第11回ARGO計画推進委員会議事概要

日時:平成17年6月10日(金) 14:00〜17:00

場所:文部科学省ビル3階 研究開発局会議室


出席者: 平啓介委員長、今脇資郎委員、道田豊委員、

中村健一委員、上原孝史委員(代理出席:山田氏)、佐藤洋委員、

和田時夫委員、小滝晃委員、加納裕二委員、木村吉宏委員、

小田巻実委員、菊地聡委員、四竈信行委員

欠席者: 花輪公雄委員、加藤茂委員

【議題1】

資料1に基づき平委員長より,前回の委員会の議事概要(案)について,確認が行われたが、特に意見はなかった。1週間だけ意見を受け付ける時間をおき,その上で委員長の権限で承認することとした。また事務局より,承認された議事概要はウェブページで公開される旨連絡があった。

 

【議題2】

 (資料2-1及び2-2について海洋研究開発機構(JAMSTEC)四竈委員より説明)

平委員長: 各アルゴフロートはどこで放流したのか。例えば、インド洋、南太平洋にSOWERという名前もあるが、これは全部日本の船か。

四竈委員: これは、鯨類研究所の持っているプロジェクトの名前、あるいは航海の名前だろう。

和田委員: プロジェクト名である。

平委員長: 全部日本の船ということで間違いないか。

四竈委員: その通り。

 (資料2-3-1について気象庁高槻氏より説明)

 (資料2-3-2について海上保安庁小田巻委員より説明)

道田委員: 3枚目中段の左図で、漂流深度はunknownとはどういう意味か。

高槻氏: これはメタデータなどで調べているので、そのメタデータに記載がされていないものという意味である。また、深度が変わるもの、すなわち等密度層で漂流するものもunknownに入れている。

道田委員: 密度追随型のものはunknownに入るのか。

高槻氏: その通り。決まった深度ではないので分けている。

今脇委員: 同じページの一番下の図で、アルゴフロートの漂流速度から求めたということは正しいが、これが何を表わしているのか。例えば、どれぐらいの期間の平均とか、何を表わしているのか。

高槻氏: これは約4年分のデータを使っており、瞬間値ではなく長期平均のものを出している。

今脇委員: 場所によってはアルゴフロートがいつ来たかによって異なった振舞をするようだが。

高槻氏: 現段階ではその通り。

今脇委員: これが平均値としてどれぐらい信用できるのかは判断が難しい。専門家はアルゴフロートで時々観測したものを平均したという前提で見ると思うが、専門以外の人は4年間の平均で局所的に強い渦があっても、それを本当の4年間の平均と思 うだろう。そのため、その意味が正しく伝わるタイトルが必要。

平委員長: ここでいうます目の平均とは。

高槻氏: グリッドは1度ごとにしているが、5度の幅の中で平均している。

平委員長: 報告書にも書いてあるので、ここでもそれを書いたらどうか。

今脇委員: 平均とは平滑化しているという意味か。

高槻氏: その通り。

平委員長: メッシュの5度四方に入ったものと報告書には書いてあったと思う。また、右上の図で、15センチを超えるような流れというのはどういうところか。流速分布図の赤いところか。他のどこか特別なところか。

今脇委員: このヒストグラムは瞬間値というか1回の計測によるもので、流速分布図は平滑化したものということか。

高槻氏: その通り。ヒストグラムは全ての個別のセグメント一つ一つから求めている。それをグリッド内で平均したものが流速分布図になる。

平委員長: 2,000メートルというと無流面になっていて、多くの場合、速い大きな流れはないように思うが、15センチという流れはあってもおかしくは無いと思う。非常に頻度は少ないように思われるが。

今脇委員: 2ページ目の右下、アンテナパターンを今回適用し、実測したら右下のようになり、良くなったということか。

小田巻委員: その通り。

今脇委員: 以前に視線方向だったらもっと対応が良いような図を以前見たような気がする。

小田巻委員: この右下の図は視線方向で比較したものと聞いている。

今脇委員: あまり良いようにも思われないが。

小田巻委員: このデータは中心に固まっているが、これは回帰が0.39ということで、さらに進められる部分もある。解析の仕方は、ADCPは細かく走りながらとっているが、短波レーダーは3時間ごとで、しかもこのサイズでメッシュ化して平均したものなので、その平均して対応させるところを工夫すれば、対応がよくなるのではないかと考えており、それを検討している。

