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JAMSTECに在籍した研究者の名前が海底地形名として国際的に承認・登録

2015年12月21日
地震津波海域観測研究開発センター
海底地質・地球物理観測研究グループ
冨士原 敏也

世界の海底地形名を定める国際会議において、日本提案の海底地形名27件が承認・登録されました。その中の1つ「デシャン海山(Deschamps Seamount)」は、JAMSTECに在籍した研究者である故Anne Deschamps(アン・デシャン)氏に因んだものです。
JAMSTECに在籍した役職員の名前に因んだ海底地形名は、堀田海山、小林海盆・海嶺地形区に次いで3例目となります(※1)。

国際水路機関(IHO)とユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)の傘下に、世界の海底地形名を公式に定める海底地形名小委員会(SCUFN)があります。日本からは海上保安庁海洋情報部の小原泰彦上席研究官(深海・地殻内生物圏研究分野招聘主任研究員を兼務)が委員として参加しています。

本年10月にブラジルで開催された委員会では、各国から提案された海底地形名61件が承認されました。日本から提案し承認されたものは27件です(※2)。

承認された日本提案の海底地形名の中の1つ「デシャン海山(Deschamps Seamount)」は、昨年末に急逝した海洋地質学者Anne Deschamps(アン・デシャン:フランスCNRS, Marine European University)氏に因んだものです。

デシャン氏は、2001年から2003年にポストドクトラル研究員として、JAMSTEC深海研究部(当時研究部門)に在籍していました。JAMSTEC在籍中は、日本の南方に拡がる西フィリピン海盆(※3)やマリアナトラフの形成過程などの研究に取り組み、フィリピン海プレートのテクトニクスの解明に多大な貢献をしました。

この度、地震津波海域観測研究開発センターの富士原敏也主任技術研究員とフランス・モンペリエ大学のSerge Lallemand(サージュ・ラルマン)教授の連名により、デシャン氏の研究海域であった西フィリピン海盆にある海山に同氏の名前を冠することを提案し(図1)、全会一致で承認されました。

「デシャン海山(Deschamps Seamount)」の詳細は次のとおりです(図2)。
位置:西フィリピン海盆、沖ノ鳥島の南南西約600 km、鹿児島の南方約1800 km
規模:南北約30 km、東西約70 km
最小水深:4,200 m
比高:2,500 m

デシャン海山は、西フィリピン海盆の海底拡大軸であったCBFリフト(海底地溝)に境する海山である。西フィリピン海盆は、CBFリフトで海底の拡大が起こり、始新世(Eocene)に形成された。デシャン氏らは、JAMSTEC調査航海のデータを用いて、西フィリピン海盆の海底拡大終盤期テクトニクスを明らかにした。

※1:堀田海山(Hotta Seamount)は、海洋底地震学者・エンジニア堀田宏氏(元JAMSTEC理事)に因んだもの、宮城沖東方約600 kmにある(2006年登録)。小林海盆・海嶺地形区(Kobayashi Basin and Ridge Province)は、海洋底地球物理学者小林和男氏(東京大学名誉教授・JAMSTEC研究顧問)に因んだもの、沖ノ鳥島の南方約700~900 kmに拡がる(2013年登録)。

※2:海上保安庁海洋情報部の2015年10月23日のプレスリリース
「日本提案の海底地形名を国際会議が承認」
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOKAI/press/H271023_SCUFN28.pdf

※3:西フィリピン海盆は、SCUFNではフィリピン海盆として登録されている。

図1:日本南方の海底地形図、星印がデシャン海山、赤丸は沖ノ鳥島の位置を示す。

図2:デシャン海山の鯨瞰(鳥瞰)図。
JAMSTEC調査船「かいれい」「よこすか」で観測された海底地形データを用いて作図した。