ちきゅうレポート
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「後半戦開始」2010年9月19日

みなさん、9月19日(日)午後8時、龍馬伝の時間ですが、当然そんなものは見れないタカイ at 「ちきゅう」です。

昨日、昼過ぎ、前半戦の全行程を終了し、荒れ狂う東シナ海を南下して、名護湾に向かいました。

しかし、「ちきゅう」は揺れません。助かるねー。あのものすごいシケで、「ちょっと揺れてるな~」ぐらいしか感じませんでした。

これがうちの「なつしま」クラスの船であれば、まあ間違いなく「ゲロゲロ」で3ラウンド完全TKOでしたね。「よこすか」クラスであれば、「ボディーブローの連発で足カクカク状態」でしょう。

さてさて、なぜ名護湾に来たかと言うと、クルーチェンジです。

我々研究者には、労働と趣味の区別がないので、ロードーキジュンホーの適用が厳格じゃないのかどうかしりませんが、とにかく掘削オペレーションに関わる「働くおじさんたち」は2週間に一度交代するのです。

ヘリコプターで交代することもあるのですが、サプライボートなど船で交代する事が多いようです。今回は、「ちきゅう」自らが、陸に近づきました。これは、決してJAMSTECが「じぎょうしわけ」とかいう国際ネギリストもまっさおのネギリをくらって、財政的に青色吐息になっているからではなくて、船では不便な掘削地点で、ヘリも飛べない海域というのが公式見解です。

タカイが寝ている間に、「ちきゅう」は名護から3kmぐらいの沖合に漂泊し、前半戦、多いにお世話になり、意気投合したサルハシ船上代表などは「酒池肉林」の沖縄本島へ上陸してしまいました。

代わりに「チョイ悪オヤジ」サワダ船上代表など新たな掘削オペレーションチームが乗り込んできました。

このサルハシさんやサワダさんは、「沖縄掘削」が決まりはじめのころから、約6ヶ月間、頻繁に準備を重ねてきた愛すべき仲間です。それまで「へっ、「ちきゅう」なんてお高くとまりやがって!」と食わず嫌いしてきた私が、彼らの「やる気・元気・イワキ」を感じて、「この人たちなら、ワタシ、いっしょにしてもイイ」と心変わりしたのでした。

他には、乗船取材を敢行していた日本放送協会の取材陣も下船していきました。

なにやら、最後のカメラ撮影に、甲子園のPL学園ばりの人文字を、1km先に停泊していたJAMSTEC調査船「なつしま」の研究者に強要し、あげくに、「小さすぎて見えんだてかんて」(名古屋弁?)とか言ってボツにしたようです。

「下船する前にぜひタカイもたたき起して、ヘリデッキで将軍様ダンスのようなもの、をさせろ」と迫ったらしいですが、間一髪、安眠を妨害されずに済みました。

そんなお茶目な日本放送協会の取材陣は、午後3時頃に名護湾を出航した「ちきゅう」を、空から粋な方法で見送ってくれました。

日本人乗船研究者の中には、「俺写るっすかねー?」と言ってやきもきしている人もいるようです。番組期待してるよ!

そんなこんなで後半戦は、新たなメンバーで始まります。すでに名護も後にしました。

前半戦は、「ちきゅう」のつぶやきシローさんがまとめていますね。よーくまとまってます。つけくわえること、なしです。

最近、つぶやきシローさんの沖縄熱水直下微生物圏研究の理解の深さは「ちょーハンパない」んです。やばいんです。ひそかにオレのポジションを狙っているな?

そうです。後半戦は「続・魁・熱水直下微生物圏掘削」(熱水からかなり離れた温度勾配の緩やかな海底下)を行います。さらに、「真・元祖・本家・熱水直下微生物圏掘削」と「越後屋おぬしも悪よのォフォフォフォ・熱水直下微生物圏掘削」に挑戦します。

巨大な熱水マウンドを串刺しにして、その中の微生物共を「全解明じゃあ」というのが「真・元祖・本家・熱水直下微生物圏掘削」です。またその近傍にマウンドからどっしり根が生えた金属硫化物の固まりがドカンとあるはずなんですが、それをぶち抜くのが「越後屋おぬしも悪よのォフォフォフォ・熱水直下微生物圏掘削」です。なぜ越後屋なのか?それは、下心があるからなんですね~。とてもこんなところで記録には残せないですね~。ぜひ、「ちきゅう」トークイベントなんかで聞いてください。あっけなくポロッとしゃべりますから。

これは成功率が極めて低いと考えられてきた禁断の掘削なのです。なので、最後の最後に予定しています。

さあ泣いても笑っても、あと半分。阪神は息切れですが、我々はまだまだ「やる気・元気・イワキ」でいきまっせ~。