第5回推進委員会

第5回アルゴ計画推進委員会議事概要

日時:平成19年12月7日(金) 14:00〜17:00
場所:海洋研究開発機構東京事務所6階会議室

出席者:
花輪公雄委員長、松山優治委員、久保田雅久委員、 近藤秀樹委員(代理出席:山本治氏)、魚住雄二委員、 馬場崎靖委員(代理出席:上野大輔氏)、北村佳照委員、 奥野勝委員(代理出席:高芝利博氏)、水野恵介委員、須賀利雄委員

*開会の挨拶(海洋研究開発機構 四竃氏)
*各委員及びオブザーバーの自己紹介を行った。
*配布資料確認

【前回議事録の確認】

四竃氏:前回の議事録は委員会に出席された方にはメール等で事前に確認を取っている。修正意見等がある場合には来週の初めまでにお願いしたい。
*花輪委員長により、議事に入る。

【議題1:国内アルゴ計画の進捗状況(観測関連)】

1.「アルゴ3,000台到達」プレス発表

(文部科学省 山本氏が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

花輪委員長:私が把握している限りでは、次の日に日刊工業新聞および日刊水産経済新聞、 11月9日に科学新聞、11月26日に毎日新聞の計4紙に記事が掲載された。
山本氏:次の日の掲載については、日経エコノミーでインターネット上発表されたこと以外は把握していなかった。
花輪委員長:GEO会合でプレス発表することがアルゴプロジェクトオフィスのWebサイトで発表されている.それに関して日本には情報が来ているのか?
四竃氏:まだ確認していない。

2.アルゴフロートの展開状況

(海洋研究開発機構 四竃氏が説明)

説明の要点:

3,000台達成について:
フロート展開状況について:
これまでのJAMSTECフロート展開について:
2007年度JAMSTECフロート展開について:
JAMSTEC稼働中フロート数について:
今後の課題:

質疑・応答

北村委員:EUが申請した研究と環境モニタリングに役立てるプロポーザルの内容はアルゴフロートに別のセンサーを追加で付けて観測するということか?
四竃氏:新たなセンサーをつける話は聞いていない。現状のフロートでも環境監視のベースになると考えている。
北村委員:環境というのは広い意味での海洋環境か?
四竃氏:EU全体の大きなファンディングの中の「環境」という部門に申請していると聞いている。
松山委員:100台維持するために必要な予算はどのくらいか?
四竃氏:1台200万円として2億円。通信費(5,000〜6,000万円)+人件費(JAMSTECではフロート展開調整に2人、データ管理に3人を雇用)。
松山委員:原油高に伴い、船舶の維持が厳しく走るコースが短くなっている。日本が果たすべき海域に投入できなくなることが想定されるが、それはどう考えているのか?
四竃氏:出来る限り船を探す努力をする。現在の協力機関以外にも働きかけている。
花輪委員長:日本のフロートを外国に送って外国の船でフロートを投入したことはないか?
四竃氏:JASTECではない。逆にオーストラリア・カナダのフロートをJAMSTECの船舶で投入した経験はある。外国の船にやってもらうこともオプションの一つと考える。
水野委員:関係省庁のご協力によって年間100本近いフロートの展開が出来ている。関係省庁の船舶観測は徐々に縮小するのか?
松山委員:航海訓練所も航海の距離を短くしている。船舶も減らす方向。今年も南極航海を行っている海鷹丸は極地研等に支援してもらっている。お互いに現状を考えながら進めないといけないのではないか。
中田氏:水研センターの開発部門が外洋に出る航海をしている。今までフロート投入の経験はないが、今日担当者に聞いたところ協力できるとのこと。開拓もまだ出来る。
久保田委員:台数が増えたのに、フロートが高いのはなぜか?
四竃氏:入札と為替レート、原油高、センサーの値上げ等のいろんな要素が重なって高くなっている。
久保田委員:Sustained Argoにするためには、協力国を増やし貢献してもらうことが重要。
四竃氏:中南米等確実に参加国が増えている。インド・中国・韓国で投入台数が増加している。
松山委員:国際協調という点でアルゴ計画は一番重要なテーマであると考える。海洋基本法ができ基本計画が立てられている現在、アルゴ計画を国の政策に入れてもらって予算をつけてもらう方策はないのか?
四竃氏:海洋基本法は200海里の中を重視していると個人的には捉えている。一方、アルゴはグローバルな観測である。そこをどううまく調整しアピールしたらいいか。
山本氏:アルゴ計画が基本計画に反映してもらえるように働きかけている。財務省がどう判断するかだと考える。
花輪委員長:参加国の増加によって3,000台じゃなくもっと多くの台数を維持する能力ができる。Steeringチームで台数の大枠の議論は最近されているか?
四竃氏:各国予算が厳しい。ともかく3,000台を維持することが。まず、第一。これが安定して稼動できるようになれば考えることができる。
水野委員:おそらく次のアルゴの目標を書くなら、3,000台の次は30,000台(1度格子に1個)ではないだろうか。これならモデルとの比較ができる.しかし現実的には3,000台というベースを維持するとともに、プロセス研究でどこかに集中的に撒くようなことが考えられる。30,000台はかなり遠い将来であろう。
北村委員:成果の議論がなされるべき。
花輪委員長:それはその通りだが、戦略として次に何を提案できるかということを考えておくことも重要ではないか。
須賀委員:OceanObs’09が現在計画されている。OceanObs’99でアルゴと海面高度計の大きな二つの観測パッケージを政策決定者に売り込んで現在の観測体制が出来た。OceanObs’09ではアルゴ計画を評価することと、今後の観測システムをどうするかという方向性を打ち出すことが大きなテーマ。アルゴの成果の議論、次の長期的戦略のアイディアとも、日本でも出し始めていいのではないかと考える。

