第7回推進委員会

第7回アルゴ計画推進委員会議事概要

日時:平成20年12月2日(金) 14:00〜17:10
場所:海洋研究開発機構東京事務所6階会議室

出席者:
花輪公雄委員長、松山優治委員、久保田雅久委員、道田豊委員、 柳淳委員(代理出席:落合祐貴氏)、生川浩史委員(代理出席:山本治氏)、 飯田貴次委員、鈴木昭久委員(代理出席:片桐康孝氏)、北村佳照委員、 佐藤敏委員、大嶋真司委員(代理出席:加藤氏)、水野恵介委員、須賀利雄委員

*開会(海洋研究開発機構 四竃氏)
*各委員自己紹介
*配布資料確認

【前回議事録の確認】

四竃氏:前回の議事録は委員会に出席された方にはすでにお送りしており,修正すべきところは修正している.更なる修正点があれば今週中に連絡して頂きたい.

【議題1:国内アルゴ計画の進捗状況(観測関連)】

1.アルゴフロートの展開状況

(JAMSTEC 四竈氏が説明)

説明の要点:

フロートの展開状況について
極域のフロートについて
様々なセンサーをつけたフロートについて
2008年度JAMSTECフロート展開について
漂着フロートについて
Final GODAEシンポジウム(11/12-11/15フランス・ニースで開催)について

質疑・応答:

水野委員:最後のスライドにあるGODAEの結論について,アルゴに対応する結論はあったのか?
四竃氏:この場では出なかった.今後の一つの目標は来年9月に開催されるOcean Obs’09でArgoがどんな目標を掲げるかである.そのために来年3月までにアルゴのwhite paperを作る.この中で今後10年間にわたるいいスローガンが出ればいいと思っている.今日の総合討論で皆さんで議論できることを期待する.
松山委員:日本ではアルゴフロートに生物系のセンサーをつけた実験はやっているのか?
四竃氏:溶存酸素とクロロフィルセンサー付きのフロートがある.電力中央研究所の北島さんが開発したpHセンサーをつけられれば,二酸化炭素の観測ができる.そのためには,センサーのドリフトをどう解決するかが問題と考える.解決策の一つとしては,2000mより深層まで観測するフロートの開発が挙げられる.例えば3000mではナチュラルな変動幅が小さいので,そこで気候値を使ってキャリブレーションができる.スクリプスでは深層まで観測するグライダーを開発.このグライダーの浮力調整装置をうまく利用したフロートを近いうちにフィールドに持っていくと聞いている.
水野委員:フィリピンでのフロートの回収について,以前フロートが漂着した際,現地で爆弾じゃないかとコーストガードに届けがあった.今回も騒ぎになっては困ると考え,以前作ったコネクションを利用して緊急的に対処した.日本とフィリピンとの関係なので,外務省の方と連絡を取り合って対応するのが正式であろうが,これについて外務省から何かコメントがあれば頂きたい.
落合氏:在フィリピン大使館を通じて、フィリピン政府関係者に概要を説明し、必要に応じ、対応を依頼することは可能であると考えられる.
花輪委員長:marine mammalについては,初期の目的はアルゴではなく,marine mammalの生態系を調べるためにつけたのか? サイエンスの興味からやっているのか?
四竃氏:そのとおりである.

2.「海洋の健康診断表」のための中層フロートによる観測

(気象庁 林氏が説明)

説明の要点:

