出席者:平委員長、今脇委員、有野委員、田中委員、岡委員、安永委員、越智委員、
八島委員、佐々木委員、桜井委員、佐伯委員、堀田委員、竹内委員
(オブザーバー)
町田(内政審)、堤(外務)、松尾(水産)江上、鮫島(海保)、平木、
横手、菅野、吉田(気象)、高木、北沢、水野、安藤、高槻(JAMSTEC)
(事務局)
城土、平野、古川(科技)、日当、藤田(運輸)
・事務局より資料にもとづき本委員会の設置について説明があった。
・各委員より自己紹介が行われた。 ・竹内委員、今脇委員ほかから平委員が委員長に推薦され、全員一致で承認された。
・「ARGO計画は、自動的に観測されたリアルタイムデータが即座に公開するという海洋学 の分野では、画期的な計画である」旨の発言があった。
・有野委員より本プロジェクトについて資料にもとづき説明があった。
・田中委員より本計画について資料にもとづき説明があった。
・越智委員より、本計画の国際協力の重要性、国際会議の必要性及び開催までの経緯、資料
にもとづいたAgenda及び出席予定者の説明、各国の状況等の紹介があった。また、本会議で
は、海洋法に関する議題を行わないことが説明された。さらに、2日目の午後に、より技術
的かつ具体的な非公式会合を持つことが説明された。
・田中委員より、本会議で議題になるであろう我が国の計画のうち科技庁分について資料の
説明があった。
(平委員長)日本が太平洋だけでなく、インド洋熱帯域にフロートを展開するのは、世界のARGO
計画を推進する上でにとって非常に力強いものである。
(越智委員)本会議のStatementは、世界に先立ち太平洋でARGO計画をスタートすることによっ
て、世界的及び各国のARGO計画の推進に貢献するという趣旨で書く予定である。
(平委員長)昨年のIOCの会合でも、ARGO計画をラジオゾンデと同様のものと考え、ARGO計画
に協力することを採択した。
(今脇委員)会議出席予定者の海外の方は、出席が決定しているのか?
(越智委員)海外の方は決定している。
(堀田委員)予算だけでなく、フロートを展開する船舶の運用についても念頭において本会議で
議論していただきたい。また、ARGOフロートに係る海洋法の解釈についての見通し
はどのようなものか教えていただきたい。
(岡委員) 我が国は海洋法の批准国であるので、フロートの展開に関しては条約に従い必要な
手続き、具体的には必要に応じ、事前に沿岸国の同意を取り付けることが必要。フ
ロート展開に必要な手続きに係る海洋法の解釈に関しては、ARGO参加国は各国各々
の解釈を尊重して進めていくことが良いと考えている。
(竹内委員)本会議では、大洋に隙間無くフロートを展開するための検討を行うために、各国が
分担する海域とフロートの個数等の調整に係る議論が必要である。
(田中委員)まだ、国内での検討が十分できていないので、北西太平洋とインド洋熱帯域といっ
た大まかな関心海域を示す程度しかできないのではないか。
(佐伯委員)フロートを展開するための船舶の運用状況を説明することも重要ではないか。
(竹内委員)フロートの具体的な展開に関しては、分担が決まった後にモデルを使ったシミュレ
ーションをして、決めなければならないと考えている。
(平委員長)フロートにも寿命があり、限られた期間内に成果を上げるためには関係各国が一斉
にARGO計画を開始することが望ましい。
(今脇委員)ARGO計画が開始される直前の国際会議であるのだから、各国の分担領域を発表し、
大まかな役割分担は議論すべき。
(越智委員)各国温度差があるので、フォーマルな会議では分担を議論することはできない。2
日目の午後にインフォーマルな会議を予定しているのでその場で分担海域に関する
議論を行ってほしい。
(竹内委員)インフォーマルな場でも、議論できるのは喜ばしい。
(平委員長)米国のスクリプス研究所のケネル所長もARGO計画には関心があると聞いている。
平成12年度実施計画について
(海洋科学技術センター)
・堀田委員より海洋科学技術センターの12年度実施計画について、資料にもとづき説明が
あった。
(平委員長)センサー及び本体について海洋科学技術センターを中心に開発・制作を行うのか?