3.「海洋の健康診断表」のための中層フロートによる観測

(気象庁 高槻氏が説明)

説明の要点:

フロート展開について:
フロート稼働状況について:
3,000台達成について:
漂着フロートの回収について:
気象庁の同化システムについて:

質疑・応答

花輪委員長:漂着フロートが投入後沈まなかった原因は特定されているか?
高槻氏:ソフトウェアの問題で漂流するモードに移ってしまっていた。漂流モードになった原因はまだ分からない。原因特定のため、現在業者と交渉中。
花輪委員長:ぜひ原因を探って、もし原因が特定されるようなら教訓にしていただきたい。
花輪委員長:以前発表されたアルゴのインパクトについては、その後進展があるか?
高槻氏:新システムへの対応でその後進んでいない。折を見て今後やっていきたい。

4.水産庁及び水産総合研究センターによるアルゴ計画関連観測について

(水産総合研究センター遠洋水産研究所 渡辺氏が説明)

説明の要点:

フロート稼働状況について:
今年度の投入予定:
水中グライダーについて:

質疑・応答:

水野委員:水中グライダーは生物大発生プロジェクトの予算で購入したものか?
渡辺氏:プロジェクトの予算で購入したのではなく、水研センターが投資した。
中田氏:生物大発生プロジェクトは今年から開始しているが、水中グライダーは昨年度購入した。
水野委員:沿岸定線の代替としてモニタリング観測に使おうというビジョンはあるか?
中田氏:船舶の代替を考えている。ただ現在はテスト段階なので、プロジェクトの経過を見据えつつ考えたい。
水野委員:航続距離が1,500kmまでの観測だから難しいのではないか?
渡辺氏:沿岸定線なら距離は数百kmなので往復しても十分だと考える。
水野委員:もとは取れるということか?
渡辺氏:もとが取れるというよりも、水中グライダーの投入と回収には手間が必要。
水野委員:水中グライダーの金額は?
中田氏:1台1,500万円。
水野委員:アルゴは沿岸が非常に弱いので、水中グライダーで定常的に沿岸を細かく観測してもらえば良い連携が取れると考えられる。
渡辺氏:費用の問題と東北沖だと漁業との問題が生じると考えられる。どういう使い方ができるのかが検討課題である。プロジェクトで使い方を習得し、定線観測の代替に向けての仕様や問題点等も検討課題であると考えている。
花輪委員長:アルゴは浅海域も弱いが強流帯も弱い。水中グライダーは使用する海域の流速の制限はあるのか?
渡辺氏:聞いてない。
花輪委員長:アルゴは強流帯が弱いから、水中グライダーで補完して使うのが当初のアイディアだったと思う。
渡辺氏:その点についてはわからない。
松山委員:障害物(例えば定置網)があればどうなるのか?
渡辺氏:海底高度計が付いているので海底は検出できるが、前方にあるものを検出してそれが何であるか判断できるところまでできないと思う。
久保田委員:来年度係留系の周りを水中グライダーで観測するということだが、その場所は決まっているのか?
渡辺氏:聞いていない。
水野委員:ガルフストリームでは水中グライダーによる観測例があるが、黒潮を横断できるのか?
渡辺氏:黒潮ではまだテストしていないと思う.実験はできると思う。
水野委員:水中グライダーのスピードで本当に出来るのか疑問。
花輪委員長:来年あたり進展が聞けることを期待。

