7月23日から9月29日の予測(7月29日発表)

現在、黒潮が八丈島付近を流れています。黒潮が室戸岬で接岸しています。房総半島沖で黒潮が大きく離れています。
黒潮流路は、一時的に接岸流路的な状態になっていますが、再び離岸流路になると予測しています。沿岸では、離岸と接岸がしだいに大規模なものになりそうです。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した7月23日と7月29日の黒潮の状態です。先週までの予測どおり、黒潮が八丈島に近づいています(図1,2)。今週の検証記事も参照してください。

黒潮は、四国・足摺岬で離岸しつつあります(図1,2、離岸傾向β ※1)。室戸岬では接岸しています(図2, 接岸傾向α)。紀伊半島・離岸しつつあります(図2, 接岸傾向v)。九州南東で離岸しています(図1,2, 離岸傾向x)。

房総半島沖では、黒潮が大きく離れていますが、接岸傾向rにより先週よりは岸に近づいています(図1,2)。

東海沖の暖水渦は弱まっています(図1,2)。

Fig1

図1: 7月23日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

Fig2

図2: 7月29日の予測値。

 

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットq,r,,で図示しています。赤字r,s,,が接岸傾向で、青字q,p,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば接岸傾向sが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。

 

予測

図3と図4は8月7日と9月29日の予測です。

黒潮流路は、接岸傾向sをきっかけに八丈島付近を北上して接岸寄りになっています(図2)が、これは一時的で、続く離岸傾向tをきっかけに、再び離岸流路に戻るだろうと予測しています(図3)。その後も離岸の縮小と発達が繰り返されますが、離岸流路が続くだろうと予測しています(図4)。今週の検証記事も参照してください。

離岸と接岸の規模はしだいに大きくなってきそうです(図3,4)。特に九州東岸では離岸傾向が大きく発達(小蛇行)すると予測しており(図4)、注目されます。

図5は7月23日から9月29日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 8月7日の予測値。

Fig4

図4: 9月29日の予測値。図3から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図5: 7月23日から9月29日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。