デイリーレポート
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【第319次研究航海 デイリーレポート】

August

8.31, 2009
Day:114

天候:曇
ロケーション:四日市港(日本)

昨夜、四日市港錨地に到着し、今朝パイロット乗船して四日市港に向かい、先ほど10時00分、四日市港に接岸しました。引き続き実施する第322次研究航海に向けた準備を行います。私たちすべての乗船研究者は、114日間にも及ぶこの研究航海で、科学掘削初となるライザー掘削などを成功させてくれたJAMSTEC船上代表の阿部OSI、澤田OSI、CDEXスタッフ、掘削エンジニア、ラボテクニシャン、そしてすべてのクルーたちに大変感謝しています。本当にありがとうございました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.30, 2009
Day:113

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0011A(NT1-07、北緯32度49分、東経136度52分)

午前0時00分に、孔内の清掃を行った後、掘削編成を揚管しました。これをもって、本研究航海におけるすべての掘削作業が終了しました。揚管後、四日市港に向かって移動を開始し、移動の途中、潮流の穏やかなところで荷物の積み下ろしを行いました。現在、台風11号の状況に注視しながら四日市港へ向かっています。乗船研究者たちは掘削地点C0010のレポートを完成させました。また、本地点で得た掘削同時検層データの基本的な解析を行い、同じ地点でコア採取を行う予定のIODP第322次研究航海のためにデータセットをローディングしました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.29, 2009
Day:112

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0011A(NT1-07、北緯32度49分、東経136度52分)

昨日から引き続き、掘削地点C0011Aで掘削同時検層(LWD)掘進を順調に進め、海底下952メートルまで到達しました。現在、掘進編成を揚管中です。約5km長のドリルパイプを経てLWDのデータをリアルタイムで取得しました。また、メモリに記録された詳細なデータはLWD編成を揚管して取得します。乗船研究者たちは、レポートの最終仕上げを引き続き行いました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.28, 2009
Day:111

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0011A(NT1-07、北緯32度49分、東経136度52分)

引き続き、掘削地点C0011において、掘削同時検層(LWD)掘進を海底下570mまで順調に進めました。孔内状況は良好で、毎時30-35mのスピードで掘進しました。研究者たちは、掘削地点C0010のレポート作成を引き続き行いました。また、LWDでリアルタイムで得られるガンマ線と比抵抗データの解析を行い、次の研究航海(IODP第322次研究航海)の研究者たちとスムーズな引き継ぎができるように、データベースの設定を行いました。また、試験編成で使用した圧力・温度測定機器は、今夜、新宮港に向けて陸揚げされました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.27, 2009
Day:110

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0011A(NT1-07、北緯32度49分、東経136度52分)

昨日、次の掘削地点(NT1-07)において掘削同時検層(LWD)掘進編成を降下し、22時45分に掘削孔C0011Aを開孔しました。開孔前には、掘削手順や目的深度、予測される地質や安全な掘削作業などについて会議を行い確認しました。また、LWDのガンマ線データを用いて、慎重に海底の深度を確認しました。この地点ではできるだけ深くまで掘削し、地層の比抵抗値やガンマ線のデータから、岩石学的な情報を得る予定です。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.26, 2009
Day:109

天候:曇
ロケーション:掘削予定地点(NT1-07、北緯32度50分、東経136度53分)

昨日、予備掘削地点(NT1-07)に移動し、海底へのトランスポンダーの設置を行いました。ここ数日間に渡って、掘削技術者や研究者を船上でサポートしてくれたCDEX小林照明氏に感謝します。また、次の掘削同時検層(LWD)に向けて乗船したロギングスタッフサイエンティストのMoe Kyaw-Thuを歓迎しました。乗船研究者は、引き続き、掘削地点C0010のレポートの完成に向けて取り組んでいます。また、共同首席研究者やKopf、北田ら長期孔内計測の研究者は、阿部船上代表やCDEX掘削エンジニアの河野と将来の長期孔内計測機器の設置に向けた改良点などについて、今回の試験の結果を踏まえて検討を行いました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.25, 2009
Day:108

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、ROV(無人探査機)により、腐食防止用のキャップを孔口に取り付け、本掘削地点(C0010A)での全てのオペレーションを完了しました。その後、海底に設置してある音響測位装置をROVにより回収し、そのうちの数機については音波信号により自動浮上させてサプライボートで回収しました。船上では、残された航海期間で実施する次の掘削(NT1-07地点)に向けて、掘削同時検層(LWD)編成の組み立てを実施しました。乗船研究者は、航海レポートの完成に向けて精力的に研究を行っています。また、ラボ技術者らは研究航海の終了に向けた準備に忙しくしています。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.24, 2009
Day:107

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、孔内設置用の簡易測定装置(圧力計と温度計)をつけたパッカーを7時45分頃に孔内にセットしました。孔内機器は、巨大分岐断層の上部20mほど上部にセットされ、簡易装置ではありますが、南海掘削で最初の長期孔内計測機器の設置となりました。その後、パッカー設置編成を揚管し、潮流の穏やかな海域に移動、腐食防止用のキャップを孔口に取付けるため、ROV(無人探査機)を海中に降下し、孔井位置に向かっています。乗船研究者は、掘削地点C0010の掘削同時検層(LWD)データの解析を引き続き行っています。また、掘削地点C0009のレポートの完成に向けて作業をしています。本航海も終盤となり、引き続き下船後に陸上で実施する研究計画の検討や、航海終了日まで実施する次の掘削地点(NT1-07)での掘削同時検層(LWD)について議論を行っています。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.23, 2009
Day:106

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、潮流の穏やかな海域に移動し、孔内設置用の簡易測定装置をつけたパッカー編成を海中に降下しました。掘削孔に向けてドリフトし、掘削孔に到着後、パッカー編成を孔口にリエントリーし、孔内を降下中です。長期孔内計測を担当する研究者らは降下試験の際に確認された強潮流によるドリルパイプの振動について議論し、計測機器への影響や今後の対策について検討しました。また、掘削地点C0010の結果についてまとめとレビューを行いました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.22, 2009
Day:105

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

引き続き、将来の長期孔内計測機器設置に向けた試験編成の2回目の降下を実施しました。今回の編成には加速度計と、大きさが同じダミーのひずみ計を組み込みました。掘削孔へ向けてドリフトしながら試験編成を降下し、掘削孔へのリエントリーに成功しました。リエントリの際の機器への衝撃を記録しシミュレートするためにこのオペレーションを3回実施しました。その後、試験編成を船上に揚管し、潮流の穏やかな海域に移動し、構内設置用の計測機器を組み込んだパッカー編成を海中に降下しました。乗船研究者チームを代表して今回の成功を導いてくれた船上代表の澤田郁郎OSIに感謝します。乗船研究者は、掘削地点C0010で取得したデータ解析と掘削地点C0009のサイトレポートの作成を続けています。また、乗船研究者のAchim Kopfらは、将来のオペレーションで掘削孔から取り外しができるパッカー編成に組み込む簡易測定機器(圧力計と温度計)の準備を行いました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.21, 2009
Day:104

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

ドリルパイプの先端に接続された降下試験編成は、4.5ノットを超える黒潮の強潮流により、絶えず振動を受けていたことがROV(無人探査機)の映像からも確認されました。編成下部のひずみ計とチュービングには、大きな損傷も確認されました。そこで、いったん降下試験編成を船上に引き上げ機器の状態を確認しました。試験編成が潮流による振動に耐えうるように、技術者らは構造的な強度を高める補修を行いました。昨日の早朝から、試験編成を再組み立てし、振動と衝撃を計測するための加速器を設置しました。15時00分ごろに再度海中へ降下し、ROVで監視しながら掘削孔に向かってドリフティングしています。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.20, 2009
Day:103

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、潮流対策として降下試験編成を海中に降下、掘削孔に向けてドリフティングしていましたが、海域は5ノットを超える強潮流のためROV(無人探査機)を降下できず、一旦穏やかな海域に戻り、ROVにより降下試験編成を点検したところ、編成下部に不具合が判明したため、掘削孔へのドリフティングをやめ、試験編成を揚管、ツールの点検を行っております。乗船研究者と首席研究者は、保留していた掘削地点C0009のサイトレポートの項目にとりかかりました。また、掘削地点C0010で取得した掘削同時検層(LWD)データの解析を引き続き行い、検層と地震波のデータ統合と近傍の掘削地点C0004のデータとの比較を行っています。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.19, 2009
Day:102

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

昨日7時00分より、潮流の穏やかな海域にて、将来の長期孔内計測機器の設置に向けた試験編成の降下を行いました。様々な水深で、どのような振動を受けるのかを確認しました。精密な孔内計測機器の下部に取り付けるチュービングの最適な長さを確認し、チュービング下部が、ある水深に到達すると振動が大きくなることが判明しました。そこで、温度計測器を下部に設置し、その上部に将来の孔内計測機器を構成する孔内ひずみ計、広域地震計、加速度計、それに温度計測器のセットを接続しました。最終的に、4つのチュービングをドリルパイプに接続し、降下しました。技術者による慎重かつ的確なオペレーションにより、機器が組み立てられ、試験編成は15時00分ごろに海底の掘削孔に向けて旅立ちました。「ちきゅう」は掘削孔C0010Aに向けてドリフトしております。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.18, 2009
Day:101

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、掘削サイトから7マイル離れた潮流の穏やかな海域からドリフトしながら掘削孔内へ編成をリエントリーし、ケーシングパイプ内の清掃を行いました。乗船研究者は、掘削サイトC0009のレポートをほぼ完成させました。また、掘削サイトC0010から取得した掘削同時検層のデータを解析しました。長期孔内計測設置に向けた試験編成機器の最終準備を行いました。また、今回設置する温度計と圧力計の簡易測定装置を組み立て、密封しました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.17, 2009
Day:100

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

8月15日にセメンチングが完了した後、潮流の穏やかな海域でケーシング内清掃のための編成を組立て、掘削海域に向けドリフトしています。今後、将来の長期孔内計測センサー設置のための試験編成の降下を実施する予定です。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.16, 2009
Day:99