5.回収したアルゴフロートの再投入

(海上保安庁 高芝氏が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

花輪委員長:突発的な出来事だが、海上保安庁とJAMSTECが協力して1週間後には再投入できたのは良い連携が取れたと思う。
高芝氏:海流観測の時期に当たり職員も乗船中だったので、タイミングがよかった。このためにわざわざ船を出すのは難しい。
花輪委員長:US Navyからの感謝のメール等はあったか?
四竃氏:フロートが漂着したことはアルゴ国際情報センターとUS Navyの担当者に連絡した。目立った外傷がなければ再投入してほしいという先方の希望を海上保安庁に伝えた。たまたま海上保安庁で海流観測が翌週あったので、再投入を依頼した。
花輪委員長:今回のことで、フロート漂着に関してノウハウができたのではないか。
四竃氏:フロートが漂着した場合にはアルゴ国際情報センターに連絡を取る。その後はアルゴ国際情報センターからの連絡に従って動くことになっている。


【議題2:国内アルゴ計画の進捗状況(データ処理関連)】

8th Argo Data Management Meetingの報告

(気象庁・海洋研究開発機構)

説明の要点
(気象庁 菅野氏が説明):

(海洋研究開発機構 中村氏が説明):

質疑・応答:

花輪委員長:CTDデータ配信に関しては総合討論で議論する。


【議題3:その他】

フロートによるクロロフィル観測

(海洋研究開発機構 須賀委員が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

中田氏:この件について全く情報が無いので、後で須賀さんと話をしたい。
水野委員:衛星関係の集まりのように見える。
須賀委員:衛星海色センサーに関連した観測等の調整をする集まりのようである。
水野委員:この動きを利用できるといい。
須賀委員:センサーの取り付けからデータの配信まで具体的に考えられていて、衛星の枠組みを越えてフロートそのものの議論に入っているので、近いうちにASTに話が上がってくるはず。どの時点で報告されるかはわからない。
花輪委員長:スペースエージェンシーでこのような話を受けるかどうかはわからない。スペースエージェンシーとしてはバリデーションさえできればいいと考えると思うが、この話は海洋内部のモニターまで含んでいる。
須賀委員:衛星では海面しかわからないし、雲によるデータの欠損もある。衛星が見えない海洋内部の生物生産をモニタリングすることが目的のようだ。


