1月23日から3月31日の予測(1月29日発表)

現在、黒潮は八丈島に近づき、接岸流路が始まっています。房総半島から黒潮が離れています。九州東岸から四国・室戸岬にかけて離岸しており、潮岬で接岸しています。
今後は、接岸・離岸の変動が大きくなりそうです。2月の間は黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路傾向が続きそうですが、3月には八丈島の南を流れる離岸流路が発達する可能性があります。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した1月23日と1月29日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島付近を流れています(図1)。離岸傾向c(※1)の伊豆諸島への接近とともに、黒潮が八丈島の北を流れ始めており、接岸流路が始まっています(図2)。

房総半島では、接岸傾向aの下流への移動にともない、黒潮が岸から離れています(図1,2)。

大きな離岸傾向f(小蛇行)のため、九州東岸から四国・室戸岬にかけて黒潮が離岸しています(図1,2)。今週号の検証も参照してください。接岸傾向eの移動にともない、潮岬で接岸しています(図2)。

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットa,b,c,d,,,で図示しています。赤字a,c,,,が接岸傾向で、青字b,d,,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば接岸傾向eが、上流から下流に移動していることをしめしています。

Fig1

図1: 1月23日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 1月29日の予測値。


予測

図3と図4は2月6日と3月31日の予測です。

今後、接岸・離岸の変動が大きくなり、その変動が黒潮の下流に移動すると予測しています(図3,4)。接岸傾向cの発達により、黒潮は八丈島の北を流れる接岸流路になり(図3)、2月の間はその傾向が続くと予測しています。その間、離岸傾向d接岸傾向e離岸傾向fと、黒潮の流路は大きく振れそうです。特に大きい離岸傾向f(小蛇行)により、3月に黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が発達する可能性があります(図4)。

図5は1月23日から3月31日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 2月6日の予測値。

 

Fig4

図4: 3月31日の予測値。

 


図5: 1月23日から3月31日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。