海洋・極限環境生物圏領域

BioGeos領域セミナー

セミナー履歴

2012年


●第11回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
【プレカンブリアンエコシステムラボユニット・海底資源研究プロジェクト共催】
開催日時:12月21日(金) 10:00〜12:00
開催場所:横須賀本部別館1階 セミナー室

ホスト:川口慎介(深海・地殻内生物圏研究プログラム)

2010年9月,地球深部探査船「ちきゅう」が,沖縄トラフの伊平屋北海底熱水噴出域において掘削調査(IODP第331次航海)を実施しました。この調査は,海底下環境を掘削することで「熱水噴出孔直下生命圏」の存在を直接的に証明することを目的とし,またその副産物として海底下に硫化鉱物の存在が確認され,同所の調査が熱水鉱床形成論を構築する上でも重要な場であることが示唆されました。一方,IODP掘削によってわれわれ研究者は,伊平屋北熱水域の海底コア試料以外に,もう1つの重要なものを手に入れました。それは穴のあいた海底です。そして「熱水域の海底下に穴をあけたことで何がおこったのか」が,このセミナーの主題です。我々は掘削の直前と直後に加え,およそ半年おきに掘削地点において無人探査機「ハイパードルフィン」や「かいこう」による潜航調査を実施してきました。「ちきゅう」が海底に穴をあけたことで,穴から高温熱水が噴出したり,突如としてチムニーが成長したり,生物が大移動したりと,色んなことが起こりました。
この「人工熱水」「人工チムニー」「人工熱水生態系」を紹介し,色々と議論します。議論の先に見据えるのは「天然熱水活動の実像に迫る」「熱水鉱床形成論を構築し人工鉱床形成の可能性を探る」「掘削による海底生態系環境への影響評価を理論と証拠に基づき論じる」ことです。

10:00〜
人工熱水活動:川口慎介(深海・地殻内生物圏研究プログラム/海底資源研究プロジェクト/プレカンブリアンエコシステムラボユニット)
10:20〜
人工チムニー:石橋純一郎(海底資源研究プロジェクト/九州大学理学研究院)
10:40〜
人工熱水生態系:中嶋亮太(海洋生物多様性研究プログラム)
11:00〜
人工総合討論

●BioGeosサイエンスカフェ
「BioGeosな夕べ(第4弾)」
開催日時:2012年12月19日(水) 16:00〜17:30
開催場所:横須賀本部本館1階 大講義室

司会:出口 茂(深海・地殻内生物圏研究プログラム)

話題提供者:
力石嘉人(海洋環境・生物圏変遷過程研究プログラム)
西澤 学(プレカンブリアンエコシステムラボユニット)
川口慎介(深海・地殻内生物圏研究プログラム)

<序章>同位体分析概説
文系・理系関わらず、同位体分析に馴染みのない方でも、
楽しんでいただけるよう、基本の「キ」をわかりやすく解説します。

<話題提供>
各研究者が同位体を活かし、自身のテーマをどのように研究しているか紹介します。

<パネルディスカッション>
話題提供者3名により、同位体分析の面白さ、難しさ、限界などについて、
サイエンスカフェならではの、本音のところで語り合ってもらいます。

<総合討論>

●第10回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:12月11日(火) 15:00〜16:30
開催場所:横須賀本部別館3階 XBRセミナー室

ホスト:野牧秀隆(海洋環境・生物圏変遷過程研究プログラム)

講演者:
望月智弘(海洋環境・生物圏変遷過程研究プログラム)
Eugenio Rastelli(Polytechnic University of Marche, Italy)

