第13回推進委員会

第13回アルゴ計画推進委員会議事概要

日時:平成23年12月12日(月) 14:00〜17:10
場所:海洋研究開発機構東京事務所(富国生命ビル23F)

出席者:
花輪公雄委員長,久保田雅久委員,道田豊委員,安田一郎委員, 菅沼真樹委員(代理出席:鵜川裕美氏),井上諭一委員(代理出席:福山幸生氏), 中山一郎委員(代理出席:一井太郎氏),安藤正委員, 長屋好治委員,河野健委員,須賀利雄委員

*開会の挨拶(海洋研究開発機構 須賀委員)
アルゴ計画は順調に進展している.気候変化の検出に資するデータを供給するということにとどまらず, そのデータは,科学及びオペレーションの様々な分野で活用されており, 10月に開催されたWCRP公開科学会議でも重要性が認識されるなど,国際的にも高く評価されている. この委員会は日本のアルゴ計画を推進するための重要な委員会であり,幅広い視野からのご議論, ご助言を今回の会合でも宜しくお願いする.
*各委員およびオブザーバーの自己紹介を行った.
*長屋委員より海洋情報部が築地から青海に移転した旨の紹介がなされた.
*配布資料確認

【前回議事録の確認】

花輪委員長:前回の議事録はメールなどで委員の意見を伺い,それを反映したものであるが, さらなる修正点があれば,会議終了までに発言いただきたい.また,会議終了後も1週間を目途に意見を事務局で受け付け, その後Japan Argoホームページに掲載する.

【議題1:国内アルゴ計画の進捗状況(観測関連)】

1.アルゴフロートの展開状況・計画

(海洋研究開発機構 細田氏が説明)

説明の要点:

フロートの展開状況について
AIC(Argo Information Centre:アルゴ情報センター)による投入計画に対するスコア情報の提供について
イリジウム通信障害の報告
混合層格子化データの提供開始について
JAMSTECで投入したCore ArgoとArgo equivalentフロートの数の推移

質疑・応答:

花輪委員長:スコアの付け方であるが,機関毎あるいは国毎に付けられるのか.
細田氏:投入したフロートの所有者毎・機関毎にスコアが付けられる.AICに予め登録した投入計画に対し,その時点のフロート分布状況・空間密度や寿命を考慮して算出される. 結果はAICのホームページ上で誰でも閲覧可能であり,投入予定のフロートに関するアルゴ計画への貢献度を確認できる.
久保田委員:イリジウム通信の障害は扱っている会社が違うからダイアルアップ方式とショートバースト方式で通信障害発生期間の違いが生じているのか.この問題はアルゴ以外のイリジウム通信機器にも影響しているのか.
細田氏:扱っている会社は同じであるが通信方式が違う.ダイアルアップ方式は途中で他の通信会社が介在している.ダイアルアップ方式の障害は原因が報告されたが,ショートバースト方式はまだ報告されていない.
久保田委員:両方式の障害の原因が同じかどうか分からないのか.
細田氏:ダイアルアップ方式とショートバースト方式では仕組みが違うので,問題の原因が同じかどうか分からない.
久保田委員:この問題はアルゴフロート特有の問題なのか?一般的なものであれば,フロートデータ通信以外で問題が起きてもおかしくない.
細田氏:ダイアルアップ方式については,国際電話会社と一般電話回線との間で障害が起こり,国際電話会社を変更したことで解決したとイリジウム通信会社の代理店から報告を受けた. 海外の研究者が扱うフロートに関して通信障害が起きたという話は聞いたことがなく,おそらく日本国内独自の問題と思われる. また,アルゴフロート以外の観測機器や電話で障害が起きたという報告も聞いていない.
久保田委員:我々が知らないだけで他に起きている可能性はないのか?
細田氏:それを含めて代理店に問い合わせているが,まだ回答はなく不明である.
花輪委員長:イリジウム通信も一般の通信回線と同じなので安全かと思っていたが,そうでもないのか.
細田氏:一般の電話とデータ送信は違うのかもしれない.今回代理店と障害について情報交換した際,データ送信で利用しているユーザーが非常に少ないために,代理店側でデータ通信サービスがあまり重視されていない印象を受けた. このため,障害が起こった際ユーザー側の環境の問題と判断して問い合わせを行っていなかったユーザーにも,ユーザー側の環境の問題ではないことが判明した時点で代理店に積極的に問い合わせてほしい. 多くのデータ通信ユーザーがいることを代理店に理解してもらうことで,扱いが良くなる可能性がある.
久保田委員:これをフロートだけの特殊事例ではなく,イリジウム通信全体の障害であるとして対処してもらうことはできないのか.
細田氏:一般に使用されている電話にまで影響を及ぼしているのであれば,もっと騒ぎになっていると思われるが,そうはなっていないので,データ送信特有の問題なのかもしれない.
道田委員:AICから提供される投入計画に対するスコアは,計画毎のスコアではなく,スコアの全球マップが公表されているべきではないかと思うが,そうなっていないのか.
細田氏:全球マップとして公表されているのは3度格子内に稼働しているフロートの台数と,稼働フロートの寿命を考慮した密度分布図である.
道田委員:スコアの評価の仕方の考え方だと思うが,PIが提供する投入計画に対してスコアを計算するのではなく,現時点でのスコアが分布図として出され,それが定期的に更新されていれば,投入計画が立てやすくなるだろう.
細田氏:現時点でAICから提供されているのは6度格子内に存在するフロート数と寿命を考慮してどのくらい貢献度があるかを示す図である. スコア分布図についてはAICへリクエストしてみることも可能かもしれない.

