┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHIKYU MAIL NEWS 41号 2006/11/29   CHIKYU MAIL NEWSは、地球の謎に挑戦する   「ちきゅう」やIODPの最新情報、イベント告知、   科学と技術に関する記事を皆様にお届けします。 CHIKYU HAKKEN WEB SITE http://www.jamstec.go.jp/chikyu/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ◆【IODPニュース】 海洋掘削航海 最先端の海洋科学研究を提案へ 2件の統合国際深海掘削計画(IODP)の記事が米国地球物理学 連合発行の出版物「Eos」11月21日号に掲載されています。 “Cold-Water Coral Mounds Revealed(冷たい深海のサンゴ礁が 明らかに)”は、IODP第307次研究航海「ポーキュパイン海盆に おける炭酸塩マウンドの形成過程の解明」の乗船研究者により 執筆されました。2つ目の記事、“Continental Break-Up and Sedimentary Basin Formation(大陸分裂と堆積盆地形成)”は、 スイスにて開催された「大陸分裂に関するIODPワークショップ (2006年9月15日-18日)」での議論について掲載されています。 「深海のサンゴ礁」の記事は、アイルランド西方150キロメートルの ポーキュパイン海盆で実施された研究航海について報告しています。 発達した炭酸塩マウンド群での掘削により、冷たい海のサンゴ礁の 地質試料を採取。分析によりマウント形状の発達に関する洞察や、 記録媒体として古気候の変動に関する推察が得られました。 本記事は、IODP第307次研究航海の科学者により報告されました。 日本からは共同首席研究者の狩野彰宏広島大学助教授をはじめ、 7名の研究者が乗船しました。本研究航海の詳細な情報は、 以下のウェブページでご覧いただけます。 http://iodp.tamu.edu/scienceops/expeditions/exp307.html 一方、15カ国(*)を代表する51名の著名な地球科学者が、スイスで 「大陸分裂に関するIODPワークショップ (2006年9月15日-18日)」を 開催し、「ちきゅう」をはじめ、統合国際深海掘削計画(IODP)の 提供する複数の新掘削プラットフォームを利用して、大陸分裂に伴う 地殻の裂け目の生成(リフティング)および大陸分裂に関する理解を 深めるためのグローバル戦略を検討しました。この記事は、東京大学 海洋研究所のミラード(マイク)コフィン教授、ライス大学(ヒューストン) のデール・ソイヤー教授、バーミンガム大学(英国)のティモシー・ レストン教授、カリフォルニア工科大学(パサデナ)のジョアン・ストック 教授が執筆しています。 大陸分裂に伴う地殻の裂け目の生成(リフティング)について、 科学者たちの理解はまださほど進んでいません。本稿をまとめた 一人であり同会議の共同議長であるマイク・コフィン教授は次のように 説明しています。「私たちはリフティングや分裂の原動力、この現象を 支配・随伴する造構造運動の過程についてまだ理解していません。 海底下で莫大な量のマグマが生成され、亀裂縁辺部から広い範囲に 勢いよく流れるメカニズムや、リフティングが起こる際、流動体や 揮発性物質がどんな役割を果たしているのかについて調査研究する 必要があります。また、リフティングに伴う熱収支についてもよく わかっていません」。そして「深海掘削のような総合的かつ多分野に わたるアプローチ以外に、これらのプロセスをより深く理解する方法 はないでしょう」と付け加えています。 今回提案された掘削プロポーザルには、(1) 西太平洋(パプアニュー ギニア近辺)およびカリフォルニア湾といった比較的初期の活発な リフティング活動が残されている海域での試料採取、(2) 大陸分裂に 伴う地殻の裂け目の生成(リフティング)に関連して起こるマグマの 生成や噴火のプロセスを調査するため、グリーンランドの東南沖、 ノルウェー、イギリス諸島、オーストラリア西部の沖合にある古代 大陸縁辺部の試料採取、(3) 南大西洋の広大な大陸海洋縁辺域、 イベリア半島沖合、ニューファウンドランド沿岸沖合における構造 変化の仮説検証などがあります。 大陸分裂に伴う地殻の裂け目の生成(リフティング)に関する研究に 参画する研究者は、来年4月、世界でもっとも意欲的な国際共同 研究プログラムである統合国際深海掘削計画(IODP)に掘削科学 提案を提出することになっています。IODPは固体地球における物質の 大循環と地殻動力学、地球環境の変化、その地球システムの変動 過程と変動のもたらす影響、および地殻内生物圏と海底下に広がる 「海」に関する研究をするため、科学的な深海掘削探査を行っています。 探査は科学者が提出した掘削プロポーザルに基づいて計画立案 されます。提出されたプロポーザルは4月1日と10月1日の年2回、 受理され、評価されます。 IODPは米国国立科学財団と日本の文部科学省から主に資金の 供給を受けています。その他、欧州深海掘削コンソーシアム、中国 科学院科学技術部、韓国地質資源研究院を通して韓国からの 支援も受けています。合計21カ国がIODPに参加しています。 IODPに関する詳しい情報はwww.iodp.orgをご覧ください。 (*)オーストラリア、ブラジル、中国、エチオピア、フランス、ドイツ、 ルクセンブルグ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、 スペイン、スイス、英国、米国 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHIKYU MAIL NEWS 登録中の方にお送りしています。 購読の登録・中止はこちらから http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/mailnews/ CHIKYU HAKKENウェブサイトは、 地球深部探査船「ちきゅう」とその科学と技術に 関する情報の発信基地です。 http://www.jamstec.go.jp/chikyu/ 統合国際深海掘削計画(IODP)は、複数の科学掘削船を 用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動の解明 地震発生メカニズムの解明、地殻内生命の探求等を 目的として研究を行う国際研究協力プロジェクトです。 http://www.iodp.org/ 海洋研究開発機構地球深部探査センターは、IODP 日本実施機関として「ちきゅう」を運用しています。 発行元: 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC) 地球深部探査センター(CDEX) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