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、潮流の穏やかな海域に移動後、ケーシングパイプを降下しながら、掘削地点に移動しました。掘削孔内にケーシングパイプを降下し、15時15分頃に降下完了し、セメンチングを実施しました。乗船研究者は、掘削地点C0009のレポートに完成にむけて孔内地震波探査のデータを確認し、地震波、検層とカッティングスのデータを統合し引き続き議論を重ねています。また、現在の掘削地点(C0010)とステージ1で掘削した近傍の地点(C0004)のデータの比較を行っています。検層データにより、断層帯の応力方向などのデータを解析しました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.15, 2009
Day:98

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

ケーシングパイプを降下するために潮流の穏やかな海域に移動し、夜中過ぎよりケーシング降下作業を行いました。断層帯の流体圧力の変化を測定するために、ケーシングパイプの一部に「網目」が施されています。これは、将来に孔内へ地震計やひずみ計を設置し、長期孔内計測を実施するための重要なポイントとなります。掘削同時検層(LWD)で得られたデータを検討し、ケーシングパイプの網目部分の設置深度を慎重に調整しました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.14, 2009
Day:97

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

ケーシング降下前の孔内清掃を行い、編成を揚管しました。乗船研究者は、再計測した比抵抗データを比較し、今後予定しているケーシングパイプ設置による圧力の測定のための断層の深度を検討しました。簡易測定機器による孔内計測の設置準備も行いました。ケーシングパイプ設置後に設置試験を実施する予定です。乗船研究者の北田数也は、ひずみ計や加速度計の試験を行いました。また、Demian SafferとAchim Kopfは、圧力測定機器の機能確認を行いました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.13, 2009
Day:96

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

引き続き、掘削同時検層(LWD)編成で掘進を行い、昨日17時30時に計画深度の海底下555mに到達しました。今後、ケーシングパイプ降下のための孔内の清掃を行う予定です。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.12, 2009
Day:95

天候:曇
ロケーション:台風退避中(和歌山県田辺港から南西13マイル地点)

引き続き、台風9号接近に伴い、田辺港(紀伊半島西)にて台風退避を行い、台風通過後の深夜、掘削海域に移動を開始しました。掘削サイト北西の潮流が穏やかな海域から移動しながらLWD掘進編成を降下し、掘進を行っています。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.11, 2009
Day:94

天候:曇
ロケーション:台風退避中(和歌山県田辺港から南西13マイル地点)

昨日、台風9号接近に伴い、田辺港(紀伊半島西)にて台風退避を行い、天候の回復を待ちました。研究者たちは、掘削同時計測の結果から比抵抗、ガンマ線データや比抵抗による孔内の展開図を考察しました。また19時30分から最初の考察結果について話し合い、衝上断層の構造(巨大分岐断層の上盤)や断層帯の性質、孔内観測を行うためのケーシングパイプの設置間隔などを討論しました。この話し合いには、掘削同時検層のエンジニアも参加しロギングツールの反応やデータ品質について議論しました。

それでは
荒木英一郎、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.10, 2009
Day:93

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0010A(NT2-01J、北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、熱帯低気圧接近のため、12-1/4インチ(約31センチ)孔び掘削同時検層(LWD)掘進を海底下482メートルで中断し、ドリルパイプを揚管しました。22時30分に掘削海域を離れ、潮岬沖に移動中です。交代のため、共同首席研究者のリサ・マクニールが下船しました。彼女の取り組みとリーダーシップには大変感謝します。また、交代で共同首席研究者の荒木英一郎が乗船しました。荒木氏は本科学掘削の最初の3週間にも乗船しており、今回は、この掘削航海が終わるまで乗船します。研究者たちは、引き続き、リアルタイムで得た掘削同時計測(非抵抗とガンマ線データ)から、堆積物からなる緩やかな斜面と衡上断層、さらにその上に覆いかぶさっていると思われる堆積物(巨大分岐断層の下盤)の特徴の検討を行いました。研究者たちはステージ1で調査した掘削地点C0004のロギングデータから、本孔C0010の考察を引き続き行いました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、荒木英一郎、ショーン・トシコ

8.9, 2009
Day:92

天候:曇
ロケーション:掘削地点NT2-01J(北緯33度12分、東経136度41分)

引き続き、12-1/4インチ(約31センチ)孔の掘削同時検層(LWD)掘進を続けています。海底下176から376mまでを、約16.6メートル毎時の掘進速度で行いました。一部区間で、データクオリティーに問題があり、再計測を行なっています。また、9-5/8インチ(約24センチ)のケーシングパイプの準備を行いました。熱帯低気圧が掘削海域に急接近しているため、風やうねりの状態によっては、避難することにしました。研究者たちは、孔内からリアルタイムで得られる膨大なデータを処理する準備として、掘削同時計測の結果(比抵抗とガンマ線データ)から堆積物からなる緩やかな斜面と衝上断層の特徴の検討を始めました。また、掘削地点C0004のロギングデータの考察から、本孔C0010において巨大分岐断層を計測する深度を検討し始めました。共同首席研究者の一人、リサ・マクニールが明日下船します。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.8, 2009
Day:91

天候:曇
ロケーション:掘削地点NT2-01J(北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、12-1/4インチ(約31センチ)孔の掘削同時検層(LWD)掘進編成を降下しました。水深は2523.7メートルです。掘削孔に再挿入し、13時15分に掘進を開始しました。研究者たちは、前の掘削地点C0009のサイトレポートの完成に向けて取り組みました。掘削地点C0010のロギングデータと、ステージ1で掘削した近傍のC0004地点のコアの結果も解析し始めました。共同首席研究者、研究支援統括と船上代表は、予備日程にNT1-07での掘削同時検層(LWD)を行う予定であることを南海掘削プロジェクトチームとCDEXから確認しました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.7, 2009
Day:90

天候:曇
ロケーション:掘削地点NT2-01J(北緯33度12分、東経136度41分)

昨日、潮流対策用のガイドホーンを取付けた後、12-1/4インチ径(約31センチ)の掘削同時検層(LWD)掘進編成を組立・降下しています。船上代表、掘削監督、共同首席研究者と研究支援統括は、本航海期間中に実施できそうな予備調査の可能性について話し合いました。研究者たちは、前の掘削地点の結果から、熊野盆地の構造地質や付加体、陸側プレートが海洋プレートに沈みこむ境界線にかかる圧力の状態などの科学的な全体像について午前中からお昼過ぎにかけて話し合いました。乗船研究者のAchim Kopf(ブレーメン大学)と亀尾浩司(千葉大学)が本日乗船予定でしたが、天候が悪くヘリコプターがキャンセルになったため乗船できませんでした。明日会えることを楽しみにしています。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.6, 2009
Day:89

天候:曇
ロケーション:掘削地点NT2-01J(北緯33度12分、東経136度41分)

早朝、掘削サイトに到着し、7時45分に20インチ(約51センチ)径のコンダクターパイプのジェットイン(水圧でケーシングを海底面に挿入する作業)を開始し、C0010A孔を開孔しました。9時15分にジェットインを完了し、現在、12-1/4インチの掘削編成による掘進に向けて潮流対策用のガイドホーンを取付けています。研究者たちは、前の掘削地点C0009のまとめを行い、土質評価用に採取したコアからのサンプル採取も終えました。また、掘削孔内に設置予定の簡易観測装置の確認を行いました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.5, 2009
Day:88

天候:曇
ロケーション:掘削地点NT2-01J(北緯33度12分、東経136度41分)付近

引き続き「ちきゅう」はドリフティングしながら、20インチ(約51センチ)ケーシングパイプのジェットイン(水圧でケーシングパイプを海底面に挿入)にむけて準備を行っています。ROV(無人探査機)は、海中に降下しています。乗船研究者は、土質評価用に採取したコアからサンプルを採取する場所を決めました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.4, 2009
Day:87

天候:曇
ロケーション:掘削地点NT2-01J(北緯33度12分、東経136度41分)付近

昨夜、潮流の穏やかな海域へ移動し海中へ20インチ(約51センチ)のコンダクターケーシングパイプを吊下げた状態で、ドリフティングしながら掘削地点に向けて移動しています。研究者たちは、午後から夕方にかけてカッティングスの試料採取を行いました。また、夕方のミーティングでは、掘削地点C0009のハイライトを研究分野ごとに議論しました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.3, 2009
Day:86

天候:雨
ロケーション:掘削地点NT2-01J(北緯33度13分、東経136度47分)

昨日、海底への音響測位装置の設置が完了し、20インチ(約51センチ)のコンダクターケーシングパイプ降下のための準備を続けています。乗船研究者は、掘削サイトC0009のコアとカッティングスのサンプリングパーティを開きました。グループB研究者の個人サンプルの位置を決定し、午後から夜にかけて両グループの研究者の試料を、ラボテクニシャンらが行いました。また、掘削サイトC0009のレポートの作成を続けています。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.2, 2009
Day:85

天候:雨
ロケーション:掘削地点NT2-01J(北緯33度13分、東経136度47分)

昨日、次の掘削地点(NT2-01J)に到着後、無人探査機(ROV)を海中に降下して音響測位装置の設置を行いました。乗船研究者は、掘削サイトC0009のレポート作成を続けています。また、次の掘削孔で予定している孔内計測機器の準備を続けています。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

8.1, 2009
Day:84

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

ROV(無人探査機)によるトランスポンダーの回収を行い、掘削孔へキャップを設置しました。これにより昨日24時00分にライザー掘削孔(C0009A)の全作業を終了しました。その後、深夜から、次の掘削地点(C0010A)でのライザーレス掘削の準備作業を行いました。研究者たちは、本サイトのレポートとデータ解析を行いました。ワイヤライン検層データの解析に大いに協力してくれたロギングスタッフサイエンティストの木戸ゆかりに感謝しています。また、交代で乗船してきたMoe Kyaw Thuを歓迎しました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ


July

7.31, 2009
Day:83

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日10時30分に噴出防止装置(BOP)が船上に回収され正午過ぎには船内に格納されました。14時35分にROV(無人探査機)を海中に投下し、トランスポンダーの回収を開始しました。研究者たちは、引き続きレポート作成とロギングデータの解析をおこないました。さらに、共同首席研究者、研究支援統括と船上代表は、次の掘削地点(NT2-01)の掘削計画について話し合い、予備日程の可能性についても話し合いました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.30, 2009
Day:82