2.気象庁によるフロートの展開状況・計画

(気象庁 上原氏が説明)

説明の要点:

平成23年度観測計画について
フロート運用状況
イリジウム通信型中層フロート
イリジウム通信障害について
イリジウム通信フロートの今後の予定

質疑・応答:

花輪委員長:気象研究所との連携はどのようになされるのか.
安藤委員:気象研究所と共同で行う研究と位置付けている.最終的には現業の台風予測モデルに海洋表層の観測データを入れることを考えているが,現在の運用試験はそこにつなげるためのベーシックな研究と考えている.
花輪委員長:ぜひ進めてほしい.
長屋委員:運用状況について,運用停止したフロートは洋上を漂流しているのか?それとも気象庁で保管しているのか?
上原氏:運用停止したフロートは海面あるいは海中を漂流している.

3.水産庁及び水産総合研究センターによるフロートの展開状況・計画

((独)水産総合研究センター 中央水産研究所海洋・生態系研究センター 渡邊氏が説明)

説明の要点:

アルゴフロートデータの利用報告
グライダーの運用について

質疑・応答:

安田委員:フロートが南下するルートは特定のルートが存在するのか.
渡邊氏:フロートは1例しかなく,この場合は伊豆海嶺辺りをうろうろして,その東側を南下した.表層フロートの場合は,もう少し西側に入って南下するものもある.何によるものかは分からない.
久保田委員:黒潮続流域での動きと南下とは関係があるのか.
渡邊氏:黒潮の蛇行から発生した冷水渦に入り込んでしまうとなかなか抜け出せない,ということである.それと南下することとの関連性はまだ分からない.
久保田委員:2つのメカニズムは違うのかもしれない.


