第2回推進委員会

第2回アルゴ計画推進委員会議事概要

日時:平成18年5月29日(月) 14:00〜17:10
場所:気象庁5階大会議室

出席者:
  花輪公雄委員長、松山優治委員、道田豊委員、 本清耕造委員(代理出席:鈴木佐代子氏)、佐藤洋委員(代理出席:森下秀昭氏)、 和田時夫委員、馬場崎靖委員(代理出席:上野大輔氏)、奥野勝委員、 木村吉宏委員、菊池聡委員、水野恵介委員、四竈信行委員 (欠席: 久保田委員)

*開会の挨拶(気象庁木村委員)
*配付資料の確認:
*事務局からの新委員(海上保安庁 奥野委員)の紹介後、各委員の自己紹介を行った。
*委員長により、議事に入る。


【前回議事録確認】

花輪委員長:会議前に事務局から意見照会を行った前回議事概要について、何か修正のご意見等ありますでしょうか。
委員各位:(特に意見なし)
花輪委員長:何かご意見等ありましたら会議終了時までにお願いいたします。

【議題1:国内アルゴ計画の進捗状況(観測関連)】

1.アルゴフロートの展開状況

(海洋研究開発機構四竃委員が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

花輪委員長:アルゴフロートの平均的な生存率は現在どのくらいか?
四竃委員:3年半ぐらい。確実に伸びている。
花輪委員長:Argo equivalentを区別しているのは?
四竃委員:気象の季節内変動に対して海洋混合層にどのような変動が起こるかを調べるため、毎日500m深からのプロファイルを取得する計画。深度や周期が標準と異なるのでequivalentとした。大量のデータを送信する必要があり、また、インド洋の赤道付近では流れが速いため、アルゴス衛星システムよりも一度に大量のデータの送受信が可能なイリジウム送受信機付きのフロートを利用する。
花輪委員長:国際アルゴの枠に入るのか?
四竃委員:入る。
松山委員:センサーに7%程度不良のものがあるとのことだが、テストせずに投入したものにも同程度不良センサーがあったのか?
四竃委員:投入時にバイアスのあるデータなども確認されており、同程度あるようだ。
松山委員:重油の高騰によるフロート投入等アルゴ計画への影響は?
四竃委員:昨年度は投入に関しては影響なし。航路に変更があった場合は、EEZ問題の発生しない海域に移して投入している。
道田委員:2006年度中に3000台に達する見込みとのことだが、その後の計画等は?
四竃委員:米国は来年で5カ年計画が終了するが、さらにもう5年、同様の計画が認められている。欧州はフランス中心に持続的な運用体制に移行するための努力をしている。日本でも同様。

2.「海洋の健康診断表」のための中層フロートによる観測

(気象庁高槻氏が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

水野委員:AICの資料によると、2001年〜2003年に投入したPROVORフロートの寿命は平均2年弱だが、2004年以降は?
高槻氏:以前に比べれば寿命はかなり延びている。
水野委員:主力のAPEXは他と比べてどうか?
高槻氏:最近は、APEX、PROVORの寿命はあまり変わらないようだ。
水野委員:観測周期が5日だとどのくらい観測できるのか?
高槻氏:150回程度の沈降・浮上(約2年間)の運用を想定している。
松山委員:日本周辺に展開されている日本以外のフロートはどの国のものか?
高槻氏:本州東方は米国、九州南方は中国、韓国と思われる。
松山委員:気象庁での観測データの利用の現状は?
高槻氏:海洋総合解析システムでの同化モデルへ現場データとして取り込んでいる。
道田委員:気象庁としてのアルゴの貢献度評価の方法についてどのように考えているか?
高槻氏:同化モデルへの取り込みの前段階で第一推定値をアルゴのデータを用いて修正しているので、その修正量で評価できないか検討している。

