第3回 ARGO計画推進委員会 議事概要

日 時:平成13年4月11日(水) 14:00〜17:00

場 所:文部科学省第1会議室

出席者:平委員長、花輪委員、今脇委員、道田委員、福本委員、大塚委員、浮委員、増井委員、八島委員(代理:小田巻)、佐々木委員、佐伯委員、大山委員、堀田委員(代理:水野)、竹内委員

欠 席:道上委員



議事概要:

1.平成12年度の事業実施状況と平成13年度の事業実施計画

● 文部科学省より総括説明
(説明:大塚委員)
・ 平成12年度は概ね、当初の計画どおり順調に実施できた。

・ 13年度は、概ね、前半はフロート展開に向けての最終の準備段階となり、後半にはフロートを約90個投入し、我が国についても高度海洋監視システムが実質的に始動するということとなる。

・ ARGO計画の目標は、世界の海洋の状況をリアルタイムで把握することにより、気候の長期予報精度の向上を図っていくという、壮大なプロジェクトである。この目標達成のためには、関係機関同士の連携がますます重要となる。

● 「観測システムの構築について」
国際協力体制の構築 資料1-1に基づいて説明(水野委員代理)

補足説明(佐伯委員)

中層フロートの展開 資料1-2に基づいて説明(水野委員代理)

アルゴフロート以外の観測システム 資料1-3に基づいて説明(佐々木委員)

補足説明(大山委員)

【質疑応答】
花輪委員:アルゴフロートのセンサの誤差評価についてはいろいろな観点から続けていただいている。フロートのタイプごとにばらつきがあるが、運用の仕方はどのようにするか。

水野氏:今年度前半までにまとめたい。シーバード社のものを選んでおくと信頼できるだろう。

花輪委員:シーバード社製一本で統一するのか。

水野氏:センサとエンジンを分けて考えることができる。シーバード社製のセンサは要求をクリアしていると考えられる。現在のエンジンは熱帯域では浮力が小さくて問題がある。

平委員長:今年度の展開はいつ頃から始めるのか。

竹内委員:6月頃。センサはシーバード社のものが最も信頼性が高いので、今年度はシーバード社製を中心に行う。試行的に他社の製品も購入してテストを行っていく。他国の情報も考慮する。今後将来にわたってシーバード社製に固定することを考えているわけではない。

平委員長:エンジンは何を使うのか

水野氏:Webb社を想定している。

今脇委員:資料1-2のグラフを見ると、350〜200mのあたりで上昇速度が異常であるが。

水野氏: 躍層付近は流れのシアーがあってワイヤーが傾くため浮体がワイヤに引っかかるため。引っかかって、上昇速度が時々0になっている。

今脇委員:温度もおかしいが。

水野氏:引き上げ時に船の動揺と重なって周囲の水をかき回して起こっている。この部分は異なる水を測っているから精度の比較にはならないので無視してよい。

道田委員:資料1-1で、ARGO展開・運用フォーラムで出たrecommendationとは何か。

(北沢氏(JAMSTEC)):以下のとおり「基礎的な実験は公にされていないので周知してほしい」・「Science Plan で投入場所を考えているのはよいが、南太平洋諸国周辺をもっと採用してほしい」・「安易に投入しないでほしい。観測船同様、EEZ内の観測には承認を受けるのを原則としてもらいたい」・「可能なら、将来的に各国のEEZ等の管轄水域に入ってくるものがあれば事前に教えてほしい」・「南太平洋での展開の際周辺諸国のEEZに入った場合の手続きにはSOPACを利用してもらって差し支えない」・「GTSネットワークでのデータ提供の速報性は南太平洋諸国にとっては疑問。考慮してほしい」・「データをフロートを投入した国が回収・使用してから諸国へ流すということはかまわないが、南太平洋諸国もこのプロセスにもっと関与できる機会を与えてほしい」

佐伯委員:GTSでのリアルタイムのアクセスは気象機関に限られるという問題はある。この問題はWMOでも取り上げられており、気象機関以外でもアクセスできるようGTSをフレキシビルに運用するとか、インターネットを利用する、別途のデータサーバを作るなどが検討されている。