平成20年度フロート観測計画
現在までのフロート運用状況
海況解析現業モデル解析値へのアルゴデータのインパクト実験結果

質疑・応答

花輪委員長:混合層厚の定義は何か?
林氏:10dbarの密度から0.03kg/m3密度が大きくなったところを混合層深とした.
花輪委員長:輸送量の定義は何か?
高槻氏:南北速度(V)に0-2000mの厚みをかけて計算.
花輪委員長:インパクト実験について,アルゴなし実験では海面高度データから経験的に見積もった水温・塩分プロファイルが主に与えられる.実際には推定されたT/S変動と違う変動も起こるので,アルゴデータを入れるとより変動の幅が大きくなる.
水野委員:アルゴあるなしで実験しているのか?アルゴなしは船の観測で,水温・塩分データ両方か?それともほとんどのデータが水温か?
林氏:データの数は水温が多い.
水野委員:アルゴデータを入れることによって結果に差が出たのは塩分データが増えたからなのか?海面高度データから経験的に水温・塩分を推定するアルゴリズムをアルゴあるなしに関わらず使用しているのに,どうして差が出るのか?
花輪委員長:観測データはないけれども水温も塩分も衛星高度計データのフットポイントには与えている.アルゴデータを入れないと観測値の水温は残っているけれども,水温・塩分は依然として海面高度データから推定したものも入っているからではないか.
水野委員:しかし,系統的な結果の違いが見られている.これはなぜ起きるのか?
北村委員:リアルタイムに入ってくる海面高度データを水温・塩分鉛直構造に統計的に変換している.解析海域の中で領域をいくつかに分け,その領域毎に過去の観測データにEOF解析を施し,第12モードまで使用して水温・塩分構造を統計的に推定.したがって,MOVEシステムは海域分けで水温・塩分構造がかなり決まっている.一方,アルゴはその場所の観測値であるので,このような海域分けで特性を与えているところがどの程度ノイズになるかを議論しなければならない.これを変えてショックが減ってくるかどうかが検証できると思う.
水野委員:観測データの時空間的な均一性がない状態で,それがゆがみを生んでいるのではないかと思う.
花輪委員長:推定された水温・塩分変動とずれた変動をしたときには変動を拾えない.
北村委員:過去の観測データも時空間的に均一ではないが,アルゴも観測データは1ヶ月に1グリッド1個程度.同化システムは5日に1回のサイクルで解析をしているので,入れる同化のデータが何日くらい系の中に残るかというような時間スケールがいくつかある.現状のアルゴのような1ヶ月に1グリッド1個のデータによりうまく合うような最適化をする必要がおそらくあると考える.
花輪委員長:続けて解析して頂きたい.
松山委員:このデータを使うことはかなり平滑化していることを意味しているのではないか?
高槻氏:EOFモードに分けているけれども高さと海域に分けて入れているので,中がすべて同じになっているわけではない.ある程度均一と考えられる海域として決めている.
松山委員:400mまでの観測データの数はXBTが非常に効いているのか?500m以下のデータはアルゴがなければ急激に減るということはないのか?
高槻氏:観測データ数は1000mくらいまではそんなに大きな差がない.XBTラインが減ってきていることが効いている.気象庁と水産庁のhydrographyがかなり多いので,塩分が少ないというわけではない.Argo以外のデータでは,緯度経度がきれいなラインになっているところは塩分データもある.
花輪委員長:斜めのラインはXBTでしょう.
高槻氏:その中には東北大学の観測も含まれている.
花輪委員長:XBT観測は最盛期全世界で一年に約50,000点だったが,22,000〜23,000点に減っている.
高槻氏:XBT観測がアルゴに取って代わっていると考えてもいい.

3.水産庁及び水産総合研究センターによるアルゴ計画関連観測について

(水産庁・水産総合研究センター 渡辺氏が説明)

説明の要点:

平成20年度アルゴフロート稼働状況/予定
これまでのフロート展開状況
「複数トレーサー解析による混合水域中層の起源水成分の分布と変動の解明」(科研費:東北水研・清水)
水中グライダーの導入【続報】(東北水研・伊藤・清水・筧)
FRA-JCOPEへの利用(中央水研・海洋データ解析センター)
QC用CTDデータ提供について

質疑・応答

水野委員:グライダーの将来的なオペレーションの図を見ると,日本海側でのグライダーの運用は無いが,それはなぜか?
渡辺氏:特に意味はない.日本海側は観測が沖まであるように見える.手薄なのは特に黒潮域で,そこを埋めるように考えている.
水野委員:日本海側の観測はしばらくは続くのか?
渡辺氏:いつ崩壊するかはわからない.危機感は非常にある.沿岸の観測は水産系がかなり担うと考えられるので,崩壊させていけないと考えている.
四竃氏:何台のグライダーでカバーするのか?
渡辺氏:太平洋の北側と南側でそれぞれにひとつずつで2台.
北村委員:グライダーの位置はGPSかジャイロを利用して精度良く取れ,強流帯でもこのような観測がコントロールできるということか?
渡辺氏:海中では推測航法で動き,海面に出たときに位置確認をして位置補正する.
花輪委員長:伊藤さんに話を聞いたところ,このようなオペレーションをどうやればいいかは今のところわからないという答えだった.グライダーとアルゴで満遍なく観測するのは夢だが,こういうオペレーションの実現は難しいかもしれない.
松山委員:グライダー観測は時化で影響されないのか?
渡辺氏:オペレートしているときは問題ないと考えられる.
松山委員:時化が問題にならないのであれば,むしろ日本海で使用したほうがいいのではないか?
道田委員:グライダーの将来的なオペレーションの図の緑のハッチは何を表しているのか?
渡辺氏:沿岸観測でカバーしている範囲ではないかと考えられる.このあたりが産卵場や漁場になっている.ここでは漁業があるので,オペレーションでは難しいところを表している.

