルゴ計画で展開されているアルゴフロートは、全長約2m、重量約20kg程度の小型観測機器です。大人一人でも抱えられるような小さな本体の中に、浮き沈みをするための機構、センサー、通信機構など、様々な機能が搭載されています。フロートは一旦投入されると、本体に搭載されているコンピュータと電池によって約4年間自動で観測を行います。日本をはじめ各国の研究者、技術者、メーカーの不断の努力により高度な信頼性が確立され、このような長期間にわたる自動観測が実現しています。

また、投入後に自動で取得されるデータは、常に研究に利用できるような高品質なものでなければなりません。陸上ではデータの僅かなエラーも見逃さないように常時監視体制を敷き、必要に応じて補正するなどの品質管理を行っています。