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参加者デイリーレポート(若手研究者コース)
2010年1月8日
岩本直哉さん(栃木県立博物館)の一日
乗船スクールもいよいよ本日と明日を残すのみになりました。
本日は、ピクノメーターを使用した密度測定から行いました。これは、ガス置換式の体積を測る機械です。サンプルカップの番号を間違えたため(あらかじめ、重さと体積がわかっており、計算の段階で風袋引きをします。)ありえない数値になり焦りましたが、間違えに気がつき、何とかリーズナブルな値を出すことができました。当たり前ですが、分析には確認が絶対に必要ですね。その後、昨日求めたCT値と測定した密度を利用して、CT値から密度を測定する一次直線を算出しました。化学組成に大きく変化がない場合は、このようにCT値から密度を推定できます。
午後からは、昨日作成した岩層記載について、一人ずつディスカッションを行いました。皆で鋭い指摘をしあい、理解がかなり深まったと思います。
その後は、残りのラボの見学を行いました。最新の機械をうらやましく思いながら見学をしていきましたが、薄片室がきれいなことが、一番の驚きでした。さすが「ちきゅう」です。
この乗船スクールの期間を通して、様々なことを学び、いろいろ科学掘削について考えることもできました。すばらしい講師の方々に直接指導を受けられて本当に良い経験をしたと思います。私自身のモチベーションも上がりました。後はこの経験を私自身がどう活かすか、これからがんばってその方法を考えていきたいと思います。
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江川浩輔さん(産業技術総合研究所)の一日
素晴らしい青空のもとでの記念撮影から、3日目はスタートしました。今日は昨日の研修の続きと、実習内容の整理。今回測定したデータを統合し、実際にIODPで用いるデータベースを作成しました。データベース管理システムの出来は見事なもので、研究者が記載・測定した内容は、システマティックに即座に中央管理され、他の研究者が出した結果も併せて、見たい部分の様々な分析データを同時に確認できるようになっています。大人数で行なう大型プロジェクトというのは、こういうシステムの部分もしっかり組まれているのですね。
そして、いよいよ迎えた最終日。前日の晩からほぼ徹夜状態でまとめた資料について、口頭で発表しました。今回の実習内容と、自分なりのIODPプロポーザルを簡潔に語るという内容でしたが、研修生は皆、とてもモチベーションが高く、ユニークな発想をドンドン語っていました。若手が自由な発想で、自らの考えを話し、それについて皆が建設的に議論や助言、提案をしていく機会を設けることは、大変良い試みであると思います。
今回の研修は、休む暇も惜しんで意欲的に参加するほどの内容であり、本当に充実していました。是非今後も、このような研修を続けて頂ければと思います。また、個人的な提案としては、今回は堆積物コアに特化した研修内容でしたが、研修生それぞれの関心分野は堆積学に留まりませんので、今後はその他のコア試料も扱えるようにして頂ければ、研修内容の更なる充実を図れるものと期待されます。
最後に、本研修に携わった全ての方々に感謝の意を表し、IODPの更なる発展と成功をお祈り致します。
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坂田澄恵さん(産業技術総合研究所)の一日
昨日のMADの続きの説明から、今日は始まりました。アルキメデスの原理を利用して、ある一定量のガスの中に、物質を入れると、その体積分だけ気圧が変化します。その微量な変化を計測して,その物質の「体積」を測定します。まずは、試料3つ、検量球1つをそれぞれのchamberに入れます。ヘリウムガスで満たされた空間を計測し、体積を測定。測定は5回行い、自動的に平均値をとった値が、小数点以下4桁という精度で、機械から返ってきます。試料を入れた2cmほどのセルは、すでに体積・質量ともに計測されているので、結果から自動計算されて、試料自体の乾燥体積・乾燥質量が求められます。
J-CORESにuploadされたこのデータ(MAD density)を、csvデータで見ます。C bulk densityとC grain densityがありますが、後者は間隙を除いた粒子のみの密度なので、前者を使います。コアの深度とMAD density, およびMSCL-GRAの分布を点で落とし、全員のデータをあわせてみると…… 無事に、ほぼ一直線上に並びました!