1.「古細菌ウイルスへの招待状:古細菌ウイルスはビジュアル系☆」/望月智弘
ウイルスは細菌・古細菌・真核生物の全てのドメインから見出だされており、この地球上で最も豊富に存在する生物的構成体(biological entity)である。細菌と真核生物に感染するウイルスについては既に100年近い研究の歴史もあり数千種に及ぶものが単離されているが、古細菌に感染するウイルスの研究は30年前に細々と始まったばかりであり、超好熱菌や好塩菌を中心にこれまでわずか数十種が単離されているにすぎない。しかしながらその形態的多様性、並びにゲノム配列の多様性は同じ原核生物で ある細菌のウイルスを遥かに凌駕している。形態的には驚くべき多様性を有する古細菌ウイルスであるが、今日までに分離されたものは全てDNAウィルスであると言う点も古細菌ウイルスの重要な特徴である。
本セミナーでは、生物分類学上のFinal Frontierとも言っても過言ではない「古細菌ウイルス」について、並びに、Universal Tree of Lifeに登場しないがために見過されがちな「生命の起源・原始生命の初期進化におけるウイルスの役割」についての新たな視点(妄想)を紹介したい。

2. "The Izu-Ogasawara trench is a hot spot of viral activity"/Eugenio Rastelli
Viruses are the most abundant biological entities in the world's oceans (approximately 4x1030 viruses) and play a key role in the dynamics of most biological components and in the functioning of marine ecosystems, by contributing to global biogeochemical processes. The role of viruses becomes apparently more important in the deep ocean, where beneath 1000m depth, viral infections and subsequent cell lysis (the so called viral shunt) convert nearly all of the prokaryotic C production into cellular debris and labile macromolecules (in particular DNA and RNA), which can be used by other prokaryotes and microbial heterotrophs for sustaining their metabolism. When released by the lysed cells the extracellular DNA can become also potentially important for the gene flux, but the extent of these processes on the deep ocean and the factors controlling these mechanisms are almost completely unknown. In order to test whether these processes were affected by pressure and other environmental variables, an investigation was carried out on virus-prokaryote interactions in the Ogasawara trench and the adjacent abyssal plain. Here we report the preliminary results of analyses conducted on samples collected along the water column, in surface and sub -surface sediments inside the Ogasawara trench (down to 9776 m depth) and on the abyssal plain outside the trench (at 5747 m depth). We found higher abundances of viruses, bacteria and archaea and higher rates of viral production and cell lysis at hadal depths, coupled with higher amounts of extracellular DNA. Overall, our results indicate that the Ogasawara trench behaves as a bioreactor of viral activity, which intensifies biogeochemical cycles of organic matter and promotes prokaryotic turnover biodiversity.

●第9回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:11月28日(水) 15:30〜17:30
開催場所:横須賀本部別館3階 XBRセミナー室

ホスト:富谷朗子(海洋環境・生物圏変遷過程研究プログラム)

講演者:
成田憲保(国立天文台・太陽系外惑星探査プロジェクト室)
生駒大洋(東京大学・大学院理学研究科)
滝澤謙二(基礎生物研究所・環境光生物学研究部門)

<講演テーマ:太陽系外惑星と光合成>
1.「これまでにわかった太陽系外惑星の世界」/成田憲保
2.「地球型惑星の表層環境起源と進化と多様性」/生駒大洋
3.「低温度星の光による光合成の可能性」/滝澤謙二

Abstract:
近代以降の自然科学において宇宙と生物は両極端にある研究対象であり、長らく交わることなく発展を遂げてきましたが、近年になって両者を宇宙生物学として融合させる気運が高まっています。
宇宙生物学の新たな取り組みとして、自然科学研究機構を構成する国立天文台と基礎生物学研究所の若手研究者が中心となって、太陽系外惑星の観測により生命の痕跡を探すプロジェクトをスタートさせました。これはハワイに建設計画中の30m 望遠鏡(TMT)の稼働を見据えて、候補惑星上での生物進化の可能性の検証と観測候補惑星の探索、観測装置の開発を一体的に進める異分野間連携プロジェクトです。
宇宙における生物の形態は無限に想定可能ですが、存在可能性と観測可能性を考慮すると、植物のような光合成生物が発する酸素を検出することが現時点では最も現実的な観測目標であると考えています。
異分野横断型のセミナーを通じて、この分野間連携プロジェクトの内容を紹介するとともに、天文学、惑星科学、生物学研究者の連携が更に拡大することを期待しています。

