出席者:平委員長、花輪委員、道田委員、福本委員、田中委員、道上委員(代理:伴登)、 浮委員(代理:松尾)、増井委員、佐々木委員、桜井委員、佐伯委員、堀田委員、 竹内委員(代理:須賀) 欠 席:今脇委員、八島委員
(1) 科学技術庁/海洋科学技術センター(説明:田中委員及び堀田委員)
田中委員:科学技術庁/海洋科学技術センターの予算は12年度6億円。13年度は6.1億円で要求
中。本年度は概ね12年度計画に沿って進捗している。年次計画に従い13年度後半か
らフロートの本格展開を実施する予定であるが、文部科学技術省所管の海洋科学技
術センターと運輸省・水産庁・大学等関係機関の連携のもとにこれを進める。
平委員長:(フロート投入装置開発の緩衝容器の)ダンボールは回収するものか?
堀田委員:20ノットで航走する高速船からフロートを投入するための衝撃緩衝容器である。水
溶性の環境にやさしい素材を使用しており、回収は予定していない。
道田委員:国際シンポジウムと国際セミナーの関係は?
堀田委員:国際セミナーは平成13年3月に1週間開催し、データ活用等のトレーニングを行い、
アジア・西太平洋諸国の海洋関係者にARGO計画の有用性の理解を促進するもので、
20〜30名の規模で予定している。一方、国際シンポジウムは欧米も含めて平成13年
度末に開催し、今年度実施している研究結果等を発表するとともに諸外国との意見
交換の場としたい。
平委員長:観測期間のほとんどの時間を2000mの深海を漂流しているフロートは、塩分センサ
ーの生物付着によるドリフトは無視できるほど小さいという見解が示されたが、い
かが?
松尾氏 :2000mの深海にはセンサーに付着するような生物はほとんどいないと考えて良い。
道田委員:センサーの精度向上のための性能評価の中で、他国における性能評価に関する知見
とは?
安藤氏(海洋象整・橘淹洌舗):米国ワシントン大学が日本海で投入したものの結果から
シーバード社のセンサーが良好であるとの情報を得ている。FSIのセンサーについ
てはインターネットで情報を得た。また、PMELが、係留ブイにて長期使用したセン
サーの性能評価結果を入手している。
花輪委員:性能評価のフィードバックの考え方は?単に評価して良いものを選ぶだけではもっ
たいない。
堀田委員:海洋科学技術センターでは各社の性能を評価して、良いものを選定することを実施
する。
平委員長:フロートを国産化する計画はないのか?
須賀氏 :開発を行っている国内メーカーもある(一社)。性能評価の結果を公表することに
より、結果的に国内外のメーカーの開発・改良現場にフィードバックされていくも
のと期待する。
田中委員:ミレニアムアルゴのスケジュールとの関係を考える必要がある。スケジュール的に
見て当面は良いものを選ぶために結果を活用する。
花輪委員:フロートのターミネーションについて13年度に我が国なりに結論を得ること自体は
結構なことだが、国際的な調整も重要。そのために各国に情報を出すようにしても
らいたい。
(2) 海上保安庁(説明:佐々木委員)
平委員長:野島崎と八丈島に設置する海洋短波レーダーは連動させるのか?
佐々木委員:連動させる。ドップラー効果により、両地点からある程度の角度をもった海域で
測定する。30分間のデータを蓄積して解析し、インターネットで公表する。1時間
毎に更新できるかどうか。両地点の電波の重なる海域(200kmのうちの100km位)と
なる。理想的にいけば5km平方のメッシュで7cm/sの速度分解能の見込み。
平委員長:設置場所やメンテナンスはどうするのか?
佐々木委員:野島崎は灯台の構内に設置する。八丈島は場所を借りる。データは電話回線で海
上保安庁本庁に吸い上げる。
花輪委員:平成13年度予算要求が少ないとのことだが、13年度以降は予算減少のため実施計画
を変更するのか?
佐々木委員:中層フロートの投入は既定経費の中で実施可能。また、14年度は補完のための
CTDや海流以外の観測として測量船によりCTD観測を行い空白域を埋めるような予
算要求をしていきたい。
(3) 気象庁(説明:佐伯委員)
平委員長:検証用の中層フロートはどの要素を取得するのか?
佐伯委員:水温、塩分、深度。シーバード社製。
道田委員:データ配信について、IOCの会議でリアルタイムQC後のデータはフランスと米国のデ
ータサーバに入るとのことであったが、これと我が国で行おうとしていることとの
関係はどうなっているのか? 我が国がデータQCを行うということを国際的にも見え
るようにすべきではないのか?