(堀田委員)センサー及び本体の作成にしては、国内では経験のある企業が行えば良いと考えて
おり、海洋科学技術センターとしてはセンサーの検定等を行って業者にアドバイス
を与えていこうと考えている。フロートの購入に関しては、価格等も考慮した上で、
海外のフロートを買うこともあり得ると考えている。
(竹内委員)今後、多くのフロートを展開していく上で、国内での生産を考えて行くべきだと考
えている。現在、日本でフロートを購入する場合、海外の価格差が大きいので、こ
の点についても価格が下がるように努力していく必要がある。また、センサーの検
定等は、自ら行えるようにする必要がある。
(安永委員)データの公開は、本計画に参加した機関に限るのか?
(堀田委員)海洋科学技術センターでの公開はdelayed modeなので、QC等データを処理する期間
は必要であるが、公開範囲に制限はない。
(竹内委員)ARGO計画はデータをopenにするということが基本方針の1つである。
(平委員長)航空機からのフロート投入装置の開発も考えているのか?
(竹内委員)航空機からのフロート投入装置は考えていない。海洋科学技術センターでは、ボラ
ンティア・シップにフロートの展開を依頼した場合に、技術者を必要としない投入
装置を開発したいと考えている。
(平委員長)フロートのターミネーションに関しては、どのようなことを行うつもりか?
(堀田委員)既存のフロートがどのような素材でできているかをきちんと調査し、環境に対する
影響をきちんと調べようと考えている。
(田中委員)海洋環境を観測するための機器が海洋の環境に悪影響を与えてはいけないので、本
計画を進めいていく上での環境に関してもきちんと配慮していきたいと考えている。
(佐伯委員)フロートに穴をあけて沈めてしまうということを考えているのか?
(竹内委員)まず、観測が不能になったフロートが、海表面に浮かび上がった方がよいのか、海
中に沈めた方がよいのかを議論する考えである。
(岡委員) 他国のEEZ内に入る場合の国連海洋法に従った手続きについては、投入国が必要に
応じ、事前に沿岸国の同意を取り付けることが必要。昨年のIOC総会でも一部の国
はフロートの自国のEEZ内への流入に懸念を表明したと承知している。
(堀田委員)フロートによる観測は非常に有益なことであり、フロートがEEZ内に流入しても問
題はないといった国際認識を定着されるためにも、環境に対する影響調査は必要だ
と認識している。
(平委員長)国連海洋法第247条では、国際機関が直接実施する又は主導する海洋の科学的調
査については、当該国際機関が当該沿岸国に同意を取り付けることができることに
なっている。
今後、WMO/IOCに対し、必要な手続きを行うよう要請して行くべきと考える。
(竹内委員)EEZ問題を解決する一つの方法は、ARGO計画に参加する国、具体的にはフロート
の供給だけでなくフロートの展開の協力だけでもよいという国々を増やすことも一
つであると考える。
(岡委員) 国連海洋法では、確かに国際機関が主導して行う海洋の科学的調査についての定め
があり、当該国際機関が沿岸国の同意を取り付ければ、個々の国が手続きをする必
要がないことになっているが、ARGO計画については関連の国際機関は同計画をエン
ドースする方向ではあるが、現時点ではフロートの投入につき自ら沿岸国の同意を
取り付けることまで考えておらず、従ってARGO計画を海洋法にいう国際機関が主導
して行う海洋の科学的調査として実施している国際機関は存在していないので、フ
ロートを投入する国が自ら沿岸国の同意を取り付ける必要がある。その際、ARGO計
画への参加国が増え、ARGO計画のビジビリティが高まることは同意取り付けを容易
にすると考えられるので、そういった意味で今度の国際会議やWMO/IOCの会議を活
用していくことは賛成である。
(平委員長)大循環モデルでのフロートの拡散予測を信用しすぎることは危険ではないか?