【議題2:国内・国際アルゴ計画の進捗状況(データ処理関連)】

9th Argo Data Management Meetingの報告(気象庁・JAMSTEC)

1.リアルタイムQC

(気象庁 菅野氏が説明)

説明の要点:

9th Argo Data Management Meetingについて
主要課題:アルゴのシステマティックエラーへの取り組み

質疑・応答:

花輪委員長:アルチメトリQCについて,具体的にはどうやっているのか?
菅野氏:海面高度計データとアルゴプロファイルから算出した力学高度データとの比較する.はずれているものはスパイク,継続的にずれているものはオフセットと判断.時系列でもチェックし,ドリフトの有無をチェックする.
花輪委員長:これで海面圧力をチェックできるのか?
菅野氏:補正はプロファイル全体に効く.補正によってプロファイルが上下する.
花輪委員長:そのくらいも検出できるのか?
菅野氏:その可能性がある.

2.遅延QC

(JAMSTEC 中村氏が説明)

説明の要点:

遅延データ処理の状況
アルゴのシステマティックエラー
QC用参照CTDデータについて

質疑・応答:

なし


【議題3:その他】

1.Japan Argoホームページの研究成果欄の扱い

(JAMSTEC 中村氏が説明)

説明の要点:

質疑・応答:

花輪委員長:JAMSTECの中では完全に行われているのか?
中村氏:研究者側から申告を受けてホームページを更新する形を取っている.研究者から挙がってこないと情報がない.JAMSTEC内でももう少し徹底すべきではないかと考えている.
花輪委員長:一般に,競争的資金等をもらったプロジェクトではこれを行うのは当たり前.しかし,ファンドが別々の状況で,網掛けていかに情報を集められるかが問題になっている.どの程度集めるのかがポイントである.UCSDのスクリプスのアルゴのホームページもbiogeographyがあるが,完璧ではない.Argo Project Officeホームページにも論文リストがあるが,全部を網羅しているようではない.
中村氏:詳しい情報収集方法は分からない.ASTメンバーからのインプットと文書検索を使って,「アルゴ」や「プロファイルフロート」というキーワードでひっかかったものの中を見て判断し,リストに追加しているようだ.
花輪委員長:アルゴフロートのデータを使った英文・和文論文(口頭発表は省く)をできるだけ情報を収集する程度でいいと思う.
松山委員:アルゴデータを使った人に情報を送ってもらうことをどこかでアナウンスしてはどうか?
水野委員:ミレニアムのようなファンディングエージェンシーからお金を取ってきたプロジェクトでは研究成果リスト公開は当然である.Japan Argoは統一的なファンディングがない連合体であるが,ゆるいプロジェクトと考えて,できるだけ出したほうがいいと思う.どこかの事務局で苦労して集めるやり方では負担になるので,参加グループから定期的に情報を送っていただくような協力がほしい.英文論文はできるだけ情報が欲しい.口頭発表は無くてもいいと考える.
須賀委員:Japan Argoに載せる研究成果は,Japan Argoに関わっているかどうかにかかわらず日本人がアルゴデータを利用して出した結果を掲載するという位置づけでいいのか?
水野委員:アルゴフロートを使って観測していても全くアルゴの観測データを出さない人もいる.一応,Japan Argoである以上はアルゴデータを出しているというゆるいくくりがあると思う.
須賀委員:アルゴデータだけを利用している人もいる.Japan Argoに関わっていなくてもデータを利用して成果を出すことはこれから増えるであろう.そのような成果も載せたほうが,「日本人もアルゴデータをたくさん利用し成果を上げている」というアピールになり,宣伝としての利用価値もあると考える.
水野委員:そうだとすると,Japan Argo研究成果欄の作成・更新を誰がやるのか?という問題がある.AIC等の国際機関に任せればいいだろう.日本でまとめる意味は何か?誰が情報更新の面倒を見るのか?も問題である.
花輪委員長:お二人の意見はそう違わない.JAMSTECが労力を使わずに情報を収集できる方法があればいいということだと思う.例えば,次回の5月推進委員会までに各省庁が絡んだ英文・和文論文リストを送るようにする等の具体的なアクションプランがあればいいと思う.学会等で宣伝してもすべてを網羅するのは難しいだろう.完璧じゃなくてもJAMSTECに過大な負担にならないような仕組みを作ればいいのではないか.
水野委員:了解した.
北村委員:「アルゴデータを利用した成果を半期に一回Japan Argoに連絡いただきたい」と幾つかの学会のメーリングリスト等でアナウンスしたらいいのではないか?JAMSTECにはJapan Argoのホームページの維持・更新をお願いする.事務局が情報を集める.論文だけでなく総説はあってもいいのではないか?
花輪委員長:6, 11月の推進委員会に向けて,幾つかの学会にメーリングリスト等でアナウンスし,成果リストを集める.Japan Argoホームページでも情報提供をアナウンスする.収集した情報を年に2度程度で更新する.ひとまずそこから始めたらどうか?
中村氏:Japan Argoホームページでも登録できるフォームを作成したらどうかと考えている.
松山委員:賛成.
花輪委員長:フォームの作成を宜しくお願いする.
中村氏:了解した.