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、順調に噴出防止装置(BOP)とライザーパイプを船上に回収しています。研究者たちは、引き続きレポート作成を行いました。また、ロギングデータも解析しています。共同首席研究者、研究支援統括、ラボオフィサーとキュレーターは本掘削地点のコア、カッティングスなどについて、研究グループAとBの両方から出ているサンプルリクエストをまとめました。また、船上代表の阿部氏に船内を案内してもらいました。また、ライザー掘削の成功に力を注いでくれた、掘削監督のSteve Krukowski氏が昨日下船しました。大変感謝します。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.29, 2009
Day:81

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日より引き続き、噴出防止装置(BOP)とライザーパイプの回収を行っています。22時15分には、ライザーパイプ編成上部に装着しているフェアリング(整流装置)の回収も完了しました。研究者たちは、既に下船したグループAの研究者と連絡を取りながら、本掘削サイトC0009のレポート作成を行いました。また、ワイヤライン検層で取得したデータ解析も行いました。共同首席研究者、研究支援統括と長期孔内計測の研究者は、次の掘削サイト(NT2-01J)で予定している簡易測定器の孔内設置について打ち合わせを行いました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.28, 2009
Day:80

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日6時00分頃に、噴出防止装置(BOP)を海底面のウェルヘッドから切り離し、BOPとライザーパイプを船上に回収しています。研究者たちは、本掘削サイトのレポートの完成に向けて引き続き、船上での計測結果とワイヤライン検層のデータの統合などを行いました。孔内地震波探査の研究チームの荒木英一郎博士、Roland von Huene博士と、ロギングスタッフサイエンティストの真田佳典が下船し、代わりに木戸ゆかりが乗船しました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.27, 2009
Day:79

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

夜中から01時00まで、孔内地震波探査の計測機器の揚収を行い、掘削機器の保守点検の後、ライザーパイプ内を泥水から海水に入れ替えました。23時00分頃に、ROV(無人探査機)を投下し、噴出防止装置(BOP)を切り離す準備を開始しました。研究者たちは、本掘削サイトのレポートを完成させるべく、船上で実施した岩石学的な計測結果とワイヤライン検層データを統合し、本掘削サイトの総合的な考察を始めました。夜には、孔内地震波探査を担当する研究グループが取得したデータの概要と品質について報告を行いました。研究者は、下船予定のロギングスタッフサイエンティストの真田佳典に感謝しました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.26, 2009
Day:78

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

深海調査研究船「かいれい」との共同による孔内地震波探査を昨日11時00分まで実施しました。この探査では、南東から北西方向への測線と、掘削孔の周囲半径3.5kmの円を描くように「かいれい」が音波を発振し、掘削孔内と海底に設置した地震計で計測を行いました。また、引き続き、「ちきゅう」からも掘削孔直上から音波を発振し、探査を実施しました。研究者チームを代表して、今回の孔内地震波探査が実現するために力を尽くしてくれた船上代表の澤田郁郎氏、掘削監督のStephen Krukowski氏、それに多くのクルーや技術者に感謝いたします。また、陸上で本探査の実現に尽力いただいたCDEX運用管理担当の皆様にも感謝いたします。研究者たちは、引き続きレポート作成や、データの解析を行いました。ワイヤライン検層で取得したデータの深度補正や比抵抗イメージのデータを加えて、更に詳細に分析を行う予定です。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.25, 2009
Day:77

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、ケーシングパイプのセット完了後、ドリルパイプを揚管し、ケーシングパイプ内へワイヤライン検層機器が降下するかの確認を行いました。その後、孔内地震波探査(VSP)の機器を降下し、20時15分より、深海調査研究船「かいれい」との共同調査を開始しました。研究者たちは、引き続きレポート作成と分析結果の考察を行いました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.24, 2009
Day:76

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

ケーシングパイプ降下後、夜中から2時15分まで孔内の清掃を実施しました。その後、ケーシングパイプと孔井間を固定するセメントを送入・固定するセメンチングを開始し、12時45分に完了しました。研究者たちは、引き続きレポート作成や、データの解析を行いました。また、孔内地震波探査(VSP)で使用する機器を確認しました。13時00分と19時00分に研究者の荒木英一郎、Roland von Hueneと真田佳典が、孔内地震波探査(VSP)の科学的な調査内容を紹介をしました。また、共同首席研究者と船上代表らは孔内への機器の降下と「かいれい」による発振のタイミングについて最終的な打ち合わせを行いました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.23, 2009
Day:75

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日6時00分に、13-3/8インチ径(約34センチ)のケーシングパイプをドリルフロアから1540mまで降下完了し、ウェルヘッドと設置しました。研究者たちは、本掘削地点での研究レポートの完成に向け、引き続き、コアやカッティングス、動的地層テスタ(MDT)などのデータ分析を続けました。また、ワイヤライン検層データや非破壊計測の蛍光X線分析の解析を始めました。深海調査研究船「かいれい」は、実施予定の孔内地震波探査(VSP)に向け、「ちきゅう」から350mまで近づく計測側線を試験航行しました。VSP担当の研究者やロギングチームたちも準備に取り掛かっています。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.22, 2009
Day:74

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日から引き続き、13-3/8インチ径(約34センチ)のケーシングパイプの降下を実施しています。深夜0時までにドリルフロアから海中550mまで降下しました。深海調査研究船「かいれい」は、これから実施予定の孔内地震波探査(VSP)にむけてスタンバイしています。共同首席研究者と船上代表は、次の掘削地点(NT-2-01)での掘削計画について打ち合わせを行いました。研究者たちは、下船したAグループが開始したコアやカッティングス、動的地層テスタ(MDT)などのデータの分析を終え、引き続きレポート作成を行いました。また、ワイヤライン検層のデータ分析や、非破壊計測の蛍光X線分析も始めました。夜には、荒木英一郎とRoland von Hueneが、孔内地震波探査(VSP)の科学的な調査内容を紹介をしました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.21, 2009
Day:73

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

真夜中から4時00分まで、孔内の清掃を行い、拡掘編成を揚管しました。現在は、13-3/8インチ径(約34センチ)のケーシングパイプの降下準備作業を行っております。深海調査研究船「かいれい」が掘削海域まで到着し、予定されている共同調査のためスタンバイしています。今朝、グループAの全ての研究者が下船し、新たにグループBの残りの研究者たちが乗船しました。船内では、共同首席研究者、船上代表、掘削監督、船長、それに長期観測の研究者らを交えて、これから行うケーシングパイプの設置計画ついて議論しました。研究者たちは、カッティングスとコアの分析レポートの完成に向けて作業しています。堆積物の研究グループは、非破壊計測の蛍光X線分析の準備をラボテクニシャンと開始しました。夕食後、新たに乗船してきた研究者たちに、これまでの結果や航海目的などを説明しました。また、パブリケーションアシスタントも、研究航海レポートの作成について説明しました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.20, 2009
Day:72

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日14時00分に、海底下1567mまでの拡掘作業を完了し、孔径を17インチ(約43センチ)に広げました。夜中まで孔内の清掃作業を行いカッティングスを回収しました。昨日10時00分に、掘削孔内と海底面に地震計を設置し、海底下の構造を「ちきゅう」と共同で調査するために、JAMSTECの深海調査研究船「かいれい」が横須賀本部を出港しました。グループAとBの研究者たちは、共同で掘削地点のレポートを作成し、これまでの成果をグループBに引き継ぎました。また、動的地層テスタ(MDT)で得たデータや、コア、粒径が1mmから4mmのカッティングス試料の蛍光X線分析(XRF)データについて論議しました。他の試料との比較など、さらに詳しく調べることにしています。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.19, 2009
Day:71

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、13-3/8インチ(約34センチ)径のケーシングパイプ降下のために、17インチ(約43センチ)孔への拡掘作業を行なっています。研究者は、コアの計測と結果をまとめています。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.18, 2009
Day:70

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、孔径を17インチ(約43センチ)に広げるため、海底下1119mから1378mまで、約15メートル毎時の速度で拡掘作業を続けています。孔内の状態は良好です。損傷した定点保持システム用のアンテナを交換しました。昨日、共同首席研究者のティム・バーン、研究支援統括の江口暢久とグループAの研究者数名が交代のため下船し、共同首席研究者のデミアン・セーファー、研究支援統括のショーン・トシコとグループBの研究者が乗船しました。新たに乗船した研究者たちは、研究区画内を一通り確認した後、専門分野別に分かれ、これまでの結果の引き継ぎや考察を行いました。

それでは
リサ・マクニール、デミアン・セーファー、ショーン・トシコ

7.17, 2009
Day:69

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

孔径を17インチ(約43センチ)に広げるため、拡掘編成を降下し、掘削作業を実施しました。天候も良く、潮流は0.9ノットでした。乗船研究者の半分が交代で下船するため、いいお天気の中、集合写真をヘリデッキで撮影しました。交代する研究者たちは、レポート作成や分析結果の考察に忙しくしていました。19時30分からは、この掘削地点でこれまでに得られた幅広い分析結果について報告を行いました。カッティングスやコア、ロギングなどの研究試料やデータが得られるまで長い時間待ち続けたことを考えると、多くの研究を進めることができました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.16, 2009
Day:68

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日に引き続き、地層の間隙水の圧力や流体の浸透率、地層の強度を計測するため、動的地層テスタ(MDT)を04時00分まで続けました。前孤海盆堆積物と付加体を含む海底下700mから1600mの区間において計測を実施しました。ライザー掘削とともに、IODPとして初めてとなる計測試験が成功したことを嬉しく思っています。ワイヤライン検層を終了後、計測機器を揚収し、孔径を17インチ(約43センチ)に広げるため、拡掘編成を20時00分から降下しました。研究者たちは、これまでに得られた分析結果の考察やレポート作成に忙しくしています。19時30分には、結果報告のミーティングを行いました。打ち合わせ終了後、ワイヤライン検層を実施した技術者に、これまでの作業へのお礼をしました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.15, 2009
Day:67

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

孔内清掃を終了し、11時00分までにドリルパイプの揚管が完了しました。引き続き、最後のワイヤライン検層項目である動的地層テスタ(MDT)を取り付け、15時30分に試験機器の降下が始まりました。計測されたガンマ線のデータと、これまでのロギングデータの結果から、探査装置のキャリブレーションを行い、19時15分に1回目の試験計測を開始しました。この試験は、船上代表やロギングチームたちと夜中まで続けられました。乗船研究者は、引き続き、分析結果の考察やレポート作成を続けています。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.14, 2009
Day:66

