大海原を度するアルゴが、気候変動研究に革命を起こす

アルゴとは

アルゴフロート大解剖&冒険の軌跡を追う

フロートの外観と内部構造

高性能を誇るアルゴフロートの中身は、実はとてもシンプルです。上部にデータ送受信用のアンテナ、水温・塩分センサーが搭載されており、本体内部には、コントロール基盤、データ送信装置、浮き沈み用のポンプ、モーター、電池などが配置されています。フロートが浮き沈みする秘密は、内部に蓄えられたオイルにあります。モーターとポンプによってオイルをフロートの底にある油室に押し出したり、逆に油室から引き込んだりすることによって、フロート全体の密度を変化させ、海面から水深2000mまでの冒険を可能にしています。また、海面に浮いている時には上部の安定板によってバランスを保ち、よりよい通信状態を確保しています。各国・各メーカーによって少しつくりは変わりますが、これらの本質的な機能は同じです。

  • アルゴの沈降の方法
    油室の体積を減少させる
  • アルゴの浮上の方法
    油室の体積を増加させる

フロートの観測サイクル

アルゴフロートは、各研究機関・省庁の観測船や、高校・大学の練習船、民間の貨物船などで投入予定海域に運ばれ、大海原を巡る旅に出ます。フロートの投入の仕方はとても簡単で、電磁石を使ったマグネットスイッチを起動するだけです(投入されたあと、フロート本体が水圧を自動で検知して起動するフロートもあります)。投入されたフロートは一旦水深1000mまで潜っていき、10日間海流とともに漂います。10日に1度、2000mまで沈んだのち、水温、塩分、圧力を計測しながら、海面に浮上していきます。浮上後は、人工衛星と通信を行って観測点の位置を検出し、2000mから海面までのデータを陸上に送信します。送信されたデータは、24時間以内にインターネットを通じて世界中の研究者、気象機関などに届けられます。データの送信を終えたあと、フロートは再び1000mの深さまで潜っていきます。このサイクルは搭載されたコンピュータと電池によって自動で繰り返され、アルゴフロートの冒険は通常3~4年間続きます。