●第8回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:10月30日(火) 15:00〜16:00
開催場所:横須賀本部別館3階 XBRセミナー室

ホスト:布浦拓郎(深海・地殻内生物圏研究プログラム)

講演者:横川 太一 氏(愛媛大学沿岸環境科学研究センター)
タイトル:「古細菌の従属栄養活性測定法と,それを用いた観測結果について」

Abstract:
中深層において高い生物量を示す古細菌がどのようにエネルギーを獲得しどのよ うな炭素源を利用しているかに関しては、体系だった知見が得られていない。今 後、知見を統合していくために必要な課題は次の2点:1)古細菌による化学合 成独立栄養活性と従属栄養活性の量を正確に測定し、その時空間パターンを明ら かにすること。2)この2つの栄養獲得能が分子系統分類に則したものなのか、 あるいは、個々の細胞が混合栄養的な戦略を有しているのかどうかを分子生物学 的に観察すること。
本研究では、古細菌の全従属栄養活性への寄与を定量的に見積ることを目的とし た。実際には、細菌のタンパク合成のみを阻害するエリスロマイシンと古細菌の タンパク合成のみを阻害するジフテリアトキシンをそれぞれ加えて一定時間培養 し、培養中の有機物の取込量を測定した。その結果、古細菌は水柱において全従 属栄養活性の約30%程度に寄与していることが明らかになった。

●第7回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:9月28日(金) 13:30〜15:30
開催場所:横須賀本部本館1階 大講義室

講演者:
斎藤実篤(地球内部ダイナミクス領域 固体地球動的過程研究プログラム)
林 為人(高知コア研究所 地震断層研究グループ)
廣瀬丈洋(高知コア研究所 地震断層研究グループ)
高井 研(海洋・極限環境生物圏領域 深海・地殻内生物圏研究プログラム)

<Part 1>
「東北地方太平洋沖地震調査掘削 (JFAST) の概要と掘削同時検層の成果」/斎藤実篤チームリーダー
本年4月1日〜5月24日および7月5日〜19日の計69日間、IODP第343次研究航海(東北地方太平洋沖地震調査掘削:JFAST/JFAST-II)が宮城沖220kmの海域で実施された。本航海では水深約6,900m、海底下約850mまでの掘削を行い、1) 地震断層の特性を把握するため、断層帯のコア試料を取得し、2) 地震ですべりを起こした断層で発生した摩擦熱を推定するため、地震断層に到達する掘削孔に孔内温度計センサーを設置するという2つの目的を達成した。本講演では、これら2つの目的達成に欠かせない掘削同時検層 (Logging-While-Drilling: LWD) という手法、そして電気抵抗・自然ガンマ線計測、孔壁画像などの検層データから、いかにして孔内の地層状況の把握し、断層帯の深度特定を行ったかを解説する。また、世界各地のプレート沈み込み帯掘削研究の最前線、そして検層技術が果たす役割と今後のビジョンについても解説する。

<Part 2>
「JFASTによる東北地震震源域の応力状態とその解釈」/林 為人グループリーダー
応力条件下で、掘削孔壁の特定方位においてブレークアウトと呼ばれる局所的な圧縮破壊は発生することがある。このブレークアウトは検出できれば、地層中の主応力方向の決定および主応力絶対値の推定ができる。JFASTのC0019B孔においてLWD孔壁イメージから明瞭なブレークアウトが認められ、そこの応力場を決定することができた。この応力の測定結果から、50mにも及ぶ東北地震時の断層すべり挙動に関して、どのような解釈が可能であることを解説する。

