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トピックス(解説)

2014.02.21Sea glider観測およびその白鳳丸KH14-1航海での投入

水中グライダー(Sea glider)が、2014年2月21日~3月13日に行われた学術研究船「白鳳丸」KH14-1航海にて投入されました。Sea gliderは、2月27日に北緯32度、東経143度付近に投入された後、係留系観測定点KEO(北緯32度、東経144度)とS1(北緯30度、東経145度)の間を1日6回程度1000mまで観測を行い、6月末までの4か月間の運用が予定されています。Sea glider観測の目的は、この日本の南東海域に冬季に形成される亜熱帯モード水と呼ばれる水塊(水温・塩分などの性質の均一な海水の巨大な塊)の、春から夏にかけての変質過程を調べます。Sea gliderは、水温・塩分に加え溶存酸素センサーが搭載されており、二酸化炭素の海洋吸収や海洋生態系と深く関わりのある生物地球化学過程に対し、数キロメートルから百数十キロメートル程度の細かい中規模渦や小規模現象に伴う物理過程がどのような役割を果たすか、解明されることが期待されます。なお、Sea gliderは、文部科学省科研費「新学術領域研究」気候系Hotspotの助成を受けています。

  • 2月27日 白鳳丸船上にて、Sea gliderの投入前設定を行っています。Sea gliderは長期観測後必ず回収するので、動作が正常であるか、異常がないか綿密な確認を行います。船員の方は、投入にゴーサインが出るのを待っているところです。

  • 2月27日 投入準備が完了し、小型ボートでSea gliderが運ばれているところです。昨年4月の白鳳KH13-3航海の時は船のクレーンを使いましたが、今回は水面でのSea gliderの状態をしっかり確認するために、小型ボートでの投入です。乗組員は水しぶきを浴びますが、冬季なので風は大変冷たく強いです。

  • 2月27日(ハワイ時間2月26日) Sea gliderの投入は船上担当者だけで行われるわけではありません。船上と陸上担当に分かれ、陸上担当は投入後もSea gliderに指令を与えつつ姿勢制御を行います。当日陸上担当者はあいにくハワイに出張中でしたが、その合間にインターネットを通じてホテルの部屋から姿勢制御を行いました。2日間徹夜で監視しなければならないため、ワイキキビーチの見えるホテルにパソコン、インターネット、サブスクリーンを持ち込み、夜食を買い込んでの作業です。回収されるまでの観測期間中、陸上担当の監視は続きます(Princeton大T氏のヘルプに感謝)。

  • 4月24日現在のSea gliderの状態です。既に投入から2か月近く経過していますが、観測は順調に行われています。青色はSea gliderの軌跡を表していますが、日本の南東海上の北緯32度、東経144度周辺を観測中です。