【議題2:国内アルゴ計画の進捗状況(データ処理関連)】

1. 第12回アルゴデータ管理会合報告(気象庁・海洋研究開発機構)

第12回アルゴデータ管理チーム会合報告

(気象庁 星本氏が説明)

説明の要点:

第12回アルゴデータ管理チーム会合報告
第12回アルゴデータ管理チーム会合の主要議論事項

第12回アルゴデータ管理チーム会合報告

(海洋研究開発機構 佐藤氏)

説明の要点:

遅延データ処理実施状況の報告
microleak問題関連事項の進捗報告
第12回アルゴデータ管理チーム会合報告

質疑・応答:

久保田委員:unpumped SSTについて,海面のSSTはどのように計測するのか.
須賀委員:フロートによって計測されている.通常フロートは5dbarでCTDセンサーのポンプを停止するが,CTDセンサーのポンプを止めてから計測している. 今回は,CTDセンサーのポンプを停止してから計測しているデータを集めて解析した.最も浅くて海面下数cm程度.
久保田委員:表層については衛星データもあるが,アルゴフロートで計測したデータはどのくらい精度よく計測できているのか.
須賀委員:現在,より高精度の衛星SSTデータを作る活動がGHRSST(Group for High Resolution Sea Surface Temperature)によって進められており,海面付近を精密にモデル化しようとしている. その際に使うデータという位置づけのようである.このデータを衛星観測のキャリブレーションに利用するということではなく,海面付近の水温鉛直分布を精密に知る一つの手段として利用している.精度の検証も今後行われると思う.
久保田委員:衛星の分野では,今までバルク水温に合わせて衛星データのアルゴリズムを作成してきたが,衛星が実際に計測しているのは海面付近であるので,アルゴリズムを作り直さなければならないのではないかという議論になっている. 実際に,マイクロ波放射計の海面水温データには,表皮水温のプロダクトが出始めている.海面付近での水温観測を広範囲に行うのは難しいので,最終的にはモデルを利用して表面付近の水温プロダクトを作成することになるが,良いモデルを作るための現場観測データを集め整備しなければならない. そこで,最近は船から放射計でSSTを計測するプロジェクトが動きつつあると聞いている.アルゴの最浅の観測水深が0.1mでも十分意味があると考えられるが,そこでの水温として,どのくらいの精度があるかを知る必要があるかもしれない. フロートが浮上することによって,場をかき混ぜてしまうと,水温は変わってしまうことは無いのだろうか.海面付近の水温を精度良く計測するためには,観測方法についても何か考えなければならないのかもしれない.
須賀委員:今回の解析はunpumped SSTを活用できないかというGHRSSTの要請で行ったもの.アルゴコミュニティーが積極的に実施したものではない. この結果では不十分という結論になれば,今後新たなプロジェクトを実施する必要がある.現在のアルゴ計画の枠内で使えるものがあれば利用して欲しいというスタンス.
久保田委員:現在稼動しているアルゴフロートでも日中の加熱が検出できたというのは有用な情報である.
道田委員:microleakについては,プラスの方向にも出ているデータがあるが,それは何か.
佐藤氏:PROVORにのみプラスのドリフトも見えているが,原因は良く分かっていない.APEXとPROVORではフロートから送信してくる海面圧力の定義が異なっている. PROVORは海面浮上時に圧力センサーをリセットする.そのため,スライドでは最初をゼロ点として合わせた図を示している.PROVORのメーカーのNKEに,今回の結果を送り,計算方法が合っているかどうかを確認したところ合っていると回答があった. Druck社製センサーとKistler社製センサーのPROVORの圧力センサーのドリフトが同様であることから,計算方法を間違えている可能性を疑っている.
細田氏:PROVORの圧力センサードリフトがmicroleak問題のようにも見えるが,センサーメーカーの問題なのかフロートメーカーのファームウェアの問題なのかはまだ分からないので,メーカーに問い合わせているところである.
安田委員:クロロフィルデータのデータの品質管理方法は具体的にはどのようなものか.
佐藤氏:理解できていない.
花輪委員長:トラジェクトリファイルのJAMSTECの品質管理方法についてもう少し詳しく説明いただきたい.これは採択されたのか.
佐藤氏:ARGOSデータに対する位置品質管理方法とGPSが取得できないときの位置推定方法の両方が採択された.ARGOSデータに対する位置品質管理は各DACで実施することになった. リアルタイム品質管理に組み込まれることになり,ワシントン大のAnnie Wongがリアルタイム品質管理のドラフトを作成し,現在アルゴデータ管理チームメンバーにメールで送り,確認してもらっているところである.
花輪委員長:とてもいい貢献ができている.