<Part 3>
「東北地方太平洋沖地震調査掘削コアを用いた実験研究: 巨大地震発生プロセスの解明に向けて」/廣瀬丈洋主任研究員
東北地方太平洋沖地震調査掘削(J-FAST)では、3.11東北地方沖地震を引き起こした可能性のあるプレート境界断層コアの採取に成功した。高知コア研究所では、このような掘削コアを用いて巨大地震発生プロセスの解明に向けた実験研究をおこなっている。本公演では、J-FAST航海にPhysical Property Specialistとして講演者が乗船した動機、船上での研究活動とその成果、コア試料を用いた最新研究などを紹介したい。

<Part 4>
"Novel insights into earthquake-induced pore-water chemistry and previously unknown microbial communities in the inter-plates boundary of the Japan Trench."/高井 研プログラムディレクター
I will talk about results of pore-water chemistry obtained from the core samples during the IODP Exp 343 that was conducted in April-May in 2012, one year after 3.11 Earthquake. The other important scientific objective of IODP Exp 343 was to obtain the post-earthquake chemical signatures such as a mechanochemical hydrogenogenesis by main fault-slipping causing gigantic and disastrous Tsunami and the subsequent microbial methanogenesis using te mechanochemical produced H2 as a function of the earthquake-sustained deep biosphere. My colleagues and I are going to obtain very good preliminary data to justify the objective.

●第6回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:8月24日(金) 16:00〜17:00
開催場所:横須賀本部別館3階 XBRセミナー室

講演者:Girish Beedessee(Mauritius Oceanography Institute)

Abstract:
Girish Beedesee is currently an associate research scientist at the Mauritius Oceanography Institute from past 4 years. He is involved in the bioprospecting project where he aims to look for biological activities of marine organisms. So far his has been able to investigate the anti-cancer and anti-cholinesterase activities of 45 species of marine sponges. His objective is to expand the screening program so as to test other marine organisms, including those of deep-sea. In 2009, he was part of a joint team that led to the discovery of two new hydrothermal sites in the Indian Ocean. Since then, he has been collaborating with scientists of JAMSTEC to understand the genetic diversity and dispersal abilities of invertebrates collected from four hydrothermal vents in the Indian Ocean.

●第5回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:2012年7月5日(木) 16:00〜17:00
開催場所:横須賀本部別館3階 XBRセミナー室

ホスト:豊福高志(海洋環境・生物圏変遷過程研究プログラム)

講演者:Helena L. Filipsson (Associate Senior Lecturerm, Lund University, Sweden)
タイトル:Extraordinary high primary productivity off NW Africa during the deglaciation and its consequences for benthic life.

I will present how the benthic environment off NW Africa responded to periods of very high primary productivity during parts of the last deglaciation. I will combine the results from grain-size -, diatoms - and benthic foraminiferal analyses.
Furthermore I will also present our on-going work in low oxygen environments around the coasts of Sweden; I will introduce the female scientists network WINGS at Lund University, Sweden. Sweden is a general regarded a progressive country when it comes to gender equality, but the numbers of female professors/senior scientists are as low as the rest of world. I will address some of the reasons behind the low numbers and hopefully this will stimulate a constructive discussion.

●第4回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:2012年6月4日(月) 15:00〜16:00
開催場所:横須賀本部別館1階 セミナー室

ホスト:加藤千明(海洋生物多様性研究プログラム)

講演者:Professor Garabed Antranikian (ハンブルグ工科大学学長、ドイツ)
タイトル:Unlocking the Tremendous Potential of Extremophiles for Application in Green Technologies

