- 難培養性微生物がその多くを占める深海・地殻内の微生物生態系が持つ潜在能力をそこに棲息する微生物の網羅的ゲノム情報と環境因子との相関から包括的に理解することを目指す。
- 難培養性微生物のゲノムを再構築することで、これまで未知であった微生物の進化的位置付けや代謝ポテンシャルと環境中における機能的役割についての解明を目指す。
- 深海・地殻内に存在する未知なる微生物生態系のメタゲノム情報から有用な遺伝子を探索し、産業応用に活用することを目指す。
上記のように、環境メタゲノム解析研究チームでは、深海や地殻内に存在するユニークな生態系に焦点を当て、そこに存在する培養が極めて困難な微生物の生き様を培養に依存しないメタゲノム的アプローチから明らかにすることを目指して研究を推進しています。その最初のターゲットとして行ったのが、地下鉱山の熱水流路の回りに形成されたユニークな微生物マットのメタゲノム解析です。一方、JAMSTECでは統合海洋掘削計画(IODP)を推進するための主力船として世界初のライザー式科学掘削船“ちきゅう”を建造し、2005年7月に竣工しました。これをうけて今後マントルや巨大地震発生地域への大深度掘削が可能となると同時に地球最大の生命圏と考えられている地下生命圏へのアプローチが可能となってきました。そこで、我々のチームでは、2006年初秋に”ちきゅう”によって下北半島沖から掘削された地下深部コアサンプルを用いて地下生命圏の微生物生態系を探るべく2007年からメタゲノム解析に着手しました。また、2009年度からは、非常に有機物濃度が低く約1,100気圧の水圧がかかる生物にとっては過酷と思われる世界最深部(マリアナ海溝チャレンジャー海淵)の微生物生態系とその動態変化についてもメタゲノム的アプローチから解析を行っています。
JAMSTECでのメタゲノム解析の対象となった環境
地下鉱山熱水環境
下北半島東方の
地下深部環境
世界最深部 1,1000mの
大深度環境