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トピックス(解説)

2016.03.22第17回国際アルゴ運営チーム会合が海洋研究開発機構・横浜研究所で開催されました

自動昇降型漂流ブイ(以下:アルゴフロート)の国際的な運用や今後の発展を議論する17回目の国際アルゴ運営チーム会合
(Argo Steering Team meeting:AST) が、2016年3月22日~24日の3日間、 海洋研究開発機構がホストを務め横浜研究所で開催されました。日本でははじめての開催となります。
各国のアルゴフロートの運営に携わる10ヶ国26機関から46名が参加し、日本からも海洋研究開発機構の研究者や気象庁からも多数参加しました。
会合ではアルゴフロートの海洋監視の状況、アルゴフロートより取得されたデータの品質管理や配信方法の問題、アルゴフロートの技術的課題、次世代のアルゴフロートなど多岐にわたる情報交換が行われ、現状の問題点や今後の発展などに関する多くの提案がなされました。
特に、近年大きな問題となっている地球温暖化の影響や海洋酸性化などの理解を深めるために、2000mまでの水温・塩分を計測するこれまでの全球アルゴ観測網を拡張し、深海や生物・化学に関する観測網構築に向けた新たなチャレンジを開始しており、このアルゴ観測網拡張の議論に多くの時間が割かれました。
海洋研究開発機構からも、会合に参加している機関の中では先駆けて運用を開始した4000mまでの深海観測用フロート「Deep NINJA」
多くの生物地球化学センサー搭載フロートを用いて集中観測を行った駆使した「INBOX計画」、長期間にわたり取得されている船舶による海洋観測データと膨大な観測数を誇るアルゴフロートによるデータを統合し、海洋の全層を再現ししたデータセット
(Estimated STate of global Ocean for Climate research: ESTOC)などの研究成果や今後の活動方針が報告されました。
また、初日の夕方に開催されたレセプションでは、ASTメンバーと普段交流の機会ない機構研究者・技術者との間でさまざまな議論が活発に行われました。3日目には、国内でアルゴフロート開発に関わっている企業およびアルゴフロートの多くに搭載されているセンサーを製造している企業担当者より技術的な情報提供が行われ、アルゴフロートのユーザーである会合参加者との情報交換が行われました。
次回のAST会合は来年3月にホバートで、オーストラリア連邦科学産業研究機構
(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation:CSIRO)がホストとなり、開催予定です。

 AST17(英)
 DeepNINJA(日・英)
 ESTOC(日・英)

  • 原田尚美 センター長代理による主催者代表挨拶によって会議が始まりました。

  • アルゴフロートの計画に関する進捗、今後の発展などについての発表が行われました(写真は主要メンバーのひとりである須賀上席研究員)。

  • 休憩時には、各国参加者が真剣な議論をしています。また会場では研究成果のポスター展示が行われ、機構のアクティビティーが紹介されました。