アルゴが私たちに新たな地球観を教えてくれる

研究成果の解説

海洋の生物地球化学研究にも使われるフロート達

気候変動によって、海の水温や塩分の他に、海の中の生物や化学過程も影響を受け変化することが考えられます。さらにこれらの変化が、巡り巡って気候や人間活動に影響を持つ可能性も考えられます。このように様々な要因が絡み合う海洋環境の変動を統合的に理解するために、現在世界中の研究機関で、様々な特殊センサーを装着したフロートを使った研究が行われています。JAMSTECでは、この動きに先駆けて2011年7月に22本の溶存酸素センサー付きのフロートを北太平洋亜熱帯循環北西部、北緯30度東経145度の150km四方に集中展開しました。この研究は、北西太平洋統合物理生物地球化学海洋観測実験(Western North Pacific Integrated Physical-Biogeochemical Ocean Observation Experiment: INBOX)と呼ばれ、夏季に栄養塩が枯渇する亜熱帯海域で、植物プランクトンが、海洋の渦や台風等の気象擾乱に伴う間欠的な栄養塩供給に対しての応答を観測することに成功しました。

図:海洋の渦の通過に伴う生物活動の応答の説明。亜熱帯海域は貧栄養状態なので、生物生産が起きにくい。しかし、低気圧性中規模渦が通過すると,密度躍層が持ち上がり有光層内に生物活動に必要な栄養塩の豊富な海水が入り込み、生物生産が活発となる。