佐伯委員:国際的に見えるようにするということについては、国際Argoサイエンスチーム会合
などに出席し、日本もやっているということを表明する。仏・米のデータベースで
データを共有することについて我が国として異論は無い。
花輪委員:係留系について、日本の南方など強い渦があると渦にトラップされて長期間止まる
ので、この試みは面白い。しかし、4基の係留系に対して中層フロートが6個は少
ないのではないか?
佐伯委員:海洋科学技術センターも試験的に同海域の近辺に中層フロートを投入する計画など
があって、検証に利用可能なフロートの数はもっと増えることを期待している。
(1) 米、仏、露、EUとの二国間科学技術協力関係、太平洋会合等
(説明:田中委員(科学技術庁)、堀田(海洋科学技術センター))
平委員長:コリオリ計画とメルカトル計画の違いについて説明願いたい。
花輪委員:コリオリ計画では大西洋に展開している数百個のフロートのうちの一部をArgoと
認定、仏のArgoに対する寄与としている。
古川氏(科学技術庁・事務局):コリオリ計画はArgoに相当し、今後3年間に年間65個ず
つのフロートを大西洋に投入する。一方、メルカトル計画はデータを解析する
GODAEに相当している。また、EUのジャイロスコープ計画は2001〜2002年の2年
間で80個を大西洋熱帯海域に投入する。
平委員長:ロシアは中層フロートがEEZに入ったときには扱いが異なるとのことであるが、
ロシアはどういう考えなのか?
古川氏 :ロシアの発言としては、EEZ問題は完全に解決していないと認識しているとのこと
である。
伴登氏 :EEZに中層フロートが漂流する可能性があることに対して、ロシアは懸念を有して
いると聞いている。
平委員長:プール制についてはどう考えるか?
田中委員:これからの展開区域を考慮すべきである。大西洋については多数のフロートが用意
されており各国が展開しようとするエリアに重複があり、プール制をとられた。し
かし、太平洋やインド洋では今のところ各国のフロート展開予定を足し合わせても
必要数に達していない状況にある。日本は北西太平洋を中心に投入する。将来的に
はプール制ということもありうるが、まずは関心のある海域から投入していくのが
適当である。
堀田委員:資料1−1の最後の図は、ミレニアム予算で調達できる数を関心のある海域別に割
り振ったものである。
田中委員:インド洋、北西太平洋だけに展開するにしてもこの図に示した350個では少ないの
ではないかと考えている。割り振り自体は各方面と相談して決めるべきものである
が、最低限の個数を割り振るとこのようになるという資料である。
平委員長:豪もArgoに熱心であり、インド洋に投入する際にはオーストラリアとも協力して
投入すべきである。
(2) 太平洋会合、G8外相会合、世界気象機関(WMO)会議報告、IOC第33回執行理事会
報告、気候予測のための海洋観測促進に向けた国際会議について
(説明:増井委員(運輸省)、佐伯委員(気象庁))
花輪委員:アルゴ情報センター(AIC)が設立されているが、各国からの資金的寄与の中に
日本の名がない。この問題を我が国で考えるべき主体はどこなのか?
佐伯委員:AICは資金的には若干不足だが、職員のグレードを当初案のP3からP2に下げて6ヶ
月雇用する旨の情報を得ている。資金提供の問題は、各省庁の予算の割り振りや仕
組みが様々であり、また、AICに対しては関係している機関が資金提供を行う仕組み
であると理解しており、国として単一の窓口を設けるのは今のところ困難と考える。
技術的にはミレニアムアルゴのフロート位置情報をAICに即時的に提供するという
ことで、中身の寄与は当然行う。
平委員長:資金協力の予算としてはどんな形がありうるのか?
田中委員:アルゴを国際的に推進するにあたり我々が如何に寄与できるかを考えるべき。所在
情報を一ヶ所にまとめるのが良いということでAIC設立の発案が米国からあった。
われわれのフロートについての情報は適切にAICに流れ込むということで貢献して
いく。AICで働く人のサラリーまで面倒を見るべきか疑問。窓口ということであれば、
IOCからの案件として外務省・文部省を通じて流れるが、実際に受け止めるのは科技
庁・運輸省である。資金的な寄与だけが我々にできることでもなく、中身の寄与が重
要。それはきちんとやる。
平委員長:アルゴの表記には「Argo」と「ARGO」の2通りがあるが、統一したい。
佐伯委員:国際的なグループでは「Argo」を使用し、ミレニアム・プロジェクトでは「ARGO」
として、わざと統一せず区別しており、うまく使い分けている。
道田委員:最近の国際会合ではもっぱら「Argo」である。
平委員長:では、ミレニアム・プロジェクトでは「ARGO」ということにする。
(1) データの配信・処理等に関する作業部会の活動報告(説明:佐伯委員(気象庁))
平委員長:中層フロートのデータは、サービスアルゴスから自動的に直接GTSに入るのか?