【総合討論】

CTDデータ配信ルートについて

花輪委員長:前々回推進委員会で、投入時CTDデータはできるだけ迅速にJAMSTECに提供することで合意した。ここで、参照データの定義を確認したい。ADMT8の新しいCTDデータ配信の枠組みでは、投入時CTDデータだけではなく利用できるすべてのデータと聞こえる。
中村氏:利用可能なすべてのCTDデータが対象。
花輪委員長:CTD観測のみ実施している人もPIとして含み、データ提供を要請している。皆さんのご意見は?
吉田氏:NODCがワークしていない国はともかく、日本ではNODCがワークしており、NODCのルートを用いるべきではないか。
花輪委員長:PIに対するプライオリティ期間は2年だと認識している。
吉田氏:提案のようにデータが複数のルートで流通すると、いろんなバージョンができるのが問題。
花輪委員長:JAMSTECの考え方は?
中村氏:まだ議論をしていないが、個人的には前々回の約束を重視して、公開許可されたデータ以外はCCHDOに渡さないことにしたいと考えている。その代わりに、NODCを通るラインをより迅速化してほしいという希望もある。ただ,日本国内の結論に関わらず、国際的にはNODCを通らないラインが今後できてしまうのではないかと考えている。
高芝氏:PIからNODCを通さずにCCHDOに直接送ることが可能かもしれないが、NODCからのデータ提供について調整しておく必要があるのではないか。
水野委員:国際アルゴコミュニティから、遅延品質管理には高精度のデータが必要だとIODEに依頼した結果、新しいデータ配信ルートが提案された。NODCはIODEの一員なので、IODEでも新しいデータ配信ルートは賛同しているのではないか?
高芝氏:初めて聞いたので、詳しくはJODCに聞いてみないとわからない。
吉田氏:次回の推進委員会でJODCの方も含めて議論したらどうか。
中村氏:新しいデータ配信ルートの情報はADMT8で初めて知った。そのため、事前にお知らせすることができかなったことをお詫びする。
花輪委員長:IODEが迅速に動かないことに国際アルゴコミュニティがイライラして新しいデータ配信ルートを提案したと取れる。
水野委員:アルゴコミュニティでは観測してから1年以内に遅延品質管理を終えているデータを8割超えるようにしようとしている。これを実現するためにはCTDデータのPIへのプライオリティが2年というのは長い。できるだけ早くCTDデータがほしいというのがアルゴコミュニティの国際的な認識。日本では、他の機関にデータを渡さないことを条件に関係省庁からCTDデータを早く頂いている。それは実情に合っていると思う。
花輪委員長:これは難しい問題で議論を継続すべき問題である。日本の枠組みとしては、投入時CTDデータは速やかにJAMSTECに渡して遅延品質管理に使用する。ただし、データは遅延品質管理にのみ使用し、他の機関には渡さない。これは、気象庁・水産庁・海上保安庁で了承済み。ADMT8で議論されている内容は、情報が十分ではない。海上保安庁およびJODCにこれに関する情報を十分に集めてもらい、一方、アルゴのほうは、ASTで議論に参加してもらう。お互いに情報を持ち寄ってもう一度議論したいと考える。
水野委員:新しいデータ配信ルートはCCHDOとNODC/USAで現在検討中の段階。
花輪委員長:世界ではCTD観測は現業官庁よりも研究者が観測していることが多い。だからPIからCCHDOへの新ルートが有効。しかし、日本では官庁の観測が充実し、研究者の観測が少ない。日本の場合は、CCHDOからNODCへのデータ配信は対応が難しいと考える。
渡辺氏:今の枠組み通り、データはJAMSTECまでにしてほしい。世界的にデータ流れたとき何か問題が起きて収拾がつかなくなると問題。現状までなら柔軟に対応可能。
中村氏:CCHDOに集まったデータは直ちに公開されるわけではない。CCHDOから3カ月に1度NODC/USAに全データが転送されるが、このとき非公開属性の付いたデータは直ぐにアーカイブされず、NODC/USAからPIに対しアーカイブしても良いか許可申請を行うつもりのようだ。
渡辺氏:水研ではPIが不明。水研は内部で整理し検討した上で回答したい。さらに、データの流れが二重になるところが気にかかる。データを出す側としてはデータに関する責任があるので気を遣うところが多く、データ公開には慎重になる。ルートを一本化して、JAMSTECでとどめるところまでが限度。 花輪委員長:今後メール等々で議論すると思うので、フォーマルな日本の対応ということで、今回の推進委員会の意見を伝えてほしい。次回の推進委員会までに取りまとめてもらいたい。


【閉会】

花輪委員長:第5回アルゴ計画推進委員会をこれにて閉会する。
四竃氏:次回は気象庁の事務局で開催する。