2.アルゴに関する研究成果

(事務局 佐藤氏が説明)

説明の要点:
第12回アルゴ計画推進委員会以降,2011年12月12日までに登録された研究成果を報告した.英文で13件,和文で2件の登録があった.

質疑・応答:

花輪委員長:登録数は順調に増えている.


【議題3:国際アルゴ計画に関わる国内外の情勢】

1.国際アルゴ計画に関連する国外の情勢

(海洋研究開発機構 須賀委員が説明)

説明の要点:

Joint Argo and Altimetry Workshop
WCRP Open Science Conference

質疑・応答:

花輪委員長:来年の日本海洋学会秋季大会は9月13日からで日程が重なる可能性がある.
須賀委員:合同ワークショップは9月中旬というところまでで,具体的な日程は決まっていない.

2.AICによる沿岸国EEZ近接フロート通知サービス

(海洋研究開発機構 須賀委員が説明)

説明の要点:

AICによる沿岸国EEZ近接フロート通知サービスの概要
我が国の対応について

質疑・応答:

花輪委員長:AICからの連絡はPIではなく各国で決定した窓口ということか.
須賀委員:AICからは,このサービスを受けるのであれば日本における窓口を1つ決定し連絡するよう依頼がASTのメンバーである私のところにあった.ASTのメンバーから,IOC第41回執行理事会の議決内容と違うことについての確認と,AICから情報を受けた後どうしたらいいのかという質問があった. これに対しAICから,AICのサービスを受けた後どうするかは各国で考えて欲しいとの回答があった.
花輪委員長:今回の提案は最後のスライドにまとめてある.AICからの通知を受ける窓口は気象庁.情報を受け取った気象庁はPIに転送する.それ以降はすべてPIが対応する.
鵜川氏:スライド3の背景について,AICのサービスを入れる前はここに書かれたものと同じか.
須賀委員:同じである.PIから情報提供を希望するIOC加盟国に通知するのが現在のやり方である.
鵜川氏:AICの通知サービスというのは,情報源として利用できるものであって,今までの通知方法や外交ルートでの申し入れには影響を与えないと考えてよいか.
須賀委員:その通りである.
長屋委員:AICの通知サービスを受けるということは,日本のフロートが他国のEEZに流入する情報とともに他国のフロートが日本のEEZに流入するときに日本のFPに情報が来るという理解でよいか.
須賀委員:日本は情報提供希望を表明していないので他国のフロートが日本のEEZに流入するときには連絡が来ない.情報提供希望国は現在のところ10カ国のみである.
鵜川氏:AICの通知サービスの対象となる国は10カ国に限られているが,その10カ国以外は引き続き監視するということか.
須賀委員:10カ国以外は,アルゴに関してはEEZに流入しても良いという理解であるため,監視の必要はなくなった.IOC加盟国以外は外交ルートでの連絡が必要となる.
鵜川氏:IOC非加盟国や情報提供希望国10カ国以外のIOC加盟国に対しては,引き続き監視し,EEZに流入する可能性がある場合には外交ルートで申し入れるということか.
須賀委員:IOC総会決議XX-6を認めていない国に対しては外交ルートで行う.IOC総会決議XX-6を認めている国でかつ情報提供希望国でない国に対しては監視の必要はない.情報提供希望国に対しては監視をする必要がある. 情報提供希望国に対する監視をAICがPIの代わりに実施する.
花輪委員長:スライド3の「外航申請を行う」というのは何か.
須賀委員:スライドの間違い(外交ルートによる申請).EEZに入る可能性がある場合には,PIから相手国FPに対して通知を行う.
花輪委員長:通知しなければならない国はどのくらいあるのか.
須賀委員:10カ国である.
花輪委員長:例外はないのか.
須賀委員:IOC非加盟国は例外.
鵜川氏:フロートを外国のEEZ内で投入する場合には,船舶と別に外交ルートで申し入れている.
細田氏:投入という行為に対しては外交ルートでの申し入れが必要であるが,漂流に関してはIOC/EC-XLI.4に則るという認識.
河野委員:沿岸国でIOC非加盟国はあるのか.
佐藤氏:ミクロネシアや多島国にいくつかある.
須賀委員:太平洋熱帯域の国はIOC非加盟国が多いが,これらの国に対しAICがIOC総会決議XX-6を認めるかどうかを確認中である.認めてもらえれば,IOC加盟国と同様の扱い方となると認識している.
花輪委員長:この案を承認していただけるか?
鵜川氏:念のため当省関係課に照会する.
花輪委員長:できるだけ早いほうがいいと思うが.
須賀委員:国際法上問題なければこの方法でいいと認めていただければありがたい.説明が必要な場合には関係省庁に説明に伺う.

