平井 美穂

Miho Hirai B.Sc.
研究技術専任スタッフ
心から実験を楽しみ、正確な実験を行う平井さん。 ある時は嬉嬉揚揚と実験室でピペットを振り回し、とまたある時はコンピューターに向かって実験データを分析。世界へ発信される偉大な研究を次々に発表する布浦主任研究員の手となり足となり日々の実験・研究を支えている平井さんに、インタヴューしてみましょう!

★ 今行っている研究のテーマを教えて下さい。

    深海の堆積物や水塊の中の微生物相解析(遺伝子クローン解析・定量PCR)を行っています。簡単に言うと、深海にはどんな微生物がいるのか、彼らが何をしているのかを調べる研究をしています。他には新規微生物の同定や試薬の管理も担当しています。

★ 学生時代について教えて下さい。

    長浜バイオ大学の遺伝子工学研究室出身です。大学では、バイオサイエンスの知識と実験方法を幅広く学びました。特に、週に2日ある実験は絶対休みませんでした。友達によく言われたことは・・・「みーちゃん、実験の時だけはいきいきしてるね!」ちなみに卒業研究のテーマは臨床分離株(大腸菌)からの新規II型制限酵素のスクリーニングでした。とにかく昔から実験がめちゃくちゃ好きでした!小学生の頃から生命の誕生と進化の謎について興味があって、高校の時に超好熱性細菌に出会い、これだーーーー!!!ビビーッ!!と来て、今に至ります。それ以後、アーキア(古細菌)の世界に心を奪われてしまいました。

★ 技術員になった経緯は?

    大学4年の時、大学院へ行くか就職するかでとても悩みました。普通の企業に就職してしまえば、長期間研究職に就ける保証はなく、それは絶対嫌だ!と思い困っていました。そんな時、大学の教授に「研究技術員を探している人がいるんだけど、就職決まってる?」と声をかけられ、研究技術員という職の存在を知り、それと同時にこれが自分の望んでいる職だと思いました。この研究所に就職し、技術員として磨きをかけながらアンテナを高く張っていたところ、JAMSTECのBioGeosの存在を知り、今に至ります。夢を諦めずにいたら、高井さんが拾ってくれました!(泣き落とし状態だったらしい・・・。)

★ 平井さんは技術員ですが、研究員との違いや、技術員の仕事内容について教えて下さい。

    まず、論文を書いて世に送り出す研究者と比べ、技術員はかかるプレッシャーのレベルが低いように感じます。研究者のサポートをすることが私の仕事です。大量の論文を執筆する布浦研究員の指導のもと、実験の現場であらゆる作業を執り行います。技術員に適した性格としては、指示を出してくる上司と良好な関係を築ける柔軟さ(もちろん、お互いに人間同士ですから、相性の問題もありますが)、そして地道な作業を正確に続けられる忍耐力を持つことが大切です。また、問題点や疑問があった時に実験現場の状況を誰よりも詳しく知っている者として、的確な報告や指摘をすることも重要ですね。技術員であることの喜び?私について言えば、楽しい実験作業を続け、論文が発表された時に「実はこの重要な論文の実験作業は、全部私がやったのだ、フフッ!」と思うことでとても幸せな気持ちになれることです!責任を全て背負って論文を書かなくてはならない研究者は大変だと思うけれど、私は自分にはこの職が一番合っていると感じます。

★ お仕事をしていて「情熱」を感じるのはどんな瞬間ですか?

    新しい発見を目の当たりにした時。誰もやったことのない研究に携わっている時。(世界で初めての・・・!と感じます。)それから、良い結果が出てほめられた時も嬉しいです。

★ お仕事をしていて辛い時はありますか?

    正直、まだそこまで辛いと思ったことがないです。だって、楽しいんだもん! なかなか思うような結果が出なくて凹むことはあるけれど、良い結果が出た時の嬉しさが、全てを吹き飛ばしてしまうから頑張れます。

★ 今日は、何の作業をしているところですか?(上の写真)

    マリアナ沖で採取された水を1,000mごとに1万m分サンプリングしてあり、それぞれの深さで、水中にいる微生物にどんな違いがあるのか、どんなものがいるのかなどを調べる研究作業のうちの一コマです。今回は数が多いので、ちょっと大変ですね!

★ 平井さんのお仕事に対する気持ちをお聞かせ下さい。

    自分の好きなことを仕事にでき、また楽しいと思いながら仕事ができて本当に幸せだと思います。このチャンスを逃さず、常に少し上を目指しながら努力し、これからも興味のあることに対して恐れず自分から進んで取り組んでいくようにしたいですね。そして、技術員として皆に信頼され、SUGARで代わりのない存在になれるよう、頑張りたいです。ここでの研究が、将来ものすごい成果に繋がるはず!!生命の誕生、進化のなぞを解き明かすんだぜぇ!とでっかいこと思っています。

★ インタヴュー後の感想 by 館洞

    日頃から実験の方法やデータの分析・結果について、布浦研究員と活発に議論を交わしている平井さん。一見するとキュートな女性といった印象を受けますが、今回インタビューを通して、改めて彼女の芯の強さを思い知りました。そう、平井さんはやはりキュートな女性という以上に、並々ならぬサイエンスに対する情熱の持ち主だったのです!JAMSTECでの現職に就くにあたり、面接時に「高井PDとの面接で、泣き落としをした(らしい・・・)」とおっしゃっていましたが、それは甘えから涙を見せたのではなく、「あまりにも好きで、この仕事しか考えられない!」という情熱から、目が潤んでいたということでしょう。好きなことがはっきりしているから、余計なところで悩まない。「実験が好き!生命の謎を解明したい!」と言う彼女の目には、その言葉が真実であるという輝きと、それを実現するための努力を一切厭わない覚悟が見て取れるのです。小学校の時から既に興味があった“生命の起源”。その興味の対象にフォーカスし続けることが出来たのは、彼女が自らに自分の好きなことは何なのかを問い続け、しかもそれらを実際の人生につなげる行動力を持ち続けたからなのです。好きなことのためには、プッシュし続けること。進み続けること。あきらめないこと。これは誰にとっても大切な生き方の姿勢だと思います。平井さん、情熱を語って下さってありがとうございました。これからも応援しています!
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