佐伯委員:そのようにはなっていない。たとえば東大海洋研のデータは気象庁にいったん伝送
いただいて、気象庁でコード化してGTSに乗せている。
平委員長:大学などでは多数のフロートデータ処理を定常的に行うことはできないが、その部
分は海洋科学技術センターが行うのか?
堀田委員:ミレニアムプロジェクトで購入するフロートについて、所有者である海洋科学技術
センターから気象庁に生データが転送され、即時処理が行われる。
平委員長:この部分はリアルタイムの現業機関でないと対応できないだろう。
佐伯委員:気象庁でリアルタイムに手を加えて即座にGTSに流すことがミレニアム・プロジ
ェクトの計画となっている。
花輪委員:データは受信後24時間以内ということだが、どの時点から24時間以内か?
吉田氏(気象庁・橘淹洌舗):データ処理を行う機関が入手後、24時間以内と理解してい
る。
花輪委員:同時に気象庁と海洋科学技術センターにということはどういうことか?
須賀氏 :海洋科学技術センターがデータを受け取ると同時に気象庁に送信する。
佐伯委員:自動転送と思っていただいてよい。
花輪委員:遅延モードの品質管理は、データのレベルに差があるのか?
須賀氏 :比較QCのために他国のデータも扱う。そのために、途中段階のものも交換する。
花輪委員:AICに対しては、ミレニアム・プロジェクトのフロートデータはどちらの機関から
知らせるのか?
佐伯委員:気象庁からAICに対してミレニアム・プロジェクトの中層フロートの位置情報を
インターネットで送る。また、観測データについては、リアルタイムデータに関し
ては気象庁から、その後の品質管理後のデータに関しては海洋科学技術センターか
ら、仏と米のデータサーバに送る。
花輪委員:資料3−1の別紙2には、気象庁からAICや仏・米のデータサーバへ出て行く矢
印が欠けているので、加えるのがよい。
佐伯委員:そのようにする。
道田委員:品質管理の手法は?
佐伯委員:品質管理の手法は国際的に未だ決まっていない。決まるまでは暫定的なもので対応
する。
道田委員:GTSで国際交換に用いられるコードはTESACか?
吉田氏 :当面、TESACとすることが先月のブレスト会合で決まった。しかし、WMOの方針にし
たがい、将来的には、BUFRという汎用的なコードに移行する見込み。
道田委員:他国のフロートのデータを入手したいときはどうすれば入手できるのか?
吉田氏 :仏と米のデータサーバには全てのデータがあるので入手できる。また、GTSに乗
っているデータは全て気象庁のウェブサーバーの中にある。
道田委員:外国における遅延モードの品質管理は?
須賀氏 :遅延モードの品質管理については、基本的には観測実施機関が行うことになってい
る。海洋科学技術センター/地球観測フロンティアも観測実施機関の一つとしてこ
れを行う。
(2) 中層フロート展開に関する作業部会(仮称)の設置について(案)
(説明:田中委員(科学技術庁))
平委員長:フロート展開の機会を国際的に考えようという動きもある。データ作業部会と同様
に、このような国際的な動きにも対応した活動を行う作業部会となるように。作業
部会の立ち上げはいつか?
田中委員:予算内示後、本数の見込みが立ったらすぐに動けるよう、来年早々にも行いたい。
平委員長:提案のあった「中層フロート展開に関する作業部会」の設置について、当委員会で
承認することとしてよろしいでしょうか。
委員全員:異議なし。
(1) 全体を通して
道田委員:ARGOだけではなく、その他の観測も重要。XBTなど既存の観測に加えてARGOフロ
ートがあれば海洋観測がますます進むということであり、特に黒潮流域など
ARGOフロートの分解能よりも細かい現象もあるので、既存の観測網を維持し、観
測を行ってほしい。
平委員長:気象庁のデータ解析提供システムにはARGOフロート以外の海洋データも入って
いるはず。
佐伯委員:海洋データ全般をトータルシステムとして利用可能なものは全て扱う。
須賀氏 :道田委員の意見に同感。Argoが対象とするのはラージスケールの海洋現象であり、
それと同様に重要な黒潮などスケールの小さい現象を把握するためには、我が国の
世界有数の観測網の維持は不可欠。
松尾氏 :水産研究所は独立行政法人となり、大部分の船が独立行政法人の所属となる。大型
船2隻のみが水産庁本庁船として残る。独立行政法人化に伴う環境の変化はあるが、
できる範囲で協力していきたい。
(2)次回の日程について
次回は、2〜3月頃を予定。