3.海洋短波レーダーによる海況変動監視および平成18年度海象観測実施計画

(海上保安庁奥野委員が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

花輪委員長:南北、東西成分以外のレーダーとADCPの比較検証は?
奥野委員:アンテナが向き合う領域になってしまったためデータの品質がよくない。よって、これ以上の解析は予定していない。
水野委員:短波レーダーの局を増やす計画は?
奥野委員:検討中だが、予算的には難しい。ただ、観測システムの近代化は課題であると認識している。

4.水産庁及び水産総合研究センターによるアルゴ計画関連観測について

(水産庁和田委員が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

花輪委員長:中央水研が表層浮遊型のフロートについての開発を提案しているようだが、中央水研で何か開発計画等はあるのか?
和田委員:中央水研独自の開発は難しく、提案しているだけ。
水野委員:Gliderの利用の方向性については?
和田委員:まだ観測を実施していないためわからない部分が多いが、将来的には観測船との置き換えの検討もありうる。


【議題2:国内アルゴ計画の進捗状況(データ処理関係)】

1. 遅延モードデータ処理と太平洋リージョナルセンター および
2. フロート投入時のCTDデータ早期公開について

(海洋研究開発機構中村氏が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

松山委員:CTDデータに含まれる誤差が大きい場合もあるのでは?
中村氏:塩検済みのデータであれば問題ないと考えている。
水野委員:CTDデータの提出については、遅延モードデータ処理済の最終製品を6カ月以内に出したいという前提があり、ご検討をお願いしたい。ただ、提供してもらった全データを公開してよいのか、何らかの制約をつけるのかは今後協議したい。
木村委員:塩分補正の採否を留保しているデータは、時間が経てば判断できるようになるのか?
中村氏:ケースによる。ドリフトが発生した場合など、様子をみてからでないと判断できない。


【議題3:国際アルゴ計画の状況】

1.7th Argo Steering Team Meetingについて

(海洋研究開発機構四竃委員が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

道田委員:遅延品質管理についての各国の現状は?
四竃委員:90%程度をデータ処理しているカナダのような国もあれば、全く行っていない国もある。
花輪委員長:ニュースレター‘Argonautics’が最近刊行されていないようだが?
四竃委員:北極海のアルゴフロート(POPS)の記事を投稿した。間もなく出ると思う。カナダのSCORニュースレターにも同様のものを投稿した。

2.Second Argo Science Workshopについて

(気象庁吉田氏が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

道田委員: ワークショップの開催は定期的か?
吉田氏:次回については決まっていないが、要望はあるようだ。2年に1回のペースになりつつある。
四竃委員:1月にハイデラバードで開かれたArgo Steering Team(AST)Meetingで、非公式にではあるが、第3回のワークショップ開催をJAMSTECが引き受けてもよい旨、ASTの共同議長に伝えた。
道田委員:南大洋では2000m深までの観測では不十分という議論はなかったか?
吉田氏:特になかった。
四竃委員:北半球のデータではあるが、アルゴフロートにより取得した観測値を解析したところ1000m以深の所でも0.1℃を超える大きな季節変動がみられる。現在JAMSTECで開発中のフロートは高圧にも耐えられるので大深度の観測も期待できる。


【議題4:フロート技術・解析の紹介】

1.フロートによる溶存酸素濃度の観測

(海洋研究開発機構小林氏が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

松山委員: DOデータの補正に気候値データの利用を検討するとのことだが、DOデータは少ないので誤差が大きくなるのでは?
小林氏:データ数は確かに少ない。ただ、逆に補正されていないデータがその海域を代表してしまうことになるとまずいので、DOデータの補正は早急に行う必要がある。
花輪委員長:世界的なDOフロートの動向は?
小林氏:DOセンサ付きフロートの投入について注目されているが、特に投入数等の目標を伴う計画はない。