今脇委員: 以前、寄高氏が報告された時は、もっといい相関があると思われる図が一時期出ていたので、期待したい。

小田巻委員: 現在、相関が0.39や0.23という回帰ではよくないのではないかと考え、検討している。3ページ目にあるように、ADCPで実際に測ると、このように時間変動と思われるものが加わるため、走りながらとっているADCPのデータと、ある区切ったサイズで3時間ごとに平均して表わしている短波レーダーのデータを、単純には比較できるのか疑問の余地がある。また、ADCPはポイントの観測値を、ある程度ライン上でとっているだけなので、それの平均値と短波レーダーの値とを単純に比較できるのかも疑問。

平委員長: XCTDを使ったのは今回が初めてか。

小田巻委員: 通常144度線ではCTDできちんと測っているが、昨年度はXCTDを使って測った。XCTDの精度検証は十分ではないので、アルゴフロートの精度とどちらの精度が良いのかは判断しきれない。しかし、プロファイルを見ると、浅い方で温度そのものは非常に合っている。塩分はこの程度で良いと見るか、もっと良くなるのかを検討中。

平委員長: その違いは100分の1パーミルには入っているのか。

小田巻委員: オーバーしているのではないか。これらは計測した時間が違う。深いほうなので10日違っていてもそんなには違わないのではないかと思うが。

平委員長: それほど深いわけでもないのか。

小田巻委員: 2,000m位で測っている。

四竈委員: TSダイアグラムにすればもう少し分かると思う。

 (資料2-4について気象庁木村委員より後で成果報告書と一緒に説明する旨発言⇒了承)

 (資料2-5及び2-6について海洋研究開発機構湊氏より説明)

道田委員: 2−6の参考資料のところにある左下の図、海面圧力のサイクルが移るに従ってのずれを示している図だと思うが、色の違いは何か。

湊氏: 色はメーカー別につけている。

四竈委員: 同じフロート、エイペックスでも、圧力センサーのメーカーが違う。

湊氏: 3種類のメーカーがある。

道田委員: 赤いもののうちの幾つかは上のほうでずれているものも多くあるが、あまりよくないという評価か。

四竈委員: その通り。初期のものは大きくずれるものが多かったが、最近のドラック社のセンサーはほとんどゼロまたは1デシバールの間にあり、非常に小さい値を示している。ところが、不良センサーも時々見つかり、それが50とか80という数字を示してしまう。

湊氏: 今回の4月の遅延品質管理に関する会議でも、どこまで補正するのか、補正せずにフラグをつけるだけにしておくのかなどについて議論したが、決まらなかった。

今脇委員: 補正とはどういうことか。

湊氏: 各プロファイルの圧力から海面圧力を引き算することによってリセットをかけることができる。それをやるべきか、それともやらないほうが良いのかということ。

平委員長: この図でブルーについては、ゼロが少なく、±5のところが密度が高い。これは1つのものが+5になったり、−5になったりするのではなく、そういう2種類のものがあったということか。

四竈委員: その通り。

今脇委員: 1本だけ上がっていくものがある。

四竈委員: 最初のころにたしかそういうセンサーがあった。

平委員長: その図の右側にあるアクセス件数のグラフで、密度分布、軌跡図とか書いてあるのは、どの要求が一番多いかということか。

湊氏: その通り。我々のウェブページのアクセスの内訳を書いたものである。意外にも遅延モードQC済みのデータのアクセスなどが多い。

平委員長: 一番多いのは、データファイルをまずもっていくユーザーということは承知した。ここで合計はどこで見るのか。

湊氏: 合計は右の目盛りで、ずらして書いている。

 (資料2-7について海洋研究開発機構四竈委員より後で成果報告書と一緒に説明する旨 

  発言⇒了承)

 (資料2-8-1について海洋研究開発機構宮澤氏より説明)

 (資料2-8-2について海洋研究開発機構増田氏より説明)

今脇委員: このSINTEXは何の略か。

宮澤氏: EUからもってきたモデルとのこと。

平委員長: EUというのはECMWF、ヨーロピアン中長期予報センターのことか。

宮澤氏: ヨーロピアンセンターではなく、EUの大学を中心としたグループのこと。

平委員長: EUでもやっているということか。

宮澤氏: イタリア、フランスといったところが中心になって進めている。

平委員長: この図で、NINO.3のSSTがどうなったということか。徐々によくなるという意味か。

増田氏: RMSディファレンスでいうと、シミュレーションと較べおよそ半分。緑が同化結果で、黒がオブザベーションで、赤がシミュレーション。赤と黒の差が徐々に小さくなって、緑が黒に近づいていくという形。