【総合討論】

(アルゴの将来像について)

1. UNESCO IOC政府間海洋学委員会執行理事会の報告

花輪委員長:上記について,特にアルゴ関係について道田委員から報告お願いする.
道田委員:GOOSの議題の中で,フィリピンで回収したフロートについて,フィリピンの協力に感謝すると発言した.このような活動をエンカレッジするような発言が他国からあった.議事録には残っていないが,このような活動の重要性が認識された.残念なことに,この発言時にはフィリピンの代表者が退席していた.
花輪委員長:反映していただいたことに感謝する.

2. アルゴの将来像について

花輪委員長:海洋関係で近々の会議は来年9月21日から25日に開催される Ocean Obs ‘09(オーナイン)である.1999年フランスのサンラファエロで最初の会議が開かれた.Abstractは査読ありの本として出版された.これがその後数年から5年の海洋観測の指針となった.次の会合がOcean Obs ‘09である.須賀さんは実行委員会に入っているのか?
須賀委員:組織委員会には入っていない.私もメンバーになっているOOPC(Ocean Observation Panel for Climate)の議長エド・ハリスンが共同委員長をしており,OOPCでもこの議論をしてきた.
花輪委員長:日本は372台を展開していて世界第二位である.いろんなセンサーつけて世界をリードしている.アルゴ関係で何か新しい提案をしたい.わが国のアルゴとしてどういう方向に持っていったらいいのかを議論したい.議題が漠然としているので,須賀さんのほうから何か提案があればお願いする.
須賀委員:3rd Argo Science WorkshopとOcean Obs’09の説明.

説明の要点:

OceanObs’09 ‘Ocean information for society: sustaining the benefits, realizing the potential’について
  • 2009年9月21-25日にイタリア・ベニスで開催.
  • 目的:
    • OceanObs’99で立てた観測計画に基づいて実現した観測システムを評価し,その社会的利益を確認して,そのポテンシャルを浮き彫りにすること.
      ∈810年の観測システムの発展に関する国際的なコンセンサスおよび計画を作る.
  • OceanObs’99では気候をターゲットにした観測システム構築が目標であったが,今回はこれに加え,エコシステム・炭素・化学が入ってきている.
  • 主要な観測手段・項目ごとにグループで1つのCommunity Whitepaperを提出(アウトラインは11月15日までに提出.本提出は2009年3月末まで).これに加え,個人あるいは小グループからAdditional Contributionを提出(2009年3月末が提出期限).これらを基に,Plenary talkは2009年5月末,meeting draftは2009年8月末までに作成される.
3rd Argo Science Workshopについて
  • 2009年3月25〜27日に中国杭州で開催.
  • 目的:アルゴの有用性の評価,将来の方向性の検討.OceanObs’09に投稿するArgo White Paperへのインプット.
  • アルゴデータのメリット,アルゴ計画にどのような修正を加えたら研究がさらにプラスになるか等のコメントがそれぞれの研究発表中に述べられることを期待.
ASTのOcean Obs’09への対応スケジュール
    2008年11月15日:OceanObs’09のCall for Whitepapersに応じて”Argo Community Whitepaper”のアウトラインを提出
    2009年3月初旬:ASTメンバーによる分担執筆
    2009年3月21-23日:AST-Exec.MTGおよびAST-10で検討
    2009年3月25-27日:ASW-3
    2009年3月27-28日:ASW-3からのインプットをWhitepaperに盛り込む
    2009年3月末:Argo Community Whitepaper投稿
  • Community Whitepaper以外にもアルゴに関連した多くのContributionがなされることを期待(締め切りは2009年3月末まで).
Argo Community White PaperのOutline
    アルゴのオリジナルな目標に向かってどのように計画を進めてきたか(プログラムのデザインのレビューも含める).
    他のglobal observing systemとどのように統合されて使われてきたか,あるいは関係してきたか.
    globalな気候変化のシグナル(貯熱量,steric sea level, 水循環)の検出について
    アルゴプログラムを活用した0奮阿慮Φ羸果について
    アルゴデータを用いたオペレーショナルな再解析および同化モデル等のインパクト
    将来の展望(新しい技術,新センサー,サンプリング海域等).