昼食後、午後一番から昨日記載したコア試料を全員の前で発表するべく、最終チェックをしました。私はスミアスライドでの岩相記載が終わっていなかったので、川村喜一郎さんに駆け込みで教えていただきつつ急いで記載。15時から、全員が逆順に担当したコアについて発表し、意見を交わしました。
終了後は、ラボツアー2回目。超伝導磁力計や、Exp.322のコア試料(玄武岩と泥岩の境界部が綺麗に見える!)、各実験室や、休憩室、微化石処理室、Geo chemiを扱う部屋、消防用具、ガスボンベ部屋などを案内していただきました。
夕食後はサイエンスカフェです。本日は、加賀谷さん、七山さん、川村さんの研究紹介をお聞きしました。どのお話もユニークで、これからの研究をどのように進めるのか、またどんな分野につながっていくのかと、興味が広がりました。
(あと1日、まとめを残していますが)この充実した3日間の見学や実習で、「ちきゅう」にある様々な最新鋭の機器や実際の研究現場に触れることが出来、これらをフル活用することで、研究分野を問わず、1本のコアから様々な情報が引き出せる環境が整っていることに感激しました。多様な可能性を秘めている「ちきゅう」で、まだまだ未知の世界である地球深部を研究する一端を垣間見ることができたことは、大変貴重な経験だったと思います。更に、一緒にスクールに参加した5名のみなさんと議論・雑談で話したことはとても参考になりましたし、良いつながりが出来たと思います。今後に是非活かしていきたいと思います。
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佐津川貴子さん(静岡大学大学院自然科学系教育部)の一日
ついに実習も後半戦に入りました。
まず、昨日の続きであるMADの測定から始まり、続いて、コア記載の結果を発表しあいました。講師の先生の助言を受けながらお互いのコアについてディスカッションしたことにより、ほかの実習生の方々が担当されていたコアの情報も共有することができ、より理解を深めることができました。
そして、地球化学分析のラボを見学した後、明日に行われる“実習のまとめ”の発表準備に取り掛かりました。ほぼ徹夜の状態で、今眠い目をこすりながら、このデイリーレポートをまとめています。さて、明日の発表ではどんな奇抜なアイディアが飛び出してくるのでしょうか?楽しみです。
この4日間、短い間ではありましたが、船上に缶詰状態でのインターンシップであったため、非常に濃密な日々でした。実習を通じて、「ちきゅう」船上の研究生活の実際を学べたことはもちろんですが、最先端で活躍している研究者、また、志を同じくする若手研究者と合宿生活を送り、様々な分野の研究を知り、語り合えたことは、非常に貴重な経験となりました。このような機会を与えてくださり、ありがとうございました。この次は、「乗船研究者として「ちきゅう」乗り込みたいと思います!
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松山健志さん(東京大学大学院理学系研究科)の一日
3日目は2日目に引き続いて実習と実習のまとめ、4日目はその発表となりました。
2日目の実習では、原理などがわからないままに、測定機器などを利用していたことを反省し、レクチャーノートを見直し、わからなかった部分は講師の方々に質問したため、その原理と出力された結果の意味がわかるようになりました。その3日目にはVCD(Visual Core Description)の残りを行いましたが、マルチセンサコアロガーによって測定された様々なデータや、CTスキャンの画像がコアの様子を説明する手助けになり、色々なことがつながりだすととてもおもしろく、時間を忘れてコアの観察をしていました。
そのVCDのなかで一番重要だと感じたことは、VCDのみでそのコアがどのような状態であったのか決める必要はないといわれたことでした。VCDのみで決めるのではなく、その様子からなるべく多くの可能性、候補を挙げ、さらに別の専門家の方がその可能性を絞る、ということを繰り返していき、コアが地中でどのような状態であったのかを決めていくのだそうです。私はこれまで、研究でなんでも自分で最終的な結果を求めてしまっていたので、この考え方は当然といえば当然なのですが、とても心に残りました。
最終的な発表もなんとか無事終えることができ、多くの優しい講師の方々には本当にお世話になりました。乗船前まで少し研究で迷っていた部分があったのですが、この経験からさらに前に進めそうです。最後に、このインターンシップのスタッフの方々、「ちきゅう」クルーの方々、何事にも丁寧に答えてくださった講師の方々、一番の若造である私にもとても友好的に接してくださった参加者の先輩方、本当にありがとうございました。
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村岡諭さん(東京大学海洋研究所)の一日
【勇猛心をもって】
今日も快晴。ヘリポートにてグループフォトを撮った。ヘリポートまでの行き方がわからない。わかるのは上にあるということだけ。何とかたどり着く。そう言えばすでに、案内してもらったサウナやジムの場所もわからなくなっているのだ。
Moisture & Densityを測るため、ピクノメーターの使い方を学ぶ。測ったデータをJ-Coesに送るとすぐにデータが計算されてくる。迅速ですごい、迅速すぎて、こちらがついて行けなくなるくらいだ。これで測定した密度とX線CTの解析から得たCT値とでグラフを作ると比例の相関があることがわかった。密度が大きいとCT値も大きくなるので、X線CT画像を見ることによって、堆積物が硬いか軟らかいが予想できることが頷けた。
午後に入り、コアの記載のまとめを行った。わずか径7cmのコアで議論することの難しさはあるものの、しっかりした記載があるほど、X線CTの情報や、物性データの情報が支えてくれ、より良い議論、考察に結びついていくのだ、ということを体験できた実習であった。
「ちきゅう」での生活も後半日、長期ではないから言えるかも知れないが、非常に楽しい生活だと感じる。食事はとてもおいしく、太る一方なのかもしれないが、ラボが実に清潔で充実した機器の数々で本当にすばらしい。惜しまれるのは最新と思われる偏光顕微鏡も備えられていたが、どう操作すれば良いかわからず、慣れた感じのものを使ってしまった自分である。
船を走らせたり、メンテナンスをしたり、ドリリングを行うことを始め、毎日のおいしい食事も、毎日居室をベッドメイキングも、清潔なラボが保たれていることもそうなのだが、大変多くの方が支えられての研究が行われているというのが「ちきゅう」での生活で最も感じたことではないかと思う。
実習では、研究計画を考えるというまとめがある。研究計画を考えることに取り組んだのは、初めてと言ってよいくらいで、計画など立てられないと思うところが本音になるだろう。しかし、この課題を通し、研究計画を困惑しながらでも考える中に、何でもチャレンジしたいという勇猛心も湧いてくるのだ。このチャレンジ精神と積極性を持って、また「ちきゅう」に乗れるようがんばりたい。
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