平委員長: 0.85とか、1.67というのは。

増田氏: ルートミーンスクウェアにしたもの。

平委員長: 温度差か。

増田氏: その通り。

平委員長: ここだと、0.85度ということか。大体1度を切るようになったということか。

増田氏: その通り。

平委員長: 流速場の変化について、このエルニーニョ、on−set時の亜表層流速というのは、TAO/TRITONではかっているのか。比較できるようになったのか。

増田氏: ポイントポイントではかっているので、比較はできる。

平委員長: ここではモデルだけ示しているのか。

増田氏: その通り。

 (資料2-9について気象庁安藤氏より説明)

平委員長: この事項でも海水温の予測精度が0.94℃まで達したということで、1℃を切ったということか。

今脇委員: 計画の最初のときに、目標を宣言したはずだが、いくつだったか。

安藤氏: 2002年度までに1℃、2005年度までに0.5℃。

今脇委員: 0.5℃を目指したわけか。

安藤氏: 実施報告書の実施目標のところにも書いているとおり、これらを目標とした。

今脇委員: そこまではいかなかったということか?

安藤氏: その通り。

平委員長: しかし、精度はよくなりつつある。

加納委員: 1℃の中間目標はクリアできたが、最終目標の0.5℃の達成は厳しい。

安藤氏: 評価方法は最初に決められていたわけではなく、資料にある市松模様の海域での誤差の最大値を評価のための誤差と自ら設定した。

平委員長: 0.5℃という数値目標に対し、何だ0.9℃じゃないかというようにとられることがある。数値目標の怖いところである。

中村委員: 7月の評価・助言会議では、どのように説明するのか。

平委員長: 評価のために数値目標を掲げろと言われるが、こういう結果が出てくることもある。精度は向上しているが、もともとどれぐらいの目標にすればぴったり決まるものなのかはわからない。かといって、低いレベルの今でも実現しているような値を目標にするのも問題である。

加納委員: 前回、本委員会で報告したかと思うが、別の方法も試みており、その中には0.6℃ぐらいまでいく評価方法もある。そうすると、中間目標の1.0℃は、初めからクリアしているという状況になってしまい、中間目標をクリアしつつ最終的に0.5℃まで精度向上させるというのは難しい。初めに評価方法が定められていなかったので、我々としては、かなり厳しめな目標を設定して評価した。

今脇委員: 最初から厳しい方法で評価すると宣言していた。

加納委員: 我々の評価方法によれば、1.0℃の中間目標に対し、1.05℃となり、かなりいいところまで来たといえる。しかし、最終目標の0.5℃はかなり高いハード  ルであったためモデルを改良するなどいろいろ努力はしたが、この評価方法でやる限りは0.94℃までしか至らなかったと言える。別の評価方法もあるが、ここでは、他の方法による結果は報告していない。

中村委員: 達成できないのであれば、達成に向けてどのように取り組み、その結果がどうであったのかきちんと説明することが重要であると思う。それが次につながると思う。

今脇委員: 最初に凄く高い目標を掲げて努力した。その結果、精度はかなり向上したが、目標までは届かなかった。それでもそれを悪いと言われたら、それは仕方が無いが、それを悪いとは言わないのではないか。

道田委員: 今の2−9の資料の図、「平成16年度の成果」の一番下にあるインパクトの評価の図は、赤道域のところが理解しにくい。

今脇委員: TAO/TRITONだけで良いということか。

道田委員: 最初のうちは、アルゴフロート等がほとんど展開されていなかったので、TAO/TRITONとずれがある。アルゴフロートが増えてくると、ずれが小さくなる。しかし、2003年以降はどれも似たものになっている。これはどう理解すれば良いのか。どれかひとつがなくても、ほかの2つが補完しているということか。

安藤氏: そういうことになる。

加納委員: おっしゃったように、アルゴとTAO/TRITON、どちらもそれなりの役割を果たすようになったということではないか。

道田委員: そう理解してよいのか。

安藤氏: インパクトの評価として、この東西平均全体の貯熱量で見るのが適当かどうかという問題はあると思う。水平分布まで含めて見るべきではないかと考える。別途スライドでお見せしたのは、全球のインパクトの分布を見ようとしたもの。これによれば、太平洋の熱帯域よりも中高緯度では、アルゴフロートのインパクトが大きいことがわかる。

