┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHIKYU MAIL NEWS 124号 2009/3/4   CHIKYU MAIL NEWSは、地球の謎に挑戦する   「ちきゅう」やIODPの最新情報、イベント情報   科学と技術に関する記事を皆様にお届けします。 CHIKYU HAKKEN WEB SITE http://www.jamstec.go.jp/chikyu/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ================================================= 【プレスリリース】 IODP研究航海の開始について 赤道太平洋年代トランセクト掘削 (文部科学省発表2009年2月26日) http://www.j-desc.org/modules/tinyd2/rewrite/expeditions/equatorial_pacific.html