【総合討論】

1.アルゴ計画ウェッブサイト更新(案)について

(海洋研究開発機構四竃委員が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

花輪委員長: 異論がなければこの線で進めたいが?
委員各位:(特に異議なし)
花輪委員長: 協議したい事項が三つある。
1.気象庁で目標としている1度格子観測密度のデータ有効性をどのように評価・主張していくか?
高槻氏:気象庁の現業ルーチンでは、 まず現場水温・塩分や高度計の計測値により大スケールの推定値を作成し、それをアルゴデータを使って修正している。その修正により表現がどのくらいシャープになるかで評価できないかと考えている。
花輪委員長:単純にアルゴデータを使用した場合の同化と未使用の場合を比較するのも一つの方法ではないだろうか。
道田委員:まずは、考えられる評価方法をいくつかやってみることだと思う。具体的な手法が想像できないが先ほどから出ている細かなスケールの再現性の評価や、より大きなスケールで客観的な指標等を導入した評価などを試してみてはどうか。
木村委員:次回の秋の推進委員会で何らかの結果を報告したい。
水野委員:アルゴ計画としての評価のプレッシャーは常にある。今の話では対象としているレベルは、気象庁の評価なのか、ジャパンアルゴ全体の評価なのか?
道田委員:日本周辺にフロートを投入している気象庁としてアルゴの評価・成果はいつか求められる。全体の大きなスケールの評価は熱帯域等、他でもやっているようだ。また、この種の評価は定常観測網として認められるかどうかにも影響する点で重要。
2.CTDデータの早期提出について
花輪委員長:フロートの投入は前もってわかっているので、投入前にCTD観測およびデータの早期提出について連絡をすればよいのでは?
水野委員:6ヶ月以内のCTDデータの提供についても要求が高まってきている。また、リージョナルセンターとして他国との調整の際にも参照データとして必要。
花輪委員長:3官庁委員のご意見は?
木村委員:投入時にはCTD観測を行っている。3カ月以内に送付するようにしたい。6ヶ月以内のデータについてもできるだけ対応したい。
奥野委員:持ちかえり早急に回答したい。実情としてデータはあるが、どのくらい早く提出できるかは検討しないと回答できない。
和田委員:データ数としては少ないが提出している。水研にも伝えてあり、特に問題との意見は上がってきていない。ただ、データ提供の手順等は実務者レベルで調整が必要。
花輪委員長:全面的に協力いただけると認識する。
松山委員:現場レベルまでデータ提出の必要性を理解してもらう努力も必要と思う。
花輪委員長:材料はお持ちだと思う。アピールは必要では。
水野委員:この件に関連し確認だが、アルゴでは原則として遅延QCは運用者自身が行うことになっている。実情はどうか?
吉田氏:アルゴのルールを押し付けるとかえってデータが出てこない恐れがある。徐々に浸透させていくのがよいのでは?
水野委員:現状を確認したかっただけであり、もちろん押し付けるつもりはない。
松山委員:QCへの利用の面から見てXCTDの精度はどうか?
四竃委員:XCTDでは塩分精度0.02程度であり、不足。かえって XCTDをアルゴフロートで補正できると思う。
四竃委員:この件の3官庁のコンタクトパーソンを6月9日までにJAMSTECまでご連絡願いたい。
2.アルゴシンポジウムの日程ついて
四竃委員:昨年3月にアルゴのシンポジウムをミレニアムのまとめとして開催したが、まもなくフロート数が3千台に達する見込みで、アルゴデータを利用した科学的成果も出てきている。そこで、来年3月の海洋学会でシンポジウムを開いてはどうか?
花輪委員長:私も同様に考えていた。当推進委員会が母体になると思う。了承いただけるか?
委員各位:(特に異議なし)
道田委員:先日開催されたOOPCではJAMSTECの新しいフロートに対して期待が高かった。頑張っていただきたい。
水野委員:EEZ付近の観測について最近会議があったが、その結果について何か情報があれば教えていただきたい。
鈴木委員代理:EEZについては、外務省経済局海洋室の管轄なので、今すぐにはわからない。
木村委員:次回委員会はJAMSTECが事務局となる。
四竃委員: 10月中旬〜11月上旬にデータ関連会議が3件あるのでその報告も兼ねて11月中旬〜下旬を予定している。
花輪委員長:これにて第2回アルゴ計画推進委員会を終了する。