【議題3】

 資料3に基づき、「はじめに」、概略について平委員長、加納委員より説明。

(「はじめに」及び概略について)

平委員長: 気象業務の評価というのは、大体アルゴ計画と同じころから始まったもので あるが、評価の仕方としてはこういう方法で共通なのか。初めにスキルなしでも50点からとするのか、それともノンスキルで30点からいくのかなどについては決まっているのか。

加納委員: 季節予報については、まだ評価の仕方が明確になっていない。短期予報とか、波浪などについては、評価の仕方を示した上で、気象庁では評価をしている。

今脇委員: 精度が上がった主要な要因は何か。アルゴフロートがすごく貢献したというよりは他に理由があったのではないか。

加納委員: 当初、アルゴフロートはまだ数が少なかったので、それが大きく効いたというよりは、実際にはまずモデルを導入し、その改善を図ってくる中で、アルゴフロートのデータも増えてきたということ。そういう意味では、アルゴフロートもこれからますます発展するので、今後本格的に、海水温等の情報が、季節予報モデルに導入されて精度向上が期待されるということだろう。

平委員長: 8ページまでにはこの委員会の委員名簿もあり、各年度の予算が8ページにあり、成果の発表状況も記載されている。9ページの、「1.観測システムの構築」というのは字が細い。9ページの一番上等はもう少し大きく書いたほうが良い。「1.」というのを大きくして、少なくとも「1.1」と同じにしてほしい。

四竈委員より「国際協力体制の構築」、「中層フロートの展開」に関する説明がなされた。
気象庁高槻氏より「アルゴデータを検証する観測システム」に関する説明がなされた。
小田巻委員より「アルゴフロート以外の観測システム」に関する説明がなされた。

(中層フロートの展開について)

山田氏: 外務省から、国際協力体制について確認したいことがある。島嶼国に対して、 いろいろ説明とかをされてきた機会が多いと思う。こちらの許可をとる際に、在外公館に依頼してとってもらっているが、パプアニューギニアでなかなか許可がおりないという状況にある。フロートが領海まで流入することを想定して許可をとる必要というのはあるのか。

四竈委員: アルゴフロートの場合、2種類の許可申請があり、フロートをどこかの国のEEZの中で投入する場合には、投入する作業を行う船を所有している機関が申請を行う。例えば、気象庁にお願いするときには、気象庁がCTD観測とか、いろいろ観測の項目の中の1つにアルゴフロートの投入というのを入れる。それ以外に別個に申請するのは、EEZの外で投入する際に、一応寿命と考えられる4年間に、どこかの国のEEZまたは領海に流れ込む可能性があるという場合の申請を行っている。領海の中で何か作業をするということは全くないが、領海に流れ込む可能性があるという場合には必要。

山田氏: それは投入のたびに可能性があるかどうか計算するのか。

四竈委員: その通り。投入点付近で投入したらどのように動いていくのかを、海洋の循環モデルを利用して統計的に計算する。

山田氏:領海までの許可をとろうとすると、明示の同意が必要になるなど難しい。

四竈委員: その通り。どうしても許可が難しい場合には領海またはEEZに流れ込まないと予想されるところに投入点をずらす形でやってきたが。

山田氏: もう1つ、沿岸国に漂着した場合に、どのような対応をとるとか、実際に話し合いは持っているのか。

四竈委員: 2月の国際アルゴの幹事会で、フロートの数が全世界で多くなってきたので、今後は漂着問題がかなり重要になる。基本的な対策を決めようということで、話し合いは始まっている。まだ決まってはいないが、基本的にはフロートを流した所有者の責任で処理をしていくということになりそうだ。具体的なところまでは、まだ詰められていない。

山田氏: 現在は在外公館に一時的に口上書の作成を任せている状況だが、今後そういったときに、口上書を申請するときにそういう可能性があるということを入れていくべきだと思うか。例えば領海での科学調査をするという旨を書くのと、領海に流入する可能性があるというのを書くのは意味が変わってくる。その点を確認したい。また、実際漂着した場合のこととか聞かれる機会が多いようだ。実際それでパプアニューギニアでは今回新しいガイドラインができて、なかなか許可を出さないとかというケースが出てきて、在外公館の者がどうしたらいいものなのかが難しい。

