2021年1月3日までの黒潮「短期」予測 (2020年12月25日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは来年1月3日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した12月25日・12月29日・来年1月2日の黒潮の状態です(1日平均)。今週から日平均水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。詳しくは「海洋速報」黒潮流軸とモデル予測の比較の解説をご覧ください。

黒潮大蛇行[1]から渦が大きくちぎれ、いったん大蛇行が終わったと言える状況でしたが、小蛇行(G)が東に移動するにつれて、再び離岸しています(図1)。大蛇行が再開していると言える状況です(長期予測も参照)。

GからEへと北に流れた黒潮は、岸近くを流れています(E,F、図1)。今後やや離れると予測しています(図2~3)。

四国の室戸岬(C)と足摺岬(D)では黒潮が大きく離岸していますが、黒潮から分岐して伸びた暖水が足摺岬の南から近づいています(図1)。この暖水は弱まると予測しています。

先週は黒潮が紀伊半島・潮岬(B)に近づくと予測していましたが、その予測ははずれ、大きな離岸が続いています(図1)。大きな離岸は続くと予測しています(図2~3)。

図4は12月24日午前9時から来年1月3日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

JCOPE-T DAの予測は毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。

  1. 人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAを比較するサイト
  2. JCOPE-T DAの水平分布と深さ(鉛直)方向の分布を可視化するサイト
Fig1

図1: 2020年12月25日の予測値(日平均)。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2020年12月29日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2021年1月2日の予測値。

 


図4: 12月24日午前9時から2021年1月3日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。


  1. [1]黒潮大蛇行の記事のまとめはちら


JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。