アルゴが私たちに新たな地球観を教えてくれる

研究成果紹介と解説

気候変動研究のための海洋環境再現に大きな寄与をするアルゴフロートデータ

気候変動の研究を進めるために20世紀後半から国際的な連携の下、大規模な海洋観測がさまざまな測器を使って実施されています。それと並行してそれぞれのデータが持つ優位性をうまく引き出して気候変動研究を進めるためにデータ統合の研究が盛んになってきました。21世紀に入ってからはArgoフロートの全球展開により亜表層観測の空白域が劇的に減り統合データセットの精度が大きく向上しています。JAMSTECではArgoフロートデータを含む利用可能な海洋観測データを使って海洋環境再現データセットを作成しています。

> 詳しくはこちら

海洋の生物地球化学研究にも使われるフロート達

様々な要因が絡み合う海洋環境の変動を統合的に理解するために、2011年7月に22本の溶存酸素センサー付きのフロートを北太平洋亜熱帯循環北西部で150km四方に集中展開し、夏季に栄養塩が枯渇する亜熱帯海域で、植物プランクトンが、海洋の渦や台風等の気象擾乱に伴う間欠的な栄養塩供給に対しての応答を観測することに成功しました。

> 詳しくはこちら

アルゴフロートデータから得られた全球表層塩分の長期変化と水循環強化

地球上の約7割を占める海洋の塩分は、主に降水・蒸発によって変化します。全球を網羅するアルゴフロートデータから、地球規模で起こっている海洋表層の塩分変化が捉えられました。過去の船舶観測等で得られた表層塩分データと比較して、ここ30年で亜寒帯域と熱帯域で低塩分、亜熱帯域で高塩分化するという系統的な変化が示されました。これは。地球規模で、蒸発過剰の海域ではより蒸発が、降水過剰の海域ではより降水が増加していることを示唆しています。

> 詳しくはこちら

全球アルゴデータセット「MOAA GPV」

アルゴ観測網は、海洋の水温・塩分などの変動を監視しています。得られたアルゴデータから水温・塩分をマッピングするツールを開発し、毎月図やデータセット「MOAA GPV」を作成しています。このデータセットは、研究や各種業務に幅広く用いられています。

> 詳しくはこちら

海洋の中深層で観測された水温の四季変化

日本をはじめとする中緯度帯では、春夏秋冬の四季がはっきりしています。これは太陽高度の変化による日射の強弱によって引き起こされます。海洋表層でも、日射による海水の加熱、あるいは風の強化による冷却などによる水温変化が、四季を生んでいます。そういった日射や風の影響が小さい中深層では、一部の特殊な海域を除いて殆ど季節変化がないと考えられていました。しかし、アルゴ観測網が整備されたことにより、1000mを越える中深層にも季節変化が見られることが分かりました。

> 詳しくはこちら