JAMSTEC  >  海洋・極限環境生物圏領域  >  深海・地殻内生物圏研究プログラム  >  環境メタゲノム解析研究チーム

環境メタゲノム解析研究チーム

海洋研究開発機構 (JAMSTEC)では、極限環境下における生物の環境適応機構の解明を目的として、海洋や深海に棲息する微生物が持つ極限環境適応能に関する研究を推進してきました。1995年に自己複製型の生物として初めてHaemophilus influenzae (インフルエンザ菌) のゲノム配列が決定された後、1997年からJAMSTECでも新しいゲノム科学的アプローチから生物の極限環境適応能を探るべく、極限環境微生物のゲノム解析に着手しました。これらのゲノム研究を推進するための研究グループとして2001年に立ち上がったのがゲノム解析研究グループで、これまでに高pH, 高塩濃度, 高温環境に棲息する3種の微生物の全ゲノム配列決定を行い、JAMSTECホームページのデータサイト ExtremoBase からデータを公開しています。

好アルカリ性菌のゲノム 高度耐塩・好アルカリ性菌のゲノム 好熱性菌のゲノム
  • 好アルカリ性菌のゲノム
    NAR 28,4317(2000)
  • 高度耐塩・好アルカリ性菌のゲノム
    NAR 30,3927(2002)
  • 好熱性菌のゲノム
    NAR 32,6292(2004)

ゲノム情報は極限環境微生物の適応機構を探る上で非常に有益な情報を我々にもたらしてくれますが、これまで分離・培養された微生物は、実環境中で複雑な生態系を構成する微生物群のごく一部にすぎません。特に、実際の生態系の殆どは分離・培養が困難な難培養性微生物によって構成されているので、一部の微生物のゲノム情報からだけでは、実環境に形成された微生物生態系全体が有する潜在能力の把握は困難です。したがって、分離培養された微生物の生態系における役割等についても計り知ることはできません。 そこで我々は、培養を介さずに抽出したDNA (メタゲノム) のゲノム情報から微生物生態系をまるごと理解するための新しいアプローチとして、2006年からメタゲノム解析に着手し、JAMSTECの第2期中期計画への移行に伴い2009年から環境メタゲノム解析研究チームとして再スタートしました。