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

今日は、波も穏やかでいいお天気でした。地層の間隙水の圧力や流体の浸透率、地層の強度を測る試験を孔内で行う、動的地層テスタ(MDT)に向けて、孔内の清掃が07時30分から始まりました。並行して、ケーシングパイプも、デリックに準備されました。研究者たちは、コアやカッティングス試料から得られたデータとロギングデータを比較し、動的地層テスタ(MDT)を実施する深度を検討しました。13時00分には、この試験を実施する技術者や地質学者たちと探査装置の設置深度について最終確認を行い、18時30分に、船上代表に報告し、試験が了承されました。研究区画では、14時30分に最後のコアの半裁が完了し、サンプル採取位置の確認が行われました。また、19時30分には、これまでに得られたコアのデータについて議論を行いました。乗船科学者の第1陣は、7月17日に下船するため、コアの記載や分析の最終結果、新しいログデータの解析やレポートの作成で忙しくしています。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.13, 2009
Day:65

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

朝9時00分に、最初のワイヤライン検層による測定を海底下1585mまで実施しました。データはリアルタイムに船上に送られ、研究者による分析が行われました。特に、今後予定している動的地層テスタ(MDT)のために孔内の状況や口径のデータを検討しました。13時00分には、2回目のワイヤライン検層を開始し、音波スキャナーと比抵抗イメージング機器を搭載した検層機器を孔内に降下しました。19時00分に計測を開始し、00時00分まで続けました。研究区画では、研究者たちがコアの解析を続け、カッティングスの分析も始まりました。地球化学用の間隙水分析の準備も本日開始しました。また、共同首席研究者は、船上クルーに南海掘削の科学目的やラボでの分析内容などを紹介しました。昨日から潮流が速くなってきたため、ライザーテンショナーの調整が行われましたが、現在は徐々に穏やかになってきました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.12, 2009
Day:64

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日夜に、孔内清掃用の編成を揚管した後、早朝から1回目のワイヤライン検層を降下・測定しています。最初の測定では、泥水の温度、電気抵抗、孔径、間隙率、密度、ガンマ線を測定します。コア採取を行った孔井底部は、孔内の状態がよくないようですが、検層を行えば孔内状況、特に口径の変化について重要な情報が得られるでしょう。ケーシング底部付近での逸泥を減らすために、炭酸カルシウムとクルミの殻を含んだ逸泥防止剤を注入したため、コア回収区間からのカッティングスに多少の影響がありました。14時00分に、船上とCDEXの間で電話会議を行い、今後予定している動的地層テスタ(MDT)を含めた検層の計画について話し合いました。乗船研究者は、コアの記載と分析を続けています。3本目以降のコアを半裁し、岩相、変形構造、物性の変化を調査しています。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.11, 2009
Day:63

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

今朝は強風が吹いていましたが日中にはおさまりました。昨夜から今朝にかけて、拡掘用編成を孔内に再挿入した後、コア採取区間(海底下1510-1594m)を、12-1/4インチ(約31センチ)に拡掘し、さらに10mほど掘り進んで 海底下1605mに達しました。これで、明日行われる検層により、コア採取区間のデータを取ることが可能になりました。泥水の循環後、ドリルパイプの揚収を開始し、また、ワイヤライン検層の準備を行っています。乗船研究者は、半裁されたコアの記載と試料採取を続けています。複雑で興味深い断層が見つかり、異なる時期の変形活動が起こったことを示していそうです。コアは、画像スキャナ、熱伝導率、自然ガンマ線強度、P波速度と密度の測定を行い、古地磁気と磁気異方性の測定用の試料を採取します。X線回折(XRD)と蛍光X線分析(XRF)の試料も準備しています。マルチセンサーコアロガーによる測定は終了しました。拡掘時のカッティングスが新たに採取され、それらの分析結果はコアのデータと比較する予定です。共同首席研究者と研究支援統括は、新たに乗船したOSI(船上代表)の澤田さんと動的地層テスタの計画について話し合いました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.10, 2009
Day:62

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

コア採取用編成を揚管後、ワイヤライン検層を実施する前に、孔内清掃とコア採取区間の掘削孔径を12-1/4インチ(約31センチ)に拡掘するための編成を降下中です。コア回収の後、研究区画では、最初の2セクションを 半裁しました。堆積学と構造地質学の研究チームが記載を始めています。薄いタービダイト層や生物擾乱、脱水構造、小規模な断層や剪断帯等が見つかりました。それらの多くはCTスキャンでも見えていた構造です。正断層と衝上断層の両方が同じコアから見つかりました。物性の研究チームは、コアのクラスターサンプルとカッティングスの両方で測定を行い、非常に忙しくしています。サンプルリクエストにしたがって、コアを半裁する前に柱状サンプルを切り出しています。コアの一部は動的地層テスタ(MDT)の実験が行われるまでは半裁せずに残しています。地球化学の研究チームは、少量ながらコアから間隙水を絞り出すことに成功しました。検層の研究チームは、動的地層テスタ(MDT)専門家と検層の計画について様々な面から検討を行いました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.9, 2009
Day:61

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

今日は、掘削作業も研究活動も非常に実り多い一日でした。コア採取の目的深度である海底下1593.9メートルに無事到達し、質の良い、回収率75%以上のコアを5本回収することに成功しました。最後の9本目のコアは22時25分に回収され、全部で83.9mの区間でコア採取作業を行ました。現在、コアリング編成を揚管しております。7本目のコアと8本目のコア採取作業の間に、泥水の循環と孔内の清掃作業を行いました。9本目のコアを掘削中に、地層がかなり固くなり掘削に時間を要したことから、地層に何らかの変化があったと考えています。乗船研究者一同は、コア採取に成功したコア採取作業監督と全ての船上クルーに感謝しています。コア採取区間のカッティングスも徐々に回収され、孔内状況も良好です。乗船研究者は、回収後すぐに分析を行う試料の採取に加えて、1-2本目のコアの記載と船上サンプルの採取を終え、CTスキャンの画像を観察しています。カッティングスとコアの分析は、帯磁率、X線回折(XRD)による組成、構造地質学的分析にとりかかっています。20時00分に研究者間での会議を行い、カッティングスの分析結果、各種データの比較から、前弧海盆や付加体の発達史まで様々な議論を行いました。
検層の研究グループはこれまで得られた地層の情報をもとに、予定している動的地層テスタ(MDT)の実験内容について打ち合わせを行いました。明日はエンジニアも参加してより詳細な計画を作成する予定です。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.8, 2009
Day:60

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、コア採取を実施しています。3本目のコア(海底下1536.9mまで)が11時40分に、4本目のコア(海底下1546.4mまで)が22時10分に回収されました。採取したコア試料の品質は良く、また回収率も80%以上と素晴らしいもので、研究者にとって非常に良いニュースとなりました。現在は、ドリルビットの詰まりを取り除く作業や、泥水を循環してカッティングスをきれいに取り除く作業を行っています。回収されたコアは、ガスや間隙水、歪み回復測定等の計測に必要な試料を素早く採取します。その後、各セクションに切り分けた後、CTスキャンによる計測を行っています。ラボテクニシャンは、コアとカッティングスの試料を同時に処理するために忙しく作業しています。乗船研究者は、昨日に採取したコアの堆積学的、構造地質学的な記載を行うとともに、物性の測定を行い、カッティングスの測定結果と比較しています。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.7, 2009
Day:59

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

最初のコアを回収した後、コア採取用の編成を組み立て直し、海底下1519.5mからのコア採取を開始しました。2本目のコアは、18時55分に船上に回収されました。コアバレルからは2.1m分のコアが回収されました。コアキャッチャーの試料は問題なく回収されましたが、コアライナーが壊れていることがわかりました。ただ、コアにはいくつかきれいな試料が含まれていました。回収後、掘削孔が崩壊気味のためにコアビットがプラグされたため、プラグ解消ツールにてプラグ除去を試みた後、3本目のコア採取を再開しました。2本目のコアの分析は既に始まっています。試料は固結した細粒堆積物(主に粘土とシルト岩)で堆積構造と変形構造を観察することができます。密度、P波速度、X線回折(XRD)、蛍光X線分析(XRF)、古地磁気といった項目の分析を行うためにコアから分析試料を採取しました。
また、乗船研究者は、海底下712.7mから1510mの区間で採取したカッティングスの分析結果を報告し、各研究グループ間で統合しています。カッティングスと泥水のガス分析から、多くの情報が得られたこと、そしてそれらの異なる種類のデータがよく一致することに驚いています。コアとカッティングスの比較が進めば、それより浅い深度のカッティングスについての理解できると期待しています。他の掘削サイトの結果を統合すれば、南海トラフ前弧海盆の形成過程について、新たなモデルを提案することが可能になると期待しています。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.6, 2009
Day:58

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、10-5/8"コアリング編成を組立・降下し、コアリングを9.5m開始しましたが、ドリルパイプ内圧力の上昇(ビットプラグ)、インナーバーレル着底不良のため点検揚管し、ビット部のプラグを除去・清掃後、現在、コアリング編成を再降下しています。コアリング再開は、本日の午後を見込んでおります。3時30分頃まで泥水循環を続けた後、4時25分に海底下1510-1519.5mの区間でのコア回収のためコアバレルを降下し、コア採取を開始ました。しかし、インナーバーレルが孔底まで達することができなかったため、点検揚管し、ドリルビット部のプラグを除去・清掃後、現在、コア採取編成を再降下しています。揚収された編成からは、わずかに採取されたコアも回収されました。その試料は未固結の堆積物と固結した岩石のかけらの両方を含み、分析に回されますが、コア採取用に掘進した9.5mのうちどこの深度のものかはわかりません。乗船研究者は最初のコアを手にして喜んでいますが、次は、より品質の高いのコアを回収できることを期待しています。掘削パラメータは海底下1390m付近のところで掘削孔壁が崩落している兆候を示しており、泥水を調整しています。
研究者はカッティングスの分析を続けています。物性のデータ(密度)で興味深い結果が出ているため、物性の研究グループはサイズ毎の間隙率を比較してサンプル準備過程の影響を確かめています。また昨年実施したステージ1のデータとも比較しています。浅い深度のカッティングスから粘着性の高いものを抽出して、物性や構造地質学的な分析も行う予定です。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.5, 2009
Day:57