Industrial biotechnology is an emerging field of enormous socio-economic importance. Biotechnology has the potential to create cleaner and more efficient bio-processes to replace existing chemical processes. The current value of chemical products produced using biotechnology is estimated to be more than 100 billion dollars. It is also an important technology for the energy sector as energy derived from biomass starts to cover an increasing amount of our energy needs. The keys to unlocking this tremendous economic potential in industrial "white"
biotechnology are enzyme-based processes. Due to the relative ineffectiveness of standard laboratory culture techniques, the potential wealth of biological resources in nature is still relatively unknown, and uncharacterised. A key source of natural enzymes suitable for industrial production are exremophiles. The goal of research of our institute in this field is to provide unique microorganisms and enzymes (extremozymes) so that they can be adapted for use in industry.
In order to strengthen this growing field of biotechnology it is necessary to make the natural enzyme diversity accessible to industrial processes at reasonable cost. As the demand for robust enzymes, which can be used under unconventional process conditions becomes more and more obvious, we search the Earth's ecological niches for novel biocatalysts and produce these in substantial quantities. Modern techniques such as directed evolution and synthetic biology are applied in order to produce tailor-made enzymes. Our approach represents an innovative and promising way to design versatile biocatalysts with great potentials for both academia and industry.

参考資料はこちら

●第3回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:2012年5月14日(月) 15:00〜17:00
開催場所:横須賀本部別館3階 XBRセミナー室

ホスト:渡部 裕美(海洋生物多様性研究プログラム)

講演者:
Dr. Shawn Arellano, Postdoctoral Scholar (WHOI)
Dr. Stace Beaulieu, Research Specialist(WHOI)
タイトル:「沿岸および深海生態系における分散、付着のための幼生の行動と生息環境間のつながり」/Consequences of larval behavior for dispersal, settlement, and connectivity in coastal and deep-sea ecosystems

Abstract:
Planktonic larvae of benthic invertebrates face environmental conditions that are inherently different from the environments of their parents. Physiological and behavioral responses of larvae to these conditions affect their survival rates, development time, transport, and ultimately recruitment into new populations. We will give two presentations of our research into consequences of larval behavior for dispersal, settlement, and connectivity of populations.
The first lecture,by Shawn Arellano,will have an emphasis on coastal species, highlighting new experiments performed with live larvae in flowing water.
The second lecture, by Stace Beaulieu, will have an emphasis on deep-sea species from hydrothermal vents, highlighting results from R/V Yokosuka cruise YK10-11 to the southern Mariana Trough.

When larvae come near the end of their planktonic lives, they are faced with a complex suite of environmental cues that may, in part, trigger their transition from a plankton to benthic lifestyle.
The first presentation will show results from analyses using digital video to quantify larval responses to experimentally generated, field-relevant levels of turbulence. For oyster larvae, increasing turbulence can trigger clear 'diving' responses. Conversely, turbulence does not lead to changes in swimming velocity in barnacle cyprids, but cyprid swimming speed increases with turbulence. Finally, the addition of a waterborne settlement cue does not seem to alter the swimming responses of barnacle cyprids.

Studying the behavior of deep-sea larvae presents many challenges - not only are deep-sea larvae difficult to sample in the field, they are adapted to life at high pressure and thus difficult to study in the lab. In 2010 we collaborated with Hiromi Watanabe (JAMSTEC) to sample larvae and examine local-scale dispersal between hydrothermal vents on- and off-axis of the southern Mariana back-arc spreading center. Our objectives included assessing the abundance and diversity of larvae near Snail, Archaean, and Pika vents and quantifying swimming behavior in experiments on-board ship.
Consequences of swimming behavior are likely to be very important in this region with complex topography and large vertical relief, potentially enhancing larval exchange between vents.