3. 拾得されたフロートの事例・拾得フロートの扱いの対処方針について

(海上保安庁・水産庁・気象庁・海洋研究開発機構)

説明の要点:

漂着・漂流中のフロートが拾得された場合の流れ
(海洋研究開発機構 細田氏が説明)

アルゴフロートの拾得について
(海上保安庁 及川氏が説明)

質疑・応答:

花輪委員長:再投入についてはJAMSTECの判断か,PIまで確認を取っているのか.
細田氏:取っていないと思われる.観測中のフロートを拾得したため,再投入することとした.
花輪委員長:前回の議論でもあったように,拾得せずにそのままにしておいていただくことが最も良い. 問題は外国籍の外国で投入されたフロートが日本沿岸に漂着し,それに対してどう対応するか.海上保安庁やJAMSTECが対応するケースが多い.これに対する対処として何か良い方法はあるか.
安藤委員:今回の事例はモデルケースとして基本方針を決める上でも非常に参考になる. 稼働中のフロートであれば再投入することもあり得るし,海上保安庁のご提案のように保管までは海上保安庁で行うこととし,PIまたはAICへの連絡は事務局で行うこともあり得ると考える. 今回の事例をもとに具体的な対応を検討してはどうか.漂着フロートにより漁具等に被害を生じたときに補償問題が生じることが想定されるが,補償問題は別扱いとし,先ずはフロートが拾得された場合の対応の基本方針を検討してはどうか.
花輪委員長:フロートが稼働中かどうかはすぐに分かるのか.
細田氏:基本的にはシリアル番号が分かれば稼働中かどうか判明する.ただし,稼働中かどうかの判断が難しい場合もある.例えば,着底して暫く浮上せず数サイクル後に海面浮上する例もある.アルゴ計画では半年間データの受信がなければ稼働していないと判断している. 半年という期間が基準となるかもしれない.
花輪委員長:仮に事務局(気象庁及びJAMSTEC共同)が対応することとした場合,PIに連絡するのか,それともAICに連絡するのか.
細田氏:AICに連絡するほうがよいと考える.JAMSTECのフロートが外国で拾得されたことがあったが,その時はAIC経由で連絡があった.
花輪委員長:フロートが拾得されたと連絡があった場合,PIに連絡しその後の対応を要請することはAICの所掌事項になっているのか.
細田氏:AICの所掌事項である.
花輪委員長:これまでの議論で最も問題になるのは,被害が出て補償問題が絡んだ時の対応である. 安藤委員が提案するように拾得した場合の流れと補償問題への対応とを分けて検討することは良いと思うが,現実として補償を求められたときに各機関はどのように対応すべきか,拾得者に対してどのように主張できるのか,何か意見があるか.
河野委員:現時点では補償問題について具体的な対処方針があるわけではないが,補償問題に対する対応を一緒に考えると対処方針案ができないと想像される. 対処方針案を検討するにあたっては,ひとまず補償問題を検討の俎上からは外したい.補償問題以外にも問題はある. 例えば,拾得されたフロートのPIから廃棄を依頼された場合の対応や,回収する意思はあるがすぐには回収できないのでしばらく保管を依頼された場合の対応等. この程度であれば対応を検討できるかもしれない.
