2月13日から4月21日の予測(2月19日発表)

現在、黒潮は八丈島の近くを流れています。房総半島に黒潮が接岸しています。九州東岸から紀伊半島・潮岬にかけて離岸しています。
今後は、接岸・離岸の変動が大きくなりそうです。2月の間は変動が大きいながらも、黒潮が八丈島付近または北を流れる接岸流路傾向が続きそうですが、3月には八丈島の南を流れる離岸流路が発達すると予測しています。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した2月13日と2月19日の黒潮の状態です。離岸傾向d(※1)の伊豆諸島通過にともない黒潮が八丈島に近づいています(図1,2)。東海沖では、接岸傾向eのために岸近くまで暖水が入り込んでいます(図1,2)。

房総半島では、接岸傾向cにより黒潮が接岸しています(図1,2)。

大きな離岸傾向f(小蛇行)のため、紀伊半島・潮岬で黒潮が離岸しています(図1,2)。離岸していた四国・足摺岬と室戸岬では(図1)、黒潮が近づき始めています(図2, 接岸傾向g)。

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットc,d,,,で図示しています。赤字c,e,,が接岸傾向で、青字d,f,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通)、同じアルファベット、例えば離岸傾向fが、上流から下流に移動していることをしめしています。

 

図1: 2月13日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

図2: 2月19日の予測値。


予測

図3と図4は2月29日と4月21日の予測です。

接岸・離岸の変動が大きく、その変動が黒潮の下流に移動すると予測しています(図3,4)。2月の間は黒潮が八丈島付近または北を流れる接岸流路の傾向が続くと予測していますが、接岸傾向d(図2)、接岸傾向e(図3)、離岸傾向fと、黒潮の流路は大きく振れそうです。特に大きい離岸傾向f(小蛇行)をきっかけとして、3月から黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が発達する可能性があります(図4)。四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけて現在離岸している黒潮は(図2)、離岸傾向fの通過後は比較的岸近くを流れる見込みです(図3, 接岸傾向g)。現在のところ、離岸傾向hは弱まると予測しています。続く離岸傾向jは大きめで、3月後半から4月にかけて九州東岸から紀伊半島・潮岬を移動し(図4)、離岸を引き起こす可能性があり、次の注目点です。

図5は2月13日から4月21日までの予測をアニメーションにしたものです。

図3: 2月29日の予測値。

 

Fig4

図4: 4月21日の予測値。

 


図5: 2月13日から4月21日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。