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

10-5/8インチ径(約27センチ)のコアリング編成の組み立てを6時30分頃完了し、孔内に再挿入しました。コア採取用編成は23時00分頃に孔底に到達し、泥水の循環と孔内の清掃作業を再開しました。乗船研究者は、20時00分にカッティングス分析手順について話し合い、どうすれば各岩相を代表する試料を得られるか、ケービングの検証を行うことができるかを検討しました。異なる大きさのカッティングス間で分析結果を比較してみることにしましたが、カッティングスとコアの比較も有用と考えます。引き続き、カッティングス試料の密度測定を行っています。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.4, 2009
Day:56

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、12-1/4インチ径(約31センチ)の掘削同時計測(MWD)掘進編成を揚管後、10-5/8インチ径(約27センチ)のコアリング編成の組立・調整を終え、今朝、コアリング編成を降下開始しました。
11時00分に、乗船研究者は、技術者とコア採取作業について打ち合わせを行いました。19時00分に、研究者は、カッティングスの分析(堆積学と古生物学)、泥水ガスと掘削同時測定(MWD)ガンマ線の最初の結果をまとめ、議論しました。それらの結果は非常に有望で、各グループ間の仮説は互いに一致し、地震波探査のデータとも良い相関を示しました。乗船研究者のThomas Wiersberg博士は地層内ガスの組成、深度変化、濃度について発表しました。
炭素同位体からメタンが生物起源か熱起源かを決める研究も行う予定です。密度測定用の試料も現在準備中で、明日には測定が行われるでしょう。試料の様子から、良い結果が得られそうです。構造地質のグループが変形構造を分析する試料も準備されました。
動的地層テスタ(MDT)の研究グループは、夜に測定計画について打ち合わせを行いました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.3, 2009
Day:55

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

今日は無事に予定コア掘り開始深度の海底下1509.7mまで達し、研究区画でもお祝いをしました。その後、孔内の清掃作業を行い、カッティングスの回収も完了しました。コアリング編成へ編成替えの為、揚管中です。
カッティングスの処理と分析は、まだ続いています。海底下1333mで岩相に変化があり、より固結した岩石が見られるようになりました。浅い深度区間に比べて細粒で砂が少ないようです。この変化に伴ってカッティングスの分析手順を変更し、半固結試料に対する分析方法を採用しています。物性と構造地質の研究グループが分析をすることが可能になり、密度の測定や変形構造の同定を試みています。
検層の研究者は、掘削同時計測(MWD)のガンマ線のデータを解析しています。海底下700-1400mの区間では、ガンマ線強度に重要な変化は見られなかったので、カッティングスのガンマ線測定やワイヤライン検層のデータと比較する予定です。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.2, 2009
Day:54

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日から 順調に 12-1/4インチ孔(約31センチ)での掘進を続けており、孔内の清掃作業を行った後、深夜2時00分頃から掘削を再開し、25m/時の掘進率で順調に進んでいます。
5時00分(海底下1300m)においてガス濃度が上昇し始めました。この深度は事前の地震波探査で、前弧海盆堆積物中に不整合が見られたところで、それがガスを貯留する結果となっていたのかもしれません。6時00分現在の掘削深度は海底下1404.7メートルです。
不整合を貫いたため、カッティングスの分析は普段以上に注意深く行いました。カッティングスの組織は、より粘着性が強くなり、乗船研究者はそれを圧密と固結が進んだためと解釈しました。それは不整合を挟んで時間的空白があれば当然予想されることです。最新のカッティングス(海底下1320-1330m)は浅い所と比べて岩片や木片が少なく、石英、海緑石を多く含んでいます。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

7.1, 2009
Day:53

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日から 引き続き順調に12-1/4インチ孔(約31センチ)の掘進を続けており、9時00分現在の深度は、海底下1324.7メートルに達しています。この後、孔内保護のための作業を実施した後、本掘削編成により海底下1510メートルの予定深度まで掘進を続けます。研究者は、次々と回収されてくるカッティングスを分析しています。泥岩や未固結のシルト・細粒砂が主で、深度により黄鉄鉱化した木片や化石を含んでいます。5mのサンプル採取間隔で砂泥互層を採取できるでしょう。砂は火山ガラス、角閃石、玄武岩、そしてその後は海緑石を含んでいます。堆積学者は5m間隔で分析を行っています。X線回折分析も行われ、粘土鉱物の組成を調べています。微化石の分析による年代測定も行っています。
共同首席研究者、研究支援統括、ロギングスタッフサイエンティストは技術者と動的地層テスタと孔内地震波探査の詳細について話し合いました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久


June

6.30, 2009
Day:52

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

12-1/4インチ孔(約31センチ)の掘進編成により、9時15時現在で、海底下1022メートルまで順調に掘進しております。掘削は約25メートル毎時の速度で順調に進み、カッティングスが次々と研究者に渡されています。コア採取開始までに深度方向の岩相と年代の変化の全体像を掴むためサンプルの分析を10m間隔で行っています。全体的に、堆積物は浅い所の未固結砂に比べて深度とともに細粒になっています。大きいカッティングスでは薄片も作っています。泥水中のガス濃度は海底下950m付近で一時的に濃度が上昇し、安全のため屋外の高熱作業を一時的に禁止しました。すでにガスの濃度は低下したためこの禁止措置も終了しています。乗船研究者は地震波探査のデータを見直し、この深度に見られる負極性の反射面がこの部分に相当すると考えています。現在は異常水圧の可能性がある深度の直上まで来ています。そのため掘削作業は慎重を期しています。
ロギングスタッフサイエンティストは今朝乗船した技術者と検層の計画について話し合っています。天候は良好ですが、今後は風とうねりが強くなると予想されています。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

6.29, 2009
Day:51

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、海底下801.7メートルまで掘削した時点で、掘削のための回転を与えるモーターが発熱したためいったん点検修理を行い、掘進を再開いたしました。16時30分現在、海底下928メートルを掘進中です。
研究区画では、カッティングスを、ラボテクニシャンと乗船研究者が速やかに分析処理しています。これら試料は、未固結の砂で、多様な鉱物粒子から成っていました。古生物学者のShijun Jiang博士は、年代の推定をするために試料中に含まれる微化石を同定しています。また、乗船研究者のThomas Wiersberg博士と堀口桂香のガス分析グループは、地層に含まれるガスの測定を行っています。午前10時00分には、定例の避難訓練を実施しました。その後、Lisa McNeillがスマトラ沈み込み帯に関する研究を紹介しました。乗船科学者らは、明日下船する研究支援統括の高橋共馬と集合写真を撮りました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、江口暢久

6.28, 2009
Day:50

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、12-1/4インチ径(約31センチ)の掘削同時計測(MWD)垂直掘進編成を降下し、22時45分から掘進を開始しました。この掘削編成で、海底下約1500メートルまで掘削する予定です。この編成には、掘削孔の方向(今回の場合は鉛直)を維持するためにドリルビットの位置を変化させるツールと、掘削泥水の圧力を変化させることで掘削中のガンマ線データや掘削パラメータを船上に伝える掘削同時計測(MWD)ツールが組み込まれています。動的地層テスターの研究チームは、ロギングスタッフサイエンティストのMoe Kyaw Thuと検層の計画について話し合いました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、高橋共馬

6.27, 2009
Day:49

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

孔壁耐圧テストの終了後、セメント切削編成を揚管し、12-1/4インチ径(約31センチ)の掘削同時計測(MWD)垂直掘進編成を組立降管しています。
研究区画には、初めて地層の掘りクズ試料(カッティングス)が届き、未固結の砂を回収しました。前弧海盆のこの海域の地層は若い、急速に堆積した堆積物からなることはわかっていたので、予想通りの結果でした。また、乗船研究者のMai-Linh Doan博士とWeiren Lin博士が孔壁耐圧テストの結果について、注意深く分析しています。
共同首席研究者や交代乗船した船上代表らは、今後の掘削計画やマッドロギング(泥水検層)について打ち合わせを行いました。午後には、乗船研究者のAnja Schleicher博士が、サンアンドレアス断層掘削計画での、粘土鉱物組成と断層活動時期に関する研究について、興味深い講演を行いました。昨朝、Moe Kyaw Thuがロギングスタッフサイエンティストとして乗船し、ワイヤライン検層の準備をしています。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、高橋共馬

6.26, 2009
Day:48

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

20インチ径(約50センチ)のケーシングパイプ内にセメント切削編成を降下し、パイプ先端内部と下部のセメントを切削して、掘削孔の最深部である海底下712.7メートルに到達しました。ライザーパイプと掘削孔内を海水から掘削流体(泥水)に入替えた後、20時45分、IODP初となるライザー掘削を開始しました。その後、孔壁耐圧テストを行い、地層の掘りクズ(カッティングス)も採取されました。
研究区画では、乗船研究者のNatalia Efimenko博士を中心に、環太平洋地域の4つの沈み込み帯を比較した研究について非常に活発な議論が行われ、熊野海盆の研究に向けた良い準備となりました。
共同首席研究者の荒木が下船し、Lisa McNeillが交代で乗船しました。

それでは
ティム・バーン、リサ・マクニール、高橋共馬

6.25, 2009
Day:47

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、セメント切削編成を降下中です。20インチ径(約50センチ)のケーシングパイプ内部のセメント頭部を確認しました。この後、ケーシングパイプの先端と下部を固定しているセメントを切削し、ライザーパイプと 掘削孔内を海水から泥水に入れ替える予定です。
研究区画では、コアやカッティングス、検層データなど全ての貴重なデータについて盛んに議論を行っています。朝の会議では動的地層テスターや孔内地震波探査など、今後の実験計画について打ち合わせを行いました。午後は、乗船研究者のChristophe Buret博士が、ニュージーランド北島の後期新生代の前弧海盆について講演しました。多くの点で熊野海盆と似ていると同時に、面白い違いも見られる場所です。熊野海盆で我々がこれから見つけようとしていることなど、多くの議論を行いました。
本日、交代のため、共同首席研究者の荒木が下船し、Lisa McNeill博士が乗船します。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.24, 2009
Day:46