●第2回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:2012年4月19日(木) 15:00〜16:00
開催場所:横須賀本部別館1階 セミナー室

ホスト:野牧 秀隆(海洋環境・生物圏変遷過程研究プログラム)

講演者:吉澤 晋 特任研究員(東京大学 大気海洋研究所 地球表層圏変動研究センター)
タイトル:「海洋環境におけるプロテオロドプシンを介した光エネルギー利用」/Proteorhodopsin-mediated phototrophy in marine environment

Abstract:
海洋表層の光エネルギーの利用は従来Cyanobacteriaに代表される酸素発生型の光合成生物に限定されて考えられてきた。しかしながら、この常識は2000年以後の相次ぐ発見により大きく揺らぎつつある。2000年に海水をターゲットとしたメタゲノム解析から、ロドプシンが海洋細菌の間に広く分布することが明らかになり(Beja et al., 2000)プロテオロドプシン(以下、PR)と命名された。PRはオプシンタンパクに発光団のレチナールが結合した光受容タンパクで、光を受容すると細胞内からプロトンを排出して膜電位を形成し、そのエネルギーでATP合成をする。言わば、 "光駆動型プロトンポンプ"である。その後、海洋環境中でPR遺伝子が続々と見つかり、海洋細菌の数十%(多い海域で約80%)がこの遺伝子を保持すると現在では見積もられており、PRを通して海洋生態系に流れ込む太陽光エネルギー量の推定は地球規模エネルギー循環の理解に必要不可欠であると考えられている (Fuhrman et al., 2008)。しかしながら、この値は現在のところ全く分かっていない。
その理由は大きく2つある。
1. よく聞く理由であるが、PR遺伝子を持つ細菌は"極めて難培養性"で、これまでに細菌分離株は7種、10株しかなく、培養株を用いた厳密な生理生態学的な解析を行った研究例が乏しい事。
2. プロトンポンプ活性の生菌での測定に世界中の誰もが成功していない事。

本セミナーでは、PRを持つ細菌の分離培養およびその活性測定に成功した我々の成果を、海洋環境にロドプシンを持つ生物が山ほど存在する事の意味を考察しつつ発表させて頂きます。

●第1回海洋・極限環境生物圏領域セミナー【奥谷喬司先生退官記念講演】
開催日時:2012年4月18日(水) 15:00〜
開催場所:横須賀本部別館1階 セミナー室

講演者:奥谷喬司 先生
タイトル:「深海研究50年。入り口はシロウリガイ」

半世紀にわたり軟体動物(貝類、イカ・タコ類)を初めとする様々な研究に携わり、多くの著書を記された先生の研究についてお話しいただきます。
シロウリガイから広がる深海生物について、ホワイトボードを使ってわかりやすく解説します。

●第13回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:2012年2月13日(月) 15:00〜16:30
開催場所:横須賀本部別館3階 XBRセミナー室

ホスト:布浦拓郎(深海・地殻内生物圏研究プログラム)

講演者:緒方博之(IGS laboratory, CNRS)
タイトル:Giant viruses in marine environments

講演者:Dr. Pascal Hingamp (Aix-Marseille Universtity)
タイトル:What can metagenomics tell us about marine large eukaryotic viruses?
Preliminary exploration of TARA -OCEANS genomic data.

Abstract:詳細はこちら

●第12回海洋・極限環境生物圏領域セミナー【海底資源研究プロジェクト共催】
開催日時:2012年2月7日(火) 13:00〜14:00
開催場所:横須賀本部別館3階 XBRセミナー室

講演者:Dr. Frederic Sinniger (University of Ryukyus)
ホスト:海洋・極限環境生物圏領域 領域長 北里 洋、
海底資源研究プロジェクト プロジェクトリーダー 木川栄一
タイトル:Assessing deep-sea mining disturbances: current research and new perspectives