(竹内委員)平成12年度の取組み内容としては、フロートを展開したい全ての地点に船舶で投
入することは不可能なので、フロートの拡散の程度を大まかに予測するといったも
のである。
(平委員長)(資料の国際協力体制の協力を見て)パンフレットは何語で作るのか?
(堀田委員)まず、日本語と英語を考えている。
(今脇委員)次年度以降はどのように考えているのか?
(堀田委員)資料にあるような準備を今後1年半行った上、平成13年度の後半から本格的なフ
ロートの展開を行う予定である。
(今脇委員)これだけのことを行うためには、専任の人も必要であると思われるが、どう考えて
いるのか?
(堀田委員)海洋科学技術センター及び地球観測フロンティア研究システムにて担当の人を付け
る予定である。また、一部の業務は民間に委託することも考えている。
(田中委員)本計画の予算の中には、新たな人材を確保するための経費も含まれている。
(気象庁)
・佐伯委員より気象庁の12年度実施計画について、資料にもとづき説明があった。
(平委員長)係留系を使ってフロートデータの検証をするとあるが、係留系で測定した流速とフ
ロートの測定する流速とは違ったもの(オイラリアンとラグラジェアン)であるが、
この違いは考慮するのか?
(佐伯委員)一つはフロート投入時にCTD観測を実施し、水温・塩分濃度のプロファイルに関し
て検証を行う。流速に関しては、水温・塩分濃度及び係留系によって測られた基準
流速面を使った地衡流計算から求められる流速と比較することにより、ラグラジェ
アンであるフロートの流速と比較する予定。
(平委員長)係留系及びフロートの数は?
(佐伯委員)係留系は2系、フロートは数個である。
(今脇委員)ARGO計画は、水温と塩分のプロファイルを測定することが主目的であるが、流速
を測定する係留系を設置してARGO計画にどのように貢献するのか?水温と塩分のプ
ロファイルを評価するシステムを作った方が良いのでは。
(今脇委員)長期予報の精度(70%)を向上するとあるが、どのように精度の評価をするのか?
(佐伯委員)現在の長期予報は1ヶ月と3ヶ月の予報をしており、45%の精度しかなく、本計
画では6ヶ月予報を70%の精度で予報仕様とすることにより社会に貢献していこう
というものである。
(今脇委員)予報の具体的なやり方及び精度の具体的な計算の仕方を教えてほしい。
(佐伯委員)精度検証の詳細は今後検討していく予定である。
(有野委員)本計画の社会貢献は最終的な目標である長期予報の精度向上にかかっている。この
点についてはもう少し真剣に考えていただかなければ、本計画の打ち切りもあり得る。
(海上保安庁)
・佐々木委員より海上保安庁の12年度実施計画について、資料にもとづき説明があった。
(平委員長)短波レーダーは何個設置するのか?
(佐々木委員)2個1セットを設置し、ドップラー効果で流速を測定する。
(平委員長)黒潮のどこを測定するのか?
(佐々木委員)御前崎もしくは野島埼と八丈島に設置し、その間の黒潮の流れを把握する予定。
(今脇委員長)表層の流速がARGO計画にどのように貢献するのか明確にしてほしい。
(佐々木委員)表層の流速データを海洋の同化の際に利用し、同化の精度を上げることにより、
長期予報の精度を上げるために貢献したい。また、フロートの展開の際に当庁所有
の船舶により協力することを考えている。
(竹内委員)黒潮海域は非常に流れが速くフロートでの観測ができにくい海域であるが、日本の
気候にとって重要な海域である。この海域でフロートの観測結果を補完する観測を行
うのは意味がある。
「データの配信・処理に関する作業部会(仮称)」の設置について
・佐伯委員より作業部会の設置について資料にもとづき説明があった。
(田中委員)来週行われる国際会議の場でもデータ流通に関して議論されることになっている。
そこで議論されるであろう国際的な基準作りに対応するという意味でも早急に実務者
によって構成される作業部会を設立すべきである。
(平委員長)本作業部会の設置については異議がないようなので推進委員会として承認する。今後、
議論の結果を本委員会に報告していただきたい。また、作業部会では本計画で展開さ
れる以外のフロートのデータも公開していただくように努力して行くべきである。
(以上)