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、BOP(噴出防止装置)の機能確認テスト・加圧テストを問題なく完了し、BOP加圧テスト編成を揚管しています。この後、セメント切削編成を降下して、20インチ径(約50cm)のケーシングパイプ内部のセメント切削し、ライザーパイプと掘削孔内を泥水に入れ替える作業を行う予定です。
穏やかな海況に恵まれ、さらにもう数日続きそうです。しかしフィリピン付近ではまた台風が発生し、船長がその状況を観察しています。今朝は、最大風速30m/sを超える強風が吹きましたが、作業に影響を及ぼすことはありませんでした。
研究区画では、オペレーションジオロジストと、掘削パラメータについて一時間ほど打ち合わせを行いました、研究区画からも、リアルタイムで掘削の状況をモニターできます。また航海計画の進捗について、今後の作業予定を見て検討を続けますが、今週後半に交代乗船する共同首席研究者のLisa McNeill博士とロギングスタッフサイエンティストのMoe Kyaw Thuが乗船する頃には、研究区画は大量のカッティングス試料であふれているでしょう。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.23, 2009
Day:45

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、整備した荷重リングが正常に回転することを確認したのに伴い、ライザーパイプ上部機器を取り付け、BOP(噴出防止装置)の機能確認テスト・加圧テストを開始しました。波風が予想通り強くなっていますが、今後、孔壁の耐圧テストやカッティングスの採取ができることを期待しています。
乗船研究者は、午後の打ち合わせで前弧海盆の起源について議論しています。熊野海盆に対する理解を深めるのに非常に有用な議論となりました。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.22, 2009
Day:44

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、ライザーパイプ編成最上部にあるジョイント部をドリルフロア上に回収し、荷重リングの開放点検・整備・組立を行った後、ジョイント部を再降下し、21時00分にBOP(噴出防止装置)を海底面ウェルヘッドに再接続しました。その後、荷重リングの回転試験を行い、正常に回転することを確認しました。今後は、予定通りBOP加圧テストなどを実施する予定です。明日から天候悪化が予想されており注視しています。
研究区画では、乗船研究者のShijun Jiang博士がサイトC9003のコアを使った研究発表をし、コアに含まれていた微化石等の電子顕微鏡写真が紹介されました。その結果によると、サイトC9003のコアの年代は30万年前よりは新しいようです。コア全体を通じて、かなりの再堆積が起こっていたようで、堆積物の供給源や堆積盆の形成起源について新たな科学的な疑問が持ち上がっています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.21, 2009
Day:43

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、荷重リング部の開放点検を行い、洗浄・グリスアップを行ったあと、現在、再組立を行っています。この後、BOP(噴出防止装置)を海底面ウェルヘッドに再接続し、船首を回頭し、修復ロードリングの回転試験を行う予定です。
研究区画では、サイトC9003のコアについて、サンプル採取位置の確認やレポートの作成、新しい研究プロジェクトの計画を行いました。乗船研究者のMai-Linh Doan博士の発案で、夕食後に乗組員に研究区画の紹介を行いました。
船上では、フィリピンの北にある熱帯低気圧の行方に注目しています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.20, 2009
Day:42

天候:霧
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日発生したパイプジョイント部の不具合に対応するため、いったんBOP(噴出防止装置)を海底面ウェルヘッドから切り離し、荷重リング部の開放点検を行っています。
乗船研究者は、サイトC9003のコアへのサンプル採取計画を再度取りまとめることにしました。船上での計測に使うサンプルと、航海終了後の研究に使うサンプルを分けて採取する予定です。また、船上で既に分析が完了した研究や、南海トラフのより一般的なテーマまで、様々な話題のセミナーを開いています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.19, 2009
Day:41

天候:霧
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日、BOP(噴出防止装置)を海底面ウェルヘッドに接続した後、船首回頭時にライザーパイプ編成最上部にあるジョイント部の荷重リングが回転しない不具合が発生しました。現在、その対策を行っています。
研究区画では、いくつかの計画が同時進行しています。研究手法に関するレポートを作成したり、掘削パラメータをリアルタイムでモニターするためのコンピュータを設置したりしています。また、カッティングスの品質を掘削パラメータから判断する手法や、サイトC9003のデータで地震波探査、ロギング、コアのデータを統合する作業を進めています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.18, 2009
Day:40

天候:霧
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日15時30分に、BOP(噴出防止装置)とライザーパイプを、無事に水深2,054mの海底面ウェルヘッドへ接続しました。ライザー上部付属機器の取り付け、BOP加圧テストを実施した後にライザー掘削へ向かう予定です。BOP接続の瞬間は、ここまでの航海で一番盛り上がった瞬間でした。
9時30分からの会議では、ライザーテンショナーに実施した対応策について報告されました。13時には陸上のスタッフと安全性評価についてより詳細な議論を行い、最終的な確認が取れました。会議のテーブルを囲んでいた船上代表と10人ほどのスタッフは、ノートを閉じて掘削エリアへ向かい、そしてその1時間後にBOPが掘削孔と接続されました。ライザー掘削開始にむけて、準備作業が進んでいます。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.17, 2009
Day:39

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日ライザーテンショナーの部品に見つかった不具合の原因が特定され、その対応策を講じています。システム作動テスト等の完了後に、海底面ウェルヘッドへのBOP(噴出防止装置)とライザーパイプの接続作業へ 向かう予定です。
研究区画では、C9003のコアの測定データを使って、熊野海盆について議論を行いました。またMDT(動的地層テスター)の実験内容について最終調整を行っています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.16, 2009
Day:38

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

船上ではライザーテンショナーの部品に見つかった不具合の調査が続いています。現在、原因が特定され、その対応策を講じています。対応策完了を待って、BOP(噴出防止装置)とライザーパイプの海底面ウェルヘッド への接続作業を行う予定です。
研究区画では、ほとんどの機器のテストが済み、研究者からのサンプルリクエストも揃っています。使用前、使用後の泥水、泥水中のガス、泥水中のカッティングスと、それらのサンプルを水洗いしたもの、円筒状のサンプル等、種類、大きさ、深度などに応じた様々な計測を行う予定です。掘削を開始する準備は整っています。
午後の打ち合わせでは、南海掘削ステージ1のレビューを行い、その後、船上で誕生日を迎えた乗船研究者のShiJun Jiang博士をお祝いをしました。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.15, 2009
Day:37

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

BOP(噴出防止装置)とライザーパイプの降下・付属機器の接続をほぼ完了し、海底面ウェルヘッドへの接続を待つ状況になっております。ライザーテンショナーの部品に不具合が見つかったため、昨夜より 調整を行っています。
研究区画では共同首席研究者の荒木が、南海掘削と、JAMSTECが南海トラフへの設置を進めているDONET(海底地震・津波観測ネットワーク)の計画を含めた研究計画について講演しました。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.14, 2009
Day:36

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

午前中の船上会議で、予定している孔内地震波探査(VSP)で必要となる物資輸送について話し合いました。調査計画では、JAMSTECの深海調査研究船「かいれい」が、掘削孔周辺にOBS(海底地震計)を8個展開し、2本の直行する直線と「ちきゅう」を中心とする円軌道からなる測線上で人工地震波を40秒間隔で発振することとしています。好天に恵まれることを期待しています。
午後には、研究区画内でのコアの移動経路について確認しました。カッティングスとコアの回収が重なったときに、すぐに分析が必要な作業を迅速に行う方法を検討しています。また、MDT(動的地層テスター)の実験を行う深度で円筒状サンプルを採取することを検討しています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.13, 2009
Day:35

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

BOP(噴出防止装置)とライザーパイプの降下作業は最終段階に入っており、海底面のウェルヘッドへの接続が近づいてきています。右舷側からは、ROV(無人探査機)が着水しました。現在ROVは水深2kmの地点にいます。
研究区画では岩相記載データのデータベースへの入力、レポートの作成、サンプル・データ利用プラン等の今後の科学計画の作成、機器のテストを行っています。また、7月中旬に予定している孔内地震波探査(VSP)の際の 「ちきゅう」と深海調査研究船「かいれい」の行動計画について会議を行いました。また、ライザー掘削時の泥水の物性、特に粘性について、泥水技師らと会議を行っています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.12, 2009
Day:34

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、順調にBOP(噴出防止装置)とライザーパイプを降下しています。06時00分現在、1967mを降下中です。ライザーパイプの降下作業は予想より早く進んでおり、ライザーパイプの降下が完了すると海底面のウェルヘッドと接続される予定です。
乗船研究者は、サイトC9003のコアの分析を終えました。引き続き採取したサンプルの分析を行いながら、カッティングスの分析を行う準備へと移行しつつあります。午後にはカッティングスを用いた生層序解析の経験が豊富な乗船研究者のShijun Jiang博士が講演を行いました。採取されるカッティングスが、ある程度固結したものであることを期待しています。また、カッティングスの分析フローを改めて検討しています。週末にはより詳しい計画ができるでしょう。
MDTの関係者は明日の朝打ち合わせを行い、新たにMDT(動的地層テスター)の実験計画を作成する予定です。またホールラウンドサンプル(柱状のままのコアサンプル)の採取計画も作成中です。14時には、乗船研究者が 研究区画外で作業する際の手順について、船上代表や安全環境担当、研究支援統括らが話し合い、その後、作業環境を点検しました。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.11, 2009
Day:33

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、順調にBOP(噴出防止装置)とライザーパイプを降下しています。06時00分現在、1708mを降下中です。04時00分からは、上部ライザーパイプへのフェアリング取付けを開始しました。
乗船研究者は、サイトC9003のコアの記載と分析を続けています。午前中には、研究者数人がセメントポンプ室を訪れてセメント技師がテストを行う様子を見学しました。
共同首席研究者と船上代表らは、泥水ガスと検層を分析する研究者が掘削作業中に研究区画の外で作業する計画をたてました。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.10, 2009
Day:32

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、順調にBOP(噴出防止装置)を降下中です。天候にも恵まれ、ライザーパイプが順次繰り出されている様子は壮観です。掘削エンジニアがパイプを取り付ける作業は、まるで宇宙飛行士がスペースシャトルで船外作業をしているようで、とてもエキサイティングです。06時00分現在、940mを降下中で、全本数の約半分の降下が終了したところです。数十のライザーフェアリングもサプライボートで補給されました。
泥水の準備も進行中で、乗船研究者のThomas Wiersberg博士が質量分析器用のガスラインを設置しています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.9, 2009
Day:31

