1月30日から4月7日の予測(2月5日発表)

現在、黒潮は八丈島の北を流れ、接岸流路です。房総半島から黒潮が離れています。九州東岸から四国・室戸岬にかけて離岸しており、潮岬で接岸しています。
今後は、接岸・離岸の変動が大きくなりそうです。2月の間は変動が大きいながらも黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路傾向が続きそうですが、3月には八丈島の南を流れる離岸流路が発達する可能性があります。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した1月30日と2月5日の黒潮の状態です。離岸傾向c(※1)の伊豆諸島通過にともない、先週の予測どおり、黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路になりました(※2)(図1,2)。一方で、東海沖では離岸傾向dのために黒潮が南寄りを流れており、いわゆるB型流路(※3)という状態です。

房総半島では、接岸傾向bの下流への移動にともない、黒潮が岸から離れていますが(図1)、接岸傾向cにより西から接岸しつつあります(図2)。

大きな離岸傾向f(小蛇行)のため、九州東岸から四国・室戸岬にかけて黒潮が離岸しています(図1,2)。先週号の検証も参照してください。接岸傾向eにより潮岬で接岸しています(図1,2)。

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットb,c,d,,,で図示しています。赤字c,e,,が接岸傾向で、青字b,d,,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば接岸傾向eが、上流から下流に移動していることをしめしています。

※2 海上保安庁は1月31日頃に八丈島の北側を流れる流路となったと発表しています(2016/2/1「本州南方の黒潮流路について」)。

※3 参照:海上保安庁「用語の説明・黒潮の型」

Fig1

図1: 1月30日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 2月5日の予測値。


予測

図3と図4は2月15日と4月7日の予測です。

今後、接岸・離岸の変動が大きくなり、その変動が黒潮の下流に移動すると予測しています(図3,4)。2月の間は黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路の傾向が続くと予測していますが、離岸傾向d(図3)、接岸傾向e離岸傾向fと、黒潮の流路は大きく振れそうです。特に大きい離岸傾向f(小蛇行)により、3月から黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が発達する可能性があります(図4)。

図5は1月30日から4月7日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 2月15日の予測値。

 

Fig4

図4: 4月7日の予測値。

 


図5: 1月30日から4月7日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。