四竈委員: 複雑な問題なので、後ほど外務省とお話しさせていただく。

山田氏: その点を確認したい。

平委員長: 本日、午前中にIOC分科会があり、この問題も議論した。外務省はじめ各位のご尽力で、許可については今のところ順調に届いているとのこと。ただし6か月とか8か月とかという日にちが必要。このことだけではなく、海洋観測については長期的な準備が必要だということ。それで、その席上で出てきたのが、このように沿岸国の理解を得ているというのは日本がやってきた非常に良いことで、大きなトラブルもなく事業を進められているキーになっているという話があった。

小田巻委員: アルゴフロートは最後死んだ場合には沈むのか、浮かぶのか。

四竈委員: そのときにバッテリーがどの段階で切れるかできまる。下から上がってくるためにかなりのエネルギーを使うし、送信しているときも結構エネルギーを使うので、どの段階で最後になるかは難しいところだが、ミレニアムではアルゴフロートはごみではないという原則をとっているので、フロートの設計上、中にプログラムを組み込んであり、ある指定回数が来たら海面に浮きっ放しにして発信を続けて、その間にどこかの島に漂着したり漁船に拾われたら回収するという方針にしている。

(アルゴデータを検証する観測システムについて)

今脇委員: 前に言った2,000メートルのベクトルの図で、Reid (1997)が引用してあって、過去データから推測された循環像に大体一致するとは、どの辺りをもって言っているのか。

高槻氏: 北緯30度位での、東経140度から160度位の西向きの流れ、あと日本のそばへ来て北向きに上がってくるという部分である。実際にReidの図とオーバーレイしたものは本日用意していない。わかるような書き方をすべきであった。

今脇委員: いや、私はReid (1997)を読んでいないからわからないのだろう。Reid (1997)の図に似ているということなのだろうか。全部似ているということは無いだろうから、どの辺が似ているとか、限定的に言ったほうが良いのでは。

今脇委員: 渦が東経140度から160度の間、北緯30度から40度の間にあるが、一番知りたいのは、これが平均的なものか、あるときはあったけれども、また別のときは違うのかということ。そこに一番関心がある。南北10度、東西20度のこの枠を中心としたこの図がどれぐらい長期的な平均値として信頼性があるかということに関心がある。

平委員長: これだけきれいな渦なので、温度分布というのも当然反映されているわけで、いろいろおもしろいことがあると思う。

気象庁吉田氏より「全球海洋データ解析・提供システム」に関する説明がなされた。
海洋研究開発機構湊氏より「データ品質管理」、「データベース」に関する説明がなされた。

(データベースについて)

平委員長: 湊さんの最後のホームページは、何となく載せたという感じがするので、もう少し鮮明にするほうが良いのではないか。

今脇委員: こういうホームページがあるというだけの感じがする。

湊氏: もう少し工夫してみる。

平委員長: いや、上3分の1ぐらいが見られるようにしてでも、飛ばせば良いのでは。特にアドレスがわかる程度であれば、見たい人は見るだろう。

四竈委員より「データ同化」に関する説明がなされた。
海洋研究開発機構宮澤氏、増田氏より「気候変動予測モデルの高度化研究」に関する説明がなされた。
気象庁安藤氏より「海水温予測モデルの高度化」に関する説明がなされた。

(データ同化について)

平委員長: これは何回か原稿を読んで、専門用語の説明を全部書いてもらった。コスト関数というのも、これを読んでもいまだによくわからない部分もあるが、少なくとも説明があるので、協力に感謝したい。

(海水温予測モデルの高度化について)

平委員長: 47ページの図を見ると、リードタイムが8か月位までは非常に良い。相関も0.8を超え、RMSエラーも0.5度台になっている。

安藤氏: これは太平洋東部赤道域のNINO3という海域の海面水温予報スキルである。

平委員長: 精度0.5℃を達成できなかったというのは、リードタイムを1年としたためか。

安藤氏: 精度評価のリードタイムは4か月。評価は次のページの市松模様の海域での誤差の最大値とした。



安藤氏: NINO3だけで点数をつければ、良い点はとれる。

加納委員: 2002年度までに精度1℃の中間目標を初めからクリアしてしまうことになる。

道田委員: 市松模様の海域の中でどこか特定の海域の精度が悪いということはないのか。

安藤氏: 東部赤道域が、もともとバリアビリティーが大きく誤差も大きくなりやすい。一方、西太平洋熱帯域はもともと変動が小さい。

道田委員: ということであれば、指標として絶対値がいいのかどうかということは検討すべきである。誤差評価するときにバリアビリティーに対して規格化するという手もある。

平委員長: 見栄えを良くするということか。

道田委員: 見栄えを良くするというより、バリアビリティーの大きいところでは、ある程度外れてしまうのは仕方ないという観点もあり得る。検討する価値はあると考える。

(全体について)