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

ライザー掘削に向けて、昨日からBOP(噴出防止装置)とライザーパイプの降下を順調に続けており、6時00分現在、172m降下しています。
乗船研究者はサイトC9003のコアの分析を続けています。また、共同首席研究者らは、ライザー掘削中の泥水サンプル採取について、エンジニアと打ち合わせを行いました。
午後には、乗船研究者の林為人博士が孔壁の耐圧テストについて講演を行いました。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.8, 2009
Day:30

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、ライザー掘削に向けた泥水作成を行うとともに、アジマススラスター1基の電気系統の点検と負荷試験運転を実施し、問題なく完了しました。今朝10時より、BOP(噴出防止装置)とライザーパイプの降下作業を再開しました。
昨日、乗船研究者は「ちきゅう」が3月に実施した熊野灘での試験航海の際に採取したコア(サイトC9003)の分析を開始しました。午後には研究者とラボテクニシャンが船内ツアーに参加しました。ツアーを先導してくれたOSI(船上代表)阿部さんに感謝します。
科学分析用のガス観測装置に発生した不具合に対応しています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.7, 2009
Day:29

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、ライザー掘削用の掘削泥水の準備を行っています。また、アジマススラスター1基の電気系統の不具合の調査を続けています。シミュレーション運転を行い問題がなかったことから、今夕から試験運転を開始する予定です。
乗船研究者はコアとカッティングスの分析を行う準備を行っています。19時00分から船内でサイエンスカフェを開き、40人ほどの乗組員の前で、共同首席研究者のティム・バーンが南海掘削ステージ1航海の成果と、これから行う研究活動について、Thomas Wiersberg博士がガスモニタリングについて講演を行いました。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.6, 2009
Day:28

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

本日は、悪天候のため、BOP(噴出防止装置)とライザーパイプの降下作業を休止し、ライザー掘削用の泥水の作成を行っています。また並行して、アジマススラスター1基の電気系統の不具合の調査と部品交換等を実施しています。
昨日乗船した乗船研究者チームは、船内の案内を受けました。引き続き、最初の研究打ち合わせを行い、コアサンプルの分析作業の準備を行いました。また、乗船中に行なう各自の研究の計画と調整を行ないました。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン、高橋共馬

6.5, 2009
Day:27

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

共同首席研究者の荒木英一郎博士とティム・バーン博士、それに11人の乗船研究者がCDEX研究支援統括の高橋共馬とともに本日乗船しました。研究者らは、まず安全環境担当による安全講習を受け、続いて研究区画の各ラボの利用講習やIT機器の指導を受けました。
「ちきゅう」は、BOP(噴出防止装置)とライザーパイプの降下準備を行っております。本日午後から明日土曜日にかけては、天候悪化が予想されるため、装置の固縛など天候悪化に備えています。

それでは
荒木英一郎、ティム・バーン(共同首席研究者)、高橋共馬(研究支援統括)

6.4, 2009
Day:26

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日5:00に、20インチ径(約51センチ)のケーシングパイプのセメンチング作業が完了し、午後にはドリルパイプを船上に揚収しました。引き続き、BOP(噴出防止装置)、ライザーパイプの降下のために必要な各種機器の点検、確認等の準備作業を進めています。
本日をもって、プロジェクト代表研究者のハロルド・トビン博士が下船し、入れ替わりに第319次研究航海の乗船研究者のうち、最初のグループが乗船する予定になっています。CDEX研究支援統括も江口暢久から高橋共馬に引き継ぎます。
ライザー掘削が始まれば、このデイリーリポートでも、もっと科学的な話題が増えることでしょう。
本航海へのこれまでの支援を感謝しています。今後も引き続き応援よろしくお願いします。

それでは
ハロルド・トビン、江口暢久

6.3, 2009
Day:25

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日は順調に作業が進んだ一日でした。「ちきゅう」は、20インチ径(約51センチ)のケーシングパイプを水深約2020m地点まで降下し、そのまま掘削地点へと移動しました。
ROV(無人探査機)で確認しながら、16時15分にケーシングパイプを掘削孔に再挿入することに成功しました。その後、ケーシングパイプを予定深度まで降下し、セメンチング作業は今朝5時に完了しました。

それでは
ハロルド・トビン、江口暢久

6.2, 2009
Day:24

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

孔内清掃作業の終了後、20インチ径(約51センチ)のケーシングパイプの降下作業を行なっています。「ちきゅう」は、掘削地点から約5000メートル北の地点に移動し、ドリフトしながらパイプを海中へ降下しています。海況は穏やかで、掘削作業に適した日となりました。

それでは
ハロルド・トビン、江口暢久

6.1, 2009
Day:23

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

定点保持システムが正常に作動することが確認できたのに伴い、掘削作業を再開しました。同システムは安定しており問題は発生しておりません。
26インチ径(約66センチ)の編成を無事に孔内に再挿入し、現在は孔内清掃を終了し揚管しています。揚管終了後、引き続き、20インチ径(約51センチ)のケーシングパイプの降下の準備に入る予定です。

それでは
ハロルド・トビン、江口暢久


May

5.31, 2009
Day:22

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

引き続き、定点保持システムに発生した不具合の調査を実施し、エンジニアらがシステムの設定等を調整した結果、正常に作動することが確認されました。
一方、ドリルフロアでは、20インチ径(約51センチ)のケーシングパイプ設置に向け、掘削編成による孔内清掃作業を開始する予定です。

それでは
ハロルド・トビン、江口暢久

5.30, 2009
Day:21

天候:全曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

定点保持システムに発生した不具合の調査を引き続き実施しました。
昨日は、南海掘削を紹介するために、英BBCによるテレビとラジオの放送が行われ、乗組員も船内で放送を楽しんでいました。
今朝、取材を終えたBBCクルーとCDEX/IODP広報担当が下船しました。

それでは
ハロルド・トビン、江口暢久

5.29, 2009
Day:20

天候:全曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日はずっと荒天で、正午前後に最大風速が秒速37.6メートルもありました。
だんだんと海況は好転してきていますが、今朝になっても強風は続いています。
昨日は、すべての甲板作業は天候待機となりましたが、定点保持システムに発生した不具合の調査を、引き続き実施しています。

それでは
ハロルド・トビン、江口暢久

5.28, 2009
Day:19

天候:雨
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

プロジェクト代表研究者の木下正高博士が、交代のため、昨日の朝にヘリコプターで下船しました。こちらは昨夜からの低気圧の影響により、最大30m/sを超える風速を記録する荒天状況のため、サプライボート・警戒船は海域から避難しました。ドリルフロアでの作業は、早朝から天候待機・作業休止状態に入っています。定点保持システムの検査のため技術者が乗船し、不具合の原因の調査を始めました。一方、26インチ径(約66cm)のドリルビットによる掘削作業の際に取得した孔内計測データが科学者に届きました。
船内では、乗船取材中の英BBCによるインタビューや撮影が行なわれています。
オンラインニュースには、記事が掲載され始めました。

それでは
ハロルド・トビン、江口暢久

5.27, 2009
Day:18

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

ドリルパイプを船上へ揚管している最中に、定点保持システムの不具合が発生しました。すぐにこの障害は回復しましたが、現在その原因を調査中です。
ドリルフロアでは、20インチ径(約51cm)ケーシングパイプの設置に向けた作業が進められています。
また、プロジェクト代表研究者による乗組員向けの「サイエンス・カフェ」を2回開き、地震発生帯への掘削の意義や本プロジェクトの概要について講演を行いました。
ステージ2の航海期間中に、このような催しを時折開催していきたいと思います。

それでは
木下正高、ハロルド・トビン、江口暢久

5.26, 2009
Day:17

天候:晴れ時々曇り
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

26インチ(約66cm)のドリルビットによる掘削作業は、昨日午前11時30分に予定通り海底下712.7メートルに到達しました。引き続き、掘削同時計測(MWD)を行ない、ガンマ線による密度計測、孔内圧力などのデータを順調に得ています。
昨日乗船した英BBC取材チームによる、「ちきゅう」での地震発生帯掘削計画を紹介した初レポートがBBCニュースウェブサイトに掲載されました。

それでは
木下正高、ハロルド・トビン、江口暢久

5.25, 2009
Day:16

天候:晴れ
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日は、26インチ(約66cm)のドリルビットで終日掘削作業と掘削同時計測(MWD)を行ない、今朝6時には海底下581mに達しました。今後、20インチ(約51cm)のケーシングパイプを設置するため、本日正午には海底下712mの予定深度へ到達したいと考えています。現在、掘削と同時にガンマ線による密度計測、掘削スピード、掘削孔内の圧力(掘削孔とドリルビット間の圧力)などの掘削同時計測を行っています。同時に船上では、20インチのケーシングパイプを設置するための準備を行っています。
「ちきゅう」による南海掘削の意義などを紹介するために、英国のテレビ局(BBC)の取材班が「ちきゅう」に乗船してきました。ニュースは5月29日に放送される予定とのことです。

それでは
木下正高、ハロルド・トビン、江口暢久

5.24, 2009
Day:15

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

未回収だった掘進編成、掘削同時計測(MWD)および26インチ(約90cm)掘削ビットが昨日朝に回収された後、掘削同時計測装置のチェックが慎重に行われました。その後、掘削同時計測および26インチ掘削ビットを装備した掘削装置は、マッドモーター(掘削ビットを泥水で回転させる装置)の動作が確認された後、今朝8時に海底下深度54.5mから掘削が再開されました。深度700mまでは孔径26インチで掘削を行う予定です。

それでは
木下正高、ハロルド・トビン、江口暢久

5.23, 2009
Day:14

天候:晴
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日は、終日回収作業が行なわれました。回収装置を大口径のものに変更し、回収を試みたところ、今朝6時30分、回収作業はみごと成功しました。掘削同時計測(MWD)および26インチ(約66cm)掘削ビットを装備した掘削装置は、船上に回収されました。この回収作業の成功は、船の操船、掘削クルー、ROV操作チームの間の協力によるもので、私たち研究チームは、この回収作業を成功させた高度な技術とチームワークに惜しみない賞賛を送りたいと思います。私たちはこれから、26インチ掘削装置を降下させ、海底下深度700mまで掘削する予定です。
もう一人のプロジェクトの代表研究者である、ハロルド・トビン博士が昨日乗船し、船上はにぎやかになりました。

