┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHIKYU MAIL NEWS 40号 2006/10/31   CHIKYU MAIL NEWSは、地球の謎に挑戦する   「ちきゅう」やIODPの最新情報、イベント告知   科学と技術に関する記事を皆様にお届けします。 CHIKYU HAKKEN WEB SITE http://www.jamstec.go.jp/chikyu/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ -------------------------------------------------- <目次> ◆【プレスリリース】下北半島東方沖掘削試験実施結果について ◆【掲載情報】「かがっきーず」で「ちきゅう」こどもニュース掲載中 -------------------------------------------------- ◆【プレスリリース】 地球深部探査船「ちきゅう」下北半島東方沖掘削試験について - 試験実施結果について - 平成18年10月27日 海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)所属の地球深部探査船 「ちきゅう」は、本年8月6日より82日間にわたる下北半島東方沖 (水深約1,200m)におけるシステム総合試験と操作慣熟訓練を実施し、 10月26日八戸港に入港しましたので、その結果を報告します。 1.主な試験状況について (1)システム総合試験について システム総合試験として実施を予定していた5項目(*1)については、 課題は一部残っているものの、概ね所期の目的が達成されました。 特に、水深1,000mを越える大水深において、ライザー掘削に必要な 一連の作業(大水深での噴出防止装置(以下BOP)の設置、ライザー パイプ・BOPの切離し・再結合、泥水循環等)を実施し、機能を確認 できたことは重要な成果と考えております。また、風速30m/秒に 達する暴風が長時間継続する荒天に遭遇した際、自動船位保持装置 が当初性能を発揮したことなど、「ちきゅう」の大水深科学掘削船として の基本性能が確認されました。なお、荒天等のため当初予定した作業 が変更されたことに伴い、残された課題については、来年9月開始予定 の国際運用前までに実施することとしています。 (*1)システム総合試験項目 (1) ライザーパイプ及びBOPの降下と海底面への設置 (2) ライザーパイプ・BOPの緊急離脱試験 (3) ケーシングパイプの設置とセメンチング (4) 「ちきゅう」コア採取システムの実海域試験 (5) 物理検層用ワイヤーラインのシステム検証 (2)掘削作業計画について 下北半島東方沖における掘削試験は、当該海域は例年11月以降 悪天候が続くことが予想され、当初から10月までの掘削試験を予定 していたところ、試験中の台風12、13、14号及び急激に発達した 低気圧による荒天に伴う作業の中断及び待避、10月7日に荒天待避 のために下部BOPからライザーパイプ及び上部BOPを緊急に切り離した 際に発生したBOP接合部の損傷、廃泥水処理装置のカッティングス 移送システムの不具合等により、当初見込んだ作業計画から遅れが 生じたため、予定の深度までの掘削することはできませんでした。 しかし、(1)のとおりシステム総合試験については概ね所期の目的を 達成しており、ライザー掘削を含む海底下647mまでの掘削を行いました。 (3)採取したコアの科学的意義について 本掘削試験においては、全長で365m分のコアの採取に成功しました。 これらコアのうち、最深部から採取された部分は、コアに含まれていた 火山灰と微化石の分析により約65万年前のものと推定され、河川の 運んだ粘土、砂、海洋のプランクトン、火山の噴出物等が堆積したものが 主体となっています。今回採取したコアには、年代同定の可能な広域 火山灰層(例えば阿蘇山起源の約9万年前(海底下約60m)の火山灰層)も 複数枚含んでおり、コアの正確な年代決定や、それに基づく東北地方の 気候変動記録などをこのコアから解読できる可能性があります。 2.今後の予定 「ちきゅう」は、海外掘削試験のための機器搭載作業が終了後、八戸港を 出港、次の行動である海外掘削試験(*2)のケニア沖に回航し、11月末に 試験海域到着を予定しています。 (*メールニュース追記:10月30日16時30分に八戸港を出港しました。) なお、カッティングス移送システムの不具合及びBOP接合部の損傷に ついては、八戸を出港してから海外掘削試験終了までの間に対応する 予定です。今後は、初めての掘削試験である下北半島東方沖での掘削 試験の内容を十分に評価するとともに、今回の試験で発生した機器の 故障を含む掘削試験の経験及びこれからの海外掘削試験により蓄積する 経験を活用し、必要に応じて「ちきゅう」の運用基準の見直し等を実施し、 来年9月に予定される熊野灘における IODPでの国際運用を万全に実施 できるよう取り組んでいきます。 (*2)海外掘削試験 国際運用開始前の試験運用期間中に出来る限りの掘削経験を積みつつ、 大深度科学掘削技術の構築及び我が国への掘削技術移転を目的として、 オーストラリアの資源開発会社(ウッドサイド社)からノルウェーの掘削 事業者(シードリル社)を経由して、当機構が受託し、ケニア沖及び オーストラリア沖において「ちきゅう」を用いて掘削作業を実施します。 掘削試験の写真など、詳細はウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0610/1027/index.html =-=-=-==-==-==-==-==-==-==-==-==-==-==-==-==-==-==-= ◆【掲載情報】こどものための科学のページ「かがっきーず」と 「ちきゅうキッズ」がコラボ。特集ニュースが掲載されています こどもたちの身の回りにある「不思議」や「疑問」を科学的な視点から 答えたり、刻々と進化しつつある科学技術に関するニュースを伝えている 「かがっきーず」(ソネットエンタテインメント株式会社提供)と、CDEXが お届けしている「ちきゅうキッズ」がコラボレーション。 「ちきゅう」のヒミツや地震の調査など、こどもたちにも分かりやすい 科学ニュースが掲載されています。ご家庭でもぜひお子様と一緒に ご覧ください。 〇こどものための科学のページ「かがっきーず」 http://www.so-net.ne.jp/kagaku/ 〇ちきゅうを楽しく学ぼう「ちきゅうキッズ」 http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/Kids/ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHIKYU MAIL NEWS 登録中の方にお送りしています。 購読の登録・中止はこちらから http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/mailnews/ CHIKYU HAKKENウェブサイトは、 地球深部探査船「ちきゅう」とその科学と技術に 関する情報の発信基地です。 http://www.jamstec.go.jp/chikyu/ 統合国際深海掘削計画(IODP)は、複数の科学掘削船を 用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動の解明 地震発生メカニズムの解明、地殻内生命の探求等を 目的として研究を行う国際研究協力プロジェクトです。 http://www.iodp.org/ 海洋研究開発機構地球深部探査センターは、IODP 日本実施機関として「ちきゅう」を運用しています。 発行元: 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC) 地球深部探査センター(CDEX) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