大塚委員:そもそもパソコンのあまりない状況の国にとっては、それでは公開していることにはならないのではないか。


● 「観測データ処理・管理」
データ品質管理 資料1-4に基づいて説明(水野委員代理)

データベース 資料1-5に基づいて説明(水野委員代理)

全球海洋データ解析・提供システムの整備 資料1-6に基づいて説明(大山委員)


【質疑応答】
今脇委員:1-5と1-6は似ているが、それぞれの特徴は何か。

水野氏:JAMSTEC(1-5)はdelayed modeで、気象庁(1-6)はreal timeである。ただしdelayed database =「遅延データベース」では言葉が悪いので、「高品質データベース」と呼んでいる。Delayed database はScientific userむけである。3ヶ月という遅延時間を使って品質の確保をしている。

今脇委員:どのような補正を施すのか。

水野氏: 様々な補正があり得る。今回示した例として、暖かくなってフロートが浮力不足で上がってこないで、10m程度の海面付近で漂ってセンサーの特性が変化した場合を示した(この期間をxみjこのときにポテンシャル電気伝導度で見て歴史データとずれが生じたので、夏休み後の生データにはオフセットを加えて補正する。実際、船を出してCTD観測を行い、この補正が有効であることを検証している。

大塚委員:どういうことか。

水野氏:「夏休み」中に電気伝導度センサーへの生物付着等で抵抗値が変わり、オフセットが生じる。

花輪委員:QCの履歴をきちんと管理することも重要だ。Delayed と real time とでQCの扱いも違ってくるので、整合を取らないとデータの利用者に混乱を招く。よいアイデアを出して、国際的に決まったやり方でやっていけるようになってほしい。

佐伯委員:QC履歴の管理も含めた手順の国際標準化について詳細は9月のカナダの会議でとりまとめられる。


● 「モデルの高度化・研究開発」
データ同化 資料1-7に基づいて説明(竹内委員)

気候変動予測モデル 資料1-8に基づいて説明(竹内委員)

海水温予測モデル 資料1-9に基づいて説明(佐伯委員)


【質疑応答】
花輪委員:気候変動予測モデルと海水温予測モデルの仕分けは、time scaleと考えてよいか。

佐伯委員:それでよい。

平委員長:高度計のデータも同化されているのか。

竹内委員:されつつある。

平委員長:海水温予測のtime scale は。

佐伯委員:最長6ヶ月程度と考えている。

平委員長:気候変動予測モデルはいつから始まるのか。

竹内委員:15年度だ。

平委員長:地球シミュレータが動き出すときか。


2.作業部会からの報告

● データ配信・処理等に関する作業部会の活動報告
資料2-1に基づいて説明(佐伯委員)

【質疑応答】

道田委員:delayed modeのQCは他国の流したデータに対しても行うのか。

竹内委員:delayed mode QCにも2段階ある。第一段階はデータの癖や観測状況を知っている人がやるというもの。第2段階として各海域の専門家が海域全体のデータを検討しておこなうもの。後者では日本にも分担がありうるが、その場合は他国のデータに対しても行う。

平委員長:Hydrobaseを用いるのはどうか

花輪委員:Hydrobaseはデータの他使用ソフト、設定値等を含んでいる。どの機関でもアップデートができる。格子間隔等もアップデート可能である。

平委員長:これをもとにQCができるのでは。

竹内委員:その考えはある。

今脇委員:9月の会合はどんな内容か。国際的なものか。

(吉田氏(気象庁)):各国からデータ管理の担当者が集まる。先に行われた第1回会議とその後の検討結果をうけてQCの内容・フォーマット・履歴の管理についてなどのファイナルなものを作成する。


● 中層フロート展開に関する作業部会の活動報告

資料2-2に基づいて説明(竹内委員)