それでは
木下正高、ハロルド・トビン、江口暢久

5.22, 2009
Day:13

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11B、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日は、終日コンダクターパイプ(ライザー掘削のための土台)を設置するための装置とそれに付随する掘削装置の回収を続けました。特別な回収装置が正午すぎに本船に到着し、掘進編成の回収準備が始まりました。今朝未明には、回収装置が慎重に降下され、ROV(無人探査機)を補助装置として使用しながら、回収装置をコンダクターパイプ設置装置の頂部へと挿入し、36インチ(約90cm)径のコンダクターパイプからコンダクターパイプ設置装置を外すことに成功しました。しかしまだ掘削装置の回収には至っておりません。

それでは
木下正高、江口暢久

5.21, 2009
Day:12

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11、北緯33度27分、東経136度32分)

昨日のレポートの通り、水深約2000mの海底下にセットしたコンダクターパイプ設置装置に機械的な障害が発生しました。
昨夜、ROV(無人探査機)で注意深く作業し、コンダクターパイプ設置装置につながったドリルパイプを、いったん船上に引き上げました。
今後、コンダクターパイプ設置装置及び残りのドリルパイプの回収を試みる予定です。
一方、船上では、首席研究者である木下博士がラボテクニシャンを対象に「サイエンス・カフェ」を開き、南海掘削の科学目的や本航海の計画、2007-2008年に実施したステージ1掘削航海の成果について解説を行う予定です。

ではまた
Nobu and Masa

5.20, 2009
Day:11

天候:曇
ロケーション:掘削地点C0009A(NT2-11、北緯33度27分、東経136度32分)

「ちきゅう」よりこんにちは。
昨日のレポートの通り、36インチ径コンダクターパイプの設置を昨日の朝に開始し、17時00分に海底下54.5メートルの予定深度に設置しました。(注釈:36インチは約90センチです。)
また、ウェルヘッドが安定していることを確認しました。
続いて、26インチ径のドリルビットで掘進する予定でしたが、コンダクターパイプの設置装置に機械的な問題が生じたため、現在はその対処を行なっています。

ではまた
Nobu and Masa

5.19, 2009
Day:10

天候:晴
ロケーション:掘削地点NT2-11(開孔後に掘削孔C0009Aと命名。北緯33度27分、東経136度32分)

「ちきゅう」よりこんにちは。
うれしいお知らせです。本日9時25分に、掘削地点NT2-11(開孔後に掘削孔C0009Aと命名)において、ライザー掘削孔を開孔しました。開孔は昨夜の予定でしたが、ROV(無人探査機)の障害により延期されていました。36インチ径のコンダクターパイプが海底下にジェットインされていくのが船上からもROVからの映像を通して確認されました。天候は良好、風はなく、波も穏やかで、今日のよき日に開孔となりました。

ではまた
Nobu and Masa

5.18, 2009
Day:9

天候:晴
ロケーション:掘削地点(NT2-11、北緯33度27分、東経136度32分)

「ちきゅう」よりこんにちは。
昨日16時00分に、ROV(無人探査機)による海底へのトランスポンダ(音響測位装置)の設置を完了しました。2セットのトランスポンダのキャリブレーションも昨夜21時30分に完了しました。
巨大な36インチ径のコンダクタパイプは、現在ムーンプールに吊るされており、MWD(掘削同時計測)を装備した26インチ径の掘削編成を組み立てています。心配された天候の影響もなく、10時00分までにコンダクタパイプと掘削編成の降下を開始し、最終確認ができしだい、開孔の予定です。むこう2日間の天候は良好と予測され、今まさに掘削開始を待っています。

ではまた
Nobu and Masa

5.17, 2009
Day:8

天候:晴
ロケーション:掘削地点付近(NT2-11、北緯33度27分、東経136度32分)

「ちきゅう」よりこんにちは。
昨日の日没後から、ROV(無人潜水機)による海底へのトランスポンダ(音響測位装置)の設置を開始しました。今朝までに8基が海底に設置され、現在残り2基を設置しているところです。
明日の早朝には、30インチ径のコンダクタパイプのジェットインを行なう孔の位置を最終決定できそうです。
本海域の天候は悪化してきています。明日は最大で20m/sの強風と3mに逹する波が予想されていますが、作業への影響はなさそうです。
研究区画も準備が続いています。ラボテクニシャンたちは皆、研究者チームが乗船してくるのを心待ちにしています。

ではまた
Nobu and Masa

5.16, 2009
Day:7

天候:全曇/雨
ロケーション:掘削地点(NT2-11、北緯33度22分、東経136度32分)

「ちきゅう」よりこんにちは。
今日は土曜ですが、「ちきゅう」船上は休まずオペレーションを行っています。
ROV(無人探査機)を用いた詳細な海底面調査は昨日で完了しました。
また、これから開始するライザー掘削で海底に設置する噴出防止装置(BOP)を、緊急時に安全に切り離すための退避経路を確認しました。
7時10分、「ちきゅう」は掘削地点(NT2-11)に到着し、36インチ径のケーシングパイプと、26インチ径の掘削編成を準備しています。
これから約3ヶ月続く掘削の間、船を定点保持するため、トランスポンダ10基(音響測位装置)を、海底に配置する予定です。すべての準備が整いしだい、いよいよ開孔し、巨大な構造物である噴出防止装置を海底に降下するための土台を設置します。
研究区画では、カッティングスおよびコアの処理・計測の準備が続いています。
最初のライザー掘削に向けて準備は万端です。

ではまた
Nobu and Masa

5.15, 2009
Day:6

天候:快晴
ロケーション:海底調査地点(北緯33度31分、東経136度35分)

「ちきゅう」よりこんにちは。
昨日に引き続き、詳細な海底面調査を今朝まで行いました。
ROV(無人探査機)のケーブルに不具合が発生しましたが、予定していた調査のほぼすべてについて完了しました。
これから「ちきゅう」は、掘削地点(NT2-11)に移動して、海底にトランスポンダ(音響測位装置)を設置する予定です。
すべてのトランスポンダを設置したのち、掘削位置を最終的に決定して、36インチのコンダクターパイプで掘削を開始します。
本日午前、人員交代のため、ヘリコプターが2往復する予定です。
また、サプライボートは、資材の積み込みをもうすぐ開始します。
研究区画においては、掘削中の安全ガスモニタリングの準備をラボコンテナで行っています。掘削地点(NT2-11)でのライザー掘削に向けて、カッティングスやコアの処理・測定の準備も行っています。

みなさん、よい週末を!
Nobu and Masa

5.14, 2009
Day:5

天候:快晴
ロケーション:掘削地点(NT2-11:北緯33度27分・東経136度32分)まで1海里

「ちきゅう」よりこんにちは。
昨日の午後より引き続き、掘削パイプおよびROV(無人探査機)を用いて精密な海底面調査を行っています。ROVの制御系に軽微な故障を発見しましたが、調査そのものは順調です。この調査にはもう1日前後かかる見込みです。我々は、まもなく最初の掘削地点(NT2-11)に到着し、掘削地点近傍の詳細な海底地形の調査を継続する予定です。
今朝、我々はビデオ会議をハロルド・トビン博士(もう一人の南海掘削プロジェクト代表研究者)と行ない、「ちきゅう」での行動について連絡を取り合いました。トビン博士は5月22日に乗船する予定です。
研究区画においては、ちゃくちゃくと準備作業が進行しています。

ではまた!
Nobu and Masa

5.13, 2009
Day:4

天候:曇り/雨
ロケーション:北緯33度33分、東経136度28分

「ちきゅう」よりこんにちは。
昨日5月12日17時00分に、予定通り新宮港を出港しました。
同日23時00分に調査海域に到着し、ダイナミックポジショニングモード(定点保持)に移行しました。ライザー掘削地点(NT2-11)での掘削の前に、本海域で海底面の調査を行います。ROV(無人探査機)は、すでに本日朝に潜行し、現在は海底調査のため掘削パイプが降ろされるのを待ち受けています。この調査は本日正午前後に開始され、1日半ないし2日間かかる見込みです。
現在の天候は曇りで、雨がわずかに降っていますが風はありません。
研究区画では本日午前、本航海中のコアおよびカッティングス処理の最終準備計画について、テクニシャンたちが打ち合わせています。
「ちきゅう」が再びIODPの科学掘削航海を行なえて、私たちは本当にうれしく思っています。
Cheerio,
Nobu and Masa

5.12, 2009
Day:3

天候:快晴
ロケーション:新宮港着岸中

「ちきゅう」より、こんにちは。
ようやく出航許可が出たので、本日15時に積み込みを終了し、17時に新宮港を出航します。今朝9時15分から、地球深部探査センター横浜オフィス、マントルクエスト本社、新宮事務所、ヘリコプター基地など、陸上関連施設と電話会議を行い、お互いが共通認識をもって今後の作業にあたることができるよう、確認作業を行いました。現在の所、「ちきゅう」は掘削地点NT2-11に本日深夜には到着し、掘削準備を行う予定です。
乗船メンバーは出航を本当に楽しみにしています。では。
Nobu and Masa

5.11, 2009
Day:2

天候:快晴
ロケーション:新宮港着岸中

「ちきゅう」より、こんにちは。
私たちは、新宮港で、資材の積み込みを行っています。
天候に恵まれ、太陽は輝き、鳥はさえずっています。
すべての乗組員は、出港に向け懸命に働いています。
また、研究区画においても、テクニシャンたちが懸命に本航海の準備をしています。
明日のレポートで正確な出港時刻をお知らせできると思います。
Nobu and Masa

5.10, 2009
Day:1

天候:快晴
ロケーション:新宮港着岸中

皆さん、こんにちは。本日午前0時00分より、統合国際深海掘削計画(IODP)の第319次研究航海を開始しました。この航海は、南海トラフ地震発生帯掘削計画(南海掘削)ステージ 2 の第1次航海にあたり、科学海洋掘削の歴史において初となる、ライザー掘削を実施します。当初、新宮港からの出港を本日予定していましたが、海象状況により着岸が遅れたため、ケーシングパイプなどの掘削資材の積み込みを急ピッチで行っています。今のところ、出港は12日の見込みです。
現在、研究者チームはまだ乗船していませんが、プロジェクト代表研究者の木下正高と、私、CDEX研究支援統括チーフの江口暢久が乗船しています。今月下旬には、もう一人の代表研究者であるHarold Tobinが乗船する予定です。
これから「ちきゅう」での行動を、このデイリーレポートで報告していきます。ぜひご覧ください。
Nobu and Masa