平委員長: 今脇委員から報告書についてコメントがあるとのこと。

今脇委員:この説明のときに色々図を見せられたが、この報告書に載っていないのもある。これは全体のページが、例えば50ページというような制限があって載っていないのか。

事務局: そういう制限は無いので、掲載は可能。

今脇委員: ページが窮屈なので省略したとかという話もあったと思う。

平委員長: 一応言いたいことは書いてあるということだろう。例えば湊さんの図も、もっと最初のころは過去データとのいろいろな比較、長いのがあったが省いたと。もう一つトピックを入れると2倍以上になると思われるが。

今脇委員: 窮屈というのであきらめたのでなければそれは良い。

平委員長: それで最終的にはいつごろが完成の予定か。図を鮮明にしてほしいという要望があったが、いつごろできるか。

事務局: 今推進委員会の意見を受けて、1か月程で出来るのではないかと思う。7月20日に評価・助言会議があるので、それまでには当然仕上げる予定。

平委員長: あと一踏ん張りをお願いする。

【議題4】

 資料4に基づき、佐藤委員より説明。

今脇委員: 前回の議事録で、最後のほうに推進委員会が必要という議論があったので、趣旨自身も良く理解していた。やはり国際的なプログラムが進んでいる途中で推進委員会もなしで進むというのは、相当難しいと思う。こういう全体をまとめる会を作って、そのもとで進めるというのは非常に良い。

小田巻委員: この趣旨そのものは良いと思うが、今までミレニアムプロジェクトということで内閣府が束ねて推進会議とか、評価・助言会議とかを進めてきて、その枠が取れるということで若干心配なのは、このARGO計画そのものを国全体としてオーソライズできるかということ。これでも良いとは思うが、国際協力ということもあるし、一方でIOCの国内分科会でも地球観測に関する色々なものがあると聞いている。おそらくこのARGOの計画はそういうものにもいろいろ関係するので、何かどこかでARGOの委員会、関係省庁の申し合わせ以上に何かオーソライズというか、エンドースしていただけることを考えれば、これからの予算をどういうふうにしていくのかが気がかり。今までは内閣府が中心になって進めてきたし、ミレニアムでもあるしということでで進めやすかったところがある。何かそういう仕組みを考えていただけないものか。それはこの申し合わせとは別個にどこかからエンドースしていただければ良いが、これに関連してやっていただければと思う。

佐藤委員: 予算の話になれば、それぞれのところで頑張る他ない。しかし全体の計画ともなれば、いわゆる地球観測サミットの関係の全球観測システムを構築していく実施計画の中に「ARGO」という名前が載っておくような形にしていくことが重要と思うので、その辺のところは抜け落ちがないよう目配りをしていく。

中村委員: 内閣府の立場を正確に言うと、ミレニアムプロジェクト自体が官邸主導なので、内閣官房がまとめ役というのが基本的な立場。内閣府がなぜ入っていたかというと、内閣官房の手伝いということで評価・助言のところを任されたためと聞いている。申しわけないが、一応プロジェクトは終わりということで内閣府は手を引かせていただきたい。もしエンドースするような、あるいはオーソライズしていくようなものが必要ということであれば、筋としては内閣官房にお願いしていくということになろうかと思う。そういう形で今後発展を考えて行かれるのが良いと思う。

中村委員: 7月20日に評価・助言会議を開き、最終的な評価を行う予定。それに向け、目標のことが出て話題になったが、成果報告書に詳しいものを載せる必要はない。
予報の的中率の70%の話とか、評価・助言会議の先生にわかる形で、詳しく説明できる資料の準備をお願いしたい。個人的なお願いに近いが、評価書の中にもできるだけそういうことを反映した形、つまりほかの一般の方が読んでも、なぜ70%でないのかとか、あるいはそこまでいかなくてもこういうことに寄与できたとかいう観点でできるだけ触れられればと思っているので、そのあたりも配慮していただきたい。

(申し合わせ)

平委員長: ほんとうに4年間のご協力に感謝する。

佐藤委員: 事務局から、この委員会は最後の推進委員会となっているが、7月20日に評価・助言会議があり、そこで何か特別なことが指摘されればこのメンバーでもう1回会議をやることになる。しかし、普通であれば次の会議は、その評価・助言会議を終わった後に、新しいメンバーでの推進委員会ということで会議をさせていただきたいと思う。

― 了 ―