【質疑応答】

道田委員:漂流のシミュレーションは表層と2000mとどちらの流れが効いているか。

竹内委員:2:1くらいだ。

今脇委員:ウエイトが違うと結果が変わる。

竹内委員:傾向を見るものと考えてもらいたい。

平委員長:「世界の海の60%は南半球」ということで国際的に協力して南半球でもフロートを流そうという考え方がある。見通しはどうか。

花輪委員:当初計画になかったインド・中国が計画に参加を表明し、日本周辺を含む中・西部太平洋でもフロートを多く流すことになってきている。国際的な動きも把握して、うまく展開を考えたい。

今脇委員:EEZの問題がもっと簡単にいくように、WMOが働きかけたというが、あまり簡単にはなっていないのか。

(北沢氏(JAMSTEC)):ラジオゾンデによる気象観測と同等の観測として各国の理解を得るよう試みたが、うまくいっていない。観測船と同じ扱いをするのが自然、との流れになっている。

増井委員:米国の船に日本のフロートを投入してもらうなどの協力の枠組みの余地はあるか。

竹内委員:ある。ニュージーランド等でもその用意があると聞いている。

大塚委員:豪も協力の意思がある。

竹内委員:北大西洋と同様に北太平洋でも新規参入の国も増えはこのまま進むと展開するフロートの予定数が余ってしまう。その時点でむしろ一部を南太平洋に展開する事により世界的に貢献することも考えられる。

水野氏:南大洋のまばらなところに協力する考えはわかるが、サイエンスプランもなく撒くのかという批判が考えられるので、やるならプランが必要。日本として研究上重要な海域を考えて計画を立ててきた経緯なので、まずはこれに重きを置くべき。余力で南大洋というスタンスが良いと思う。


3.評価助言会議の今後の進め方について

● 福本委員より説明

・ 4月24日に第3回評価・助言会議を開催し、今年度の事業実施状況について報告していただき、現状認識・具体的改善点・目標達成度等をまとめて6月頃の評価・助言会議で報告書として取りまとめる。

【質疑応答】

平委員長:5年計画であるが、年度ごとに同じプロセスをやるのか。

福本委員:その通り。

大塚委員:12年度の成果と評価についてか。

福本委員:その通り。もちろん13年度以降の方針についても話し合う。

平委員長:レビューを年度ごとにやるのか。

福本委員:年度ごとだ。


4.その他

● ARGOに関するホームページの開設について

資料4に基づいて説明(佐伯委員)

【質疑応答】

平委員長:「高品位データベース」の英語は”Delayed database”になっているが、よい英訳はないのか。

竹内委員: ”Delayed database”は既に一般的に使われる言葉になっている。

道田委員:開設は結構だと思う。ミレニアムプロジェクトからここへのリンクを張ってもらうべきではないか。

佐伯委員:関係各省庁・総理官邸からも張っていただきたい。

平委員長:内閣官房にもお願いしたい。

今脇委員:国際的には「アルゴ」は大文字か。

竹内委員:明確な決まりはない。

佐伯委員:ミレニアムアルゴでは大文字「ARGO」だ。

今脇委員:英語では「アルゴ」は大文字か。

竹内委員:明確な決まりはない。

佐伯委員:日本ではカタカナもしくは大文字「ARGO」だ。

今脇委員:国際的には小文字がむしろ多い。ホームページでは大文字で表記するのか。

佐伯委員:ミレニアムプロジェクトのアイデンティティーがあってよいのでは。

今脇委員:伝わらないだろう。

竹内委員:国際アルゴの連携とわかるほうがよいが。

大塚委員:ミレニアムプロジェクトでは大文字を使うとすればよい。

水野氏:世界的にはAだけ大文字で以下は小文字だ(Argo)。

今脇委員:検討を願う。

水野氏:ここで決めてしまったほうがよい。

平委員長:英語本文では小文字にするほうがよいようだが、お任せしたい。

大塚委員:プレスだが、いろいろな所でPRしたほうがよいと思う。統一的ページができた時点でPRしたい。


● 事務局から

次回の推進委員会は10月頃に開催予定。