┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHIKYU MAIL NEWS 92号 2008/2/7   CHIKYU MAIL NEWSは、地球の謎に挑戦する   「ちきゅう」やIODPの最新情報、イベント情報   科学と技術に関する記事を皆様にお届けします。 CHIKYU HAKKEN WEB SITE http://www.jamstec.go.jp/chikyu/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ =================================================== 南海トラフ地震発生帯掘削計画ステージ1 IODP第316次研究航海ウィークリーレポート(第6-7週・最終週) 2008年2月5日 http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/Expedition/NantroSEIZE/exp316_wr6.html =================================================== 「ちきゅう」は1月26日にサイトC0008(NT2-10A)に移動しました。 黒潮が2-2.5ノットで流れる中、無人探査機(ROV)を使って海底に 音響測位装置を設置し、自動船位保持システム(DPS)で位置を 微調整しながら水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)と 伸縮式コア採取システム(ESCS)のドリルパイプ編成を組みたてました。 27日1時30分にドリルパイプが海底に達し、サイトC0008の掘削孔Aでの 掘削を開始しました。 最初のコア採取で海底面を含む6.93メートルのコアを回収しました。 続いて水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)と伸縮式コア採取 システム(ESCS)で、合わせて43本のコアを回収し、回収率は75.8%、 主な岩相は泥、砂、シルトの互層でした。この掘削孔では34本目の コア以後、掘削速度が急激に上がると同時に、回収率がほとんど 0%に落ちてしまいました。回収率を上げるために掘削作業や 掘削流体の量を変えたり、伸縮式コア採取システム(ESCS)から 水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)に戻したり、いろいろ 試みましたが、未固結の砂層区間でのコア採取は困難を極め、 最終的にこの掘削孔は完了することにしました。次の掘削孔として、 215メートル移動した地点での掘削をCDEXとIODP環境保護安全パネル (EPSP)に申請し、承認されました。 1月31日に掘削孔Aでの作業を完了し、次の掘削孔Bへと移動しました。 21時30分に掘削孔Bに到着し、21時35分に最初の水圧式ピストンコアを 打ち込みました。しかし海底面のコア回収に失敗したため、掘削孔Cに 移動しました。掘削孔Cでは海底面を含む5.51メートルのコア回収に 成功し、その後25 本、合わせて189.7メートル分のコアを水圧式 ピストンコア採取システム(HPCS)と伸縮式コア採取システム(ESCS) で回収しました。 これらの作業を行っている間に、掘削孔Aを利用して、打ち込む ピストンコアの長さを再検討しました。水圧式ピストンコア採取 システム(HPCS)で回収されたコアの底部分が、コア回収の際に 周囲から流入してきたと思われる大量の物質を吸収していたため、 コアの回収率が200%を超える(5メートル分打ち込んで、10.2メートル のコアが回収された)という問題が起きていました。しかしX線CT スキャンの画像と肉眼によるコアの記載により、実際には掘削データ には問題がなく、水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)の 貫入長を正しく記録していることがわかりました。そのため、 それぞれのコアの底部に流入してきた部分を記録し、深度変換機能 (D-Tunes)を使って、コアの深度データを登録しました。 水圧式ピストンコア採取システム(HPCS)が貫入しなくなり、また コアライナーの変形とコア内部の膨張が著しくなったため、コア採取 の編成を伸縮式コア採取システム(ESCS)に変更しました。しかし 伸縮式コア採取システム(ESCS)の最初のコアは良質ではなく、 これ以上コア採取するには適していませんでした。目標深度まで 到達し、この地点での科学目的は達成したため、掘削を完了する こととしました。その後、伸縮式コア採取システムのテストで、 3本のコアを回収し、良好な結果を得ることができました。 テストの結果については、X線CTスキャン、肉眼による記載、 化学分析データを含めて報告を行う予定になっています。 乗船研究者は、コアカッティングエリアで、間隙水、空隙ガスの サンプルを採取しています。続いて、X線CTスキャン、マルチセンサー コアロガーといった非破壊の計測と、柱状サンプルの採取、その後に 半裁したコアを使って肉眼による記載と物性計測(熱伝導率、含水率、 密度、P波速度、非抵抗など)を行っています。それらの作業が 終わってから、分析用の半割コアは古地磁気、物性、微化石、鉱物、 年代、土質工学、構造地質など研究目的に応じてサンプル採取し、 保存用の半割コアは、色調や画像をスキャンして保管庫に移しています。 2月2日20時35分にテストによるコア回収を最後に、掘削孔Cを完了し、 ドリルパイプの揚収を開始しました。揚収作業は2月3日の5時30分に終了し、 音響測位装置を回収した後、2月4日にちきゅうは新宮港に向けて出発しました。 第316次研究航海のレポートは、共同首席研究者の木村学と Elizabeth Screaton、CDEX船上代表の澤田郁郎と阿部剛、 そしてCDEX研究支援統括のDaniel Curewitzらが報告しました。 <今週の一枚> 「ちきゅう」から望む夜明け http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/Expedition/NantroSEIZE/exp316_wr6.html =================================================== 「ちきゅうメールニュース」では、IODP南海掘削の実施中、 船上から届くウィークリーレポートを配信してきました。 ◇船上の様子を写真で見るには? (第316次研究航海フォトギャラリーへ) http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/Expedition/NantroSEIZE/exp316_pg.html ◇購読をみんなに勧める! (メールニュース登録ページへ) http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/mailnews/index.html ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHIKYU MAIL NEWS 登録中の方にお送りしています。 購読の登録・中止はこちらから http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/mailnews/ CHIKYU HAKKENウェブサイトは、 地球深部探査船「ちきゅう」とその科学と技術に 関する情報の発信基地です。 http://www.jamstec.go.jp/chikyu/ 統合国際深海掘削計画(IODP)は、複数の科学掘削船を 用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動の解明 地震発生メカニズムの解明、地殻内生命の探求等を 目的として研究を行う国際研究協力プロジェクトです。 http://www.iodp.org/ 海洋研究開発機構地球深部探査センターは、IODP 日本実施機関として「ちきゅう」を運用しています。 発行元: 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC) 地球深部探査センター(CDEX) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