及川氏:今回の青森の事例では,再投入を実施するにあたって,怪我等があった場合等の安全管理についても考慮すべきだと思われる.
道田委員:再投入を原則とすることも難しい気がする.EEZならまだしも領海の中に再投入するということはいかがなものか.さらに,再投入を一般の方に頼んで良いものかどうか疑問がある. 例えば日本の研究船や民間船舶により正式にアルゴフロートを投入する際に一緒に投入することも一案ではないか.
細田氏:水産庁の事例やご意見はいかがか.
一井氏:水産庁では第10回推進委員会で報告した事例1例以外には新たな事例は無い.また,これまで漁業者がアルゴフロートを拾得して困っているという事例は聞いていない. 水産庁からの提案としては, 屮▲襯乾侫蹇璽箸鮟ζ世靴燭蕕匹Δ垢襪」ということをJapan Argoのホームページに記載して周知することはいかがか. また,我が国におけるアルゴフロート漂着の事例は,日本海沿岸の事例が主たるものであるので,例えば韓国のフロートに日本語を記載したラベルを貼ることを求めたらどうか.
花輪委員長:,梁弍は,拾得フロートの対応方針が決まれば対応可能であろう.△呂匹Δ.KORDIとKMAに対して依頼できそうか.
須賀委員:「観測中につき拾わないで下さい」等日本語で書かれたラベルを韓国フロートに貼るということを提案することは可能である.ラベルの費用の問題はあるが,考慮してもらえないというほどではないと思う.
久保田委員:フロートのラベルに「科学計測機器なので拾わないでください」と書いていないのか.拾わせないことを徹底したほうがいいのではないか.
細田氏:「拾わないでください」とは書いていない.「開けないでください」とは書いている.
須賀委員:ステッカーは危険防止が目的.ステッカーには観測機器であることは記載されている.ステッカーに書かれたことの意味が分かれば,そのままにしてくれることを期待する.
久保田委員:好奇心で拾ってしまうことは大いに考えられる.拾わせないことを徹底したほうがいい.
花輪委員長:今回会合だけでは全ての意見を踏まえて対処方針を作成することは困難であるので,気象庁,JAMSTEC,水産庁,海上保安庁の4機関でWGを作って原案を検討いただきたい.
河野委員:WGとするかは別として,事務局で原案を作成したい.次回に提案することを目指す.
花輪委員長:拾得されないようにする対策も考えて頂きたい.日本海沿岸には多くのフロートが展開されていて,いつ漂着してもおかしくない状況である.可能であれば次回会合までに原案を作成いただきたい.



【総合討論】

花輪委員長:これまでは2年または3年に1回程度,日本海洋学会でシンポジウムを開催してアルゴの成果や有益性をアピールしている.2012年にシンポジウムを開催してみてはいかがか.
道田委員:前回会合はいつか.
須賀委員:2010年日本海洋学会春季大会シンポジウムである.
河野委員:学会シンポジウムとして開催するのか.
花輪委員長:それも一つの案である.気象庁とJAMSTECとの共催またはこの委員会が主催で,一般向けのシンポジウムを開催してアピールすることも考えられる.
須賀委員:海洋学会だけでなくそれ以外の研究者・一般向けのアウトリーチとして検討し,提案したい.


【閉会】

司会:次回は気象庁が事務局を担当し,5〜6月頃に開催する.