Abstract:
Deep sea is a an important repository of commercially precious minerals.
While polymetalic nodules fields, mineral-rich hydrothermal vents and cobalt rich seamount crusts are known since decades, recently rare-earth minerals were discovered in abyssal sediments. However, difficulties to access to those resources protected the deep-sea from industrial exploitation for minerals. If at the moment the main danger for deep-sea environments lies in deep fisheries and oil exploitation, the situation could change rapidly with the increasing demand for various precious metals and minerals. Unfortunately the deep sea is also one of the less known environment on Earth and therefore the consequences of industrial exploitation on this ecosystem are difficult to predict and measure.
Facing this reality, it is urgent to develop efficient methods to assess impact of deep-sea mining on the deep-sea biosphere.
Several recent initiatives based on morphological and/or molecular identifications of organisms, such as the Kaplan project investigating diversity and distribution of the deep-sea fauna in the abyssal Pacific nodules province, have shown the vast amount of unknown diversity in the deep-sea and highlighted some of the dangers of industrial exploitation of the nodule fields and other deep-sea mineral resources. In the last years, new advances in sequencing technologies allowed the development of metagenetics, a new method to investigate biodiversity using environmental DNA and massive sequencing. It is logically that such technology has been tested on deep-sea environments. In this presentation, I will present both current methods used in environmental assessment of the deep sea as well as recent results obtained using new molecular techniques and the potential use of metagenetics as a new tool to study the impact of deep-sea mining.

●第11回海洋・極限環境生物圏領域セミナー
開催日時:2012年1月17日(火) 13:30〜14:30
開催場所:横須賀本部別館1階 セミナー室

講演者:Dr. Christophe Fontanier(フランス・アンジェ大学准教授/Associate professor of Univ. of Angers, France)
タイトル:「深海生底生有孔虫を用いた、地中海Cassidaigne海底谷におけるボーキサイト採掘泥投棄の環境影響評価」/Deep-sea foraminifera from the Cassidaigne Canyon (NW Mediterranean):Assessing the environmental impact of bauxite red mud disposal.

Abstract:
This oral presentation deals with an ecological investigation of benthic foraminifera (Eukaryota, Bikonta, Rhizaria) from two sites located at ~725-m and ~1530-m depths along the axis of the Cassidaigne Canyon (NW Mediterranean Sea). Bauxite red mud is discharged into this canyon since 1967 by the Gardanne Alumina refinery. Living (stained) and dead communities are described and compared with environmental parameters (sedimentary organic matter, grain-size distribution of sediment, geochemical composition of solid inorganic fraction). Trace elements in calcareous living foraminifera are analysed and compared with geochemical signatures of individuals from adjacent slope. Both canyon stations are characterised by red mud deposits which are enriched in iron, titanium, vanadium and chromium compared to bathyal (hemi)pelagic sediments. The highest concentrations of Fe, Ti, V and Cr are recorded at the shallowest site where heavy minerals (e.g. goethite) are abundant. Those bauxite-derived minerals are presumably transported laterally from the pipe outlet into the deep canyon.
Accordingly, the large spectrum of grain-size distribution (from clay to sand) and low organic carbon content of the sediment suggest strong hydro-sedimentary processes prevailing there. Organic detritus may be derived from either continental or shallow-water sources (high C/N ratio, low concentration in THAA, TCHO and biopolymeric C).
Conversely, at the deepest site, organic carbon content is higher.
Organic detritus consists in relatively labile compounds enriched in lipids and sugars suggesting deposition of marine detritus. The living foraminiferal fauna at the deepest site is typical of oligo-mesotrophic conditions prevailing in natural bathyal environments. The dead faunas observed in the pre-pollution sediment and in the centimetric layer of red mud are quite similar. It shows that bauxite residues have no environmental impact on foraminiferal faunas at this site. At the shallowest site located very close to the pipe outlet (less than 4 km far away), the living benthic foraminiferal community is a non-equilibrium fauna characterised by a very low diversity (3 species) and the unusual dominance of Gyroidina umbonata and Bulimina marginata. The analysis of the dead fauna confirms the opportunist behaviour of both taxa and suggests a moderate lateral contamination of allochtonous species from neritic environments. The mechanical stress related to lateral importation of bauxite residues is a likely source of hydro-sedimentary pollution precluding the settlement of diverse benthic fauna and explaining this unusual community.