地球深部探査センター
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ちきゅうの科学技術
「ちきゅう」は、より深く到達するためにライザー掘削技術を科学研究用に初めて導入しました。今までの科学掘削と何が異なるのか、なぜここまで深く掘ることができるのか。「ちきゅう」の掘削能力の秘密に迫ります。
ライザー掘削システム
ライザー掘削システム 「ちきゅう」は海洋石油掘削に使われているライザー掘削技術を科学研究用に初めて導入しました。ライザーパイプの内側には、地層を掘り進むためのドリルパイプがあり、泥水と呼ばれる物理的・化学的調整を施した特殊な液体を船上のポンプによってドリルパイプの内に送り込み、孔底まで流し込みます。送られた泥水は、ドリルパイプの先端のコアビットから噴出した後、孔内では孔壁とドリルパイプの隙間、海底面から船上までは、ライザーパイプとドリルパイプの隙間を通って戻ってきます。この泥水循環が掘削孔内の圧力バランスを保った安定した掘削や、海底下数千メートルを掘り抜く重要な鍵となります。また、噴出防止装置により、突発的な地層内の高圧流体の噴出を防ぎ、安全な掘削が可能になります。

ライザーパイプにより
・ 泥水循環が可能になる
・ 再挿入が容易になる
・ ドリルパイプ内径を超える計測機器を降下できる

泥水循環により
・ 泥水の比重を高め地層圧力とバランスさせる
・ 泥水成分が孔壁を強化する
・ 泥水の粘性によって掘り屑をスムーズに排出できる
・ 船上回収した堀りクズによる地層評価ができる

ライザー掘削システムの映像はこちら(11.4 MB)
ライザーレス掘削システム
ライザー掘削システム ライザーレス掘削システムは、従来から科学掘削で利用されてきた方法で、ドリルパイプだけで掘り進み、海水を注入して掘り屑を押し出す方式です。短期間に多数の掘削を行える利点があります。ただし、砂浜に穴を掘っても、やがて海水がしみ出してきて崩れるように、孔壁の崩壊やコアの回収率が低い点も挙げられます。IODPでは米国がライザーレス掘削船を提供しています。「ちきゅう」もライザーレス掘削を行うことができます。

・短期間に多数の掘削を行える
・比較的浅い掘削に適している(ライザーレス科学掘削の記録2,111m)
・石油やガスが存在する地域では環境/安全上の問題から掘削が制限される
・掘削孔崩壊により孔利用の長期計画の実施は困難

コア(柱状試料)採取方法
RCB
中質から硬質層のコア採取に一般的に用います。割れ目の少ない固結した地層に有効です。

コアサンプリングシステムは、コアビット、インナーバーレル、アウターバーレルの3つから構成されています。コアビットの中央には開口部があり、コアを削り取りながらうまくインナーバーレルに収めるような構造になっています。 船上からドリルパイプの中に投入され、コアを採取した後、ワイヤーラインを用いて回収されます。何千メートルものドリルパイプを昇降させる必要はありません。

 

コア採取システムの映像はこちら(6.2 MB)
HPCS

軟質の堆積物のコア採取に一般的に用います。堆積物はビットを回転させると、試料を撹乱してしまいます。先端がナイフのように鋭いカッティングシューを、水圧で地層に貫入させることにより、ビットを回転させずにコアを採取することができます。

MDCB

硬質で割れ目の発達した岩石層や硬軟互層のコア採取に用います。コアバーレル内部のダウンホールモーターを水圧で駆動し、ドリルストリングから独立した回転と荷重をカッティングシューに与えることにより、その地層に最適なコアリングを行うことができます。

PCB

地層圧を保持してコアを回収したい場合に用います。コアは圧力容器の中に密封された状態で回収され、ポートを介して流体のサンプリングや、圧力測定、温度測定等を行うことができます。

 

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