花輪委員長:前回のOceanObs’99では,20-30のcommunity white paperが出ていた.それぞれのcommunity代表者だけが行って議論すればいいであろうということになるが,そうではなくて,コミュニティ全体に知らせたい.個人の観点からの研究等をAdditional contributionを提出してもらい,多数の方が出席してもらう構成になる.Argo Community White Paperのアウトラインを見て,感じるのは2つ.一つは,アルゴは成功したプロジェクトであること.それに比べてΔ弱い.これはしょうがない.アルゴが成人したということ.今からΔ魏罅垢膨らませるかが問題.
須賀委員:ASTでもΔ弱いという指摘があった.,らイ泙任里海箸鬚發辰箸ちんとやるために,やらなければならないことがたくさんある.例えば,システマティックエラーへの対応など.これらをきちんとやることが一番大事なことで,それによってはじめて当初の目的を遂行することができる.しかし,それだけではやはり不十分で,アルゴの発展のためには,より多くの他のコミュニティを巻き込んで,貢献していくことが重要で,Δ重要.夢のある提案をどんどんして,少しでもアイディアを出していくべき.
花輪委員長:気象庁ですでに議論されていることがあるか?
北村委員:個人的に話す.省内では議論をしているが,まだここには出せるレベルではない.測ることだけでは駄目である.アウトカムまでのセットの議論をしなければならない.目的に応じてもっともプラクティカルな観測はどういうものかという議論をしなければならない.Surfaceのデータの供給源はアルゴであろう.気象庁としてどれだけ寄与できるかはわからないが,アルゴをベースにしたインフラの中で,このデータをどのように同化で利用するか.ASTの中に,データ同化や予測モデルの専門家が十分に入っていない.White Paperを作る際にこれらの専門家を招待して,もう少しアルゴを核にしたシステムの部分の議論を深めたほうがいい.
花輪委員長:イ僕蹐瓩討?イ鬚ちんとやるためにΔ縫ぅ鵐廛奪箸垢襪箸いΔ海箸?
北村委員:イ聾従ということだと思うが,それをどのようにdecadalあるいは中緯度域の予測に広げるためには何が足りなくて,そのためにアルゴに何が求められるかという議論を専門家を入れて行ったほうがいいのではないか.もう一つは,物質循環やエコシステムの中でどのようにアルゴを利用するかだろう.
花輪委員長:海上保安庁ではどうか?
佐藤委員:アルゴで話できることはあまりない.海上保安庁では,ミレミアムプロジェクトで短波レーダーを設置した.アメリカ東西岸で短波レーダーが設置されているが,新設は止まっている.その理由は,電波免許が国際的にすべて実験局という形で割り当てられ,恒久的施設に電波が割り当てられない状況であること.国際的な動きとして,短波レーダーに電波を割り当ててほしいという要望がある.日本でも港湾局を中心として国内の対応帯が作られている.Communityの一覧にcurrent metersがあったが,短波レーダーの電波の割り当ての件はそこに持っていく話があるのだろうかと考えている.
花輪委員長:水産庁ではどうか?
飯田委員:水試の定点観測点があったが,予算の問題があり観測を維持するのが難しい状況である.今までのデータを無に帰さないように何とか続けたいと考えている.それを踏まえてアルゴをどのように活用していくのかを本庁で議論し始めているところである.実際にそれを担うのは水研センターになろうかと思う.アルゴをどのようにうまく取り込んでいくのかについては解析センターに非常に期待している.漁業で利用するにはいろんなセンサーがほしくなる.少なくともクロロフィルセンサーはほしい.溶存酸素センサーも入れたい,他も入れたい,あれもこれもということになる.アルゴデータは実際FRA-JCOPEやいろいろなところで利用させてもらっている.アルゴの利用をどうやって膨らましていくのかはこれからだろう.アルゴは非常に重要なプロダクトであると考えている.
渡辺氏:グローバルな視点と沿岸に近い狭い視点と両方持っていないといけない.グローバルな視点はまさにアルゴと重なる.広域に生息するまぐろや鯨への対応環境を考えると,利用できると考えている.一方で,漁業者も含めてニーズという点では沿岸が大きい.アルゴの推進という点では,貢献が難しいかもしれない.両面見なければならないが,現場で研究等やっている側から言うと,沿岸の要望が大きい.
花輪委員長:今日は議論第一回目としてブレーンストーミングをするのが私の意図である.
松山委員:ミレミアムのときには日本の長期予報精度を75%まで挙げることだった.そういう意味では,気象庁の貢献は大きい.船舶観測データの少ない冬季荒天海域や極域にアルゴデータがあることが非常に重要.それが今後の海洋学全体を発展させるのではないかという期待が大きい.さらにこれを継続が大事.現在問題になっている温暖化に対してもモニタリングとして重要なデータを提供してくれる.業務という意味でも貢献している.海鷹丸で毎年南極海に航海しているが,その航海で空白域にアルゴフロートを展開することに積極的に協力している.
道田委員:アルゴの最初のアイディアから10年.3000個の目標を達成して非常に成功した.来年のOcean Obsに向けて,ポストアルゴが問題になっている.アルゴが非常に成功した理由の一つは,最初のデザインが絞られていたことだろう.無人で荒れた海でもグローバルに展開すればほぼ均一に観測できる.この特徴をフルに生かすターゲットが非常に明快だった.ポストアルゴをやるには次の絞られたターゲットは何か?ということをOcean Obsやそれが終わった直後に議論する必要があるだろう.自分のアイディアは整理されていないが,明確なターゲットを絞ることが重要だろう.
水野委員:モデル等で外洋での重要性がわかっていれば,regional modelを作成して沿岸にも恩恵があるだろう.遍く皆さんの役に立っているはず.自分はアルゴはまだ1歳だと考えている.3000個の目標を達成したのは昨年11月.また,今日の発表でもデータ等にも混乱があり,これまで試行錯誤を繰り返して現在に至っている.これからも混乱はあるであろう.オペレーションに簡単に移行できるとは思えず,次の10年も技術的には苦労するだろう.信用できるグローバルな偏りのないデータがアルゴによって観測できて,それが10年20年と続いてはじめてdecadal変動等がわかってくる.これは科学的にもオペレーショナルにも非常に重要である.コアな部分はオリジナルなアイディアを大事にし,1歳を5歳,10歳にできるようにしたい.そして,他の機関でももっとやって頂きたい.さらに,「ここの海域は密に入れたらどうだろうか?」等の研究の提案や,センサーの開発など,科学の多様性に対しアルゴが貢献する可能性を秘めているので,研究者の方々の知恵を出して頂いて,発展性を探りたい.ただし,コアの部分は守ってやり続けなければならないと信じている.
花輪委員長:このアルゴ計画をプロトタイプアルゴだとすれば,新しいアルゴは冠をつけたアルゴであるべきと考える.Biogeochemicalプロセスにするなら例えばBioアルゴにするなど.炭素はC-アルゴがだいぶ前から提案されているがまだ発車していない.プロトタイプのアルゴと発展系のアルゴは明確に区別して,スタンダードを作る.今だんだん混乱しつつある状態で,そうしないとさらに混乱するだろう.次回も議論を継続したい.


【閉会】

四竃氏:次回は5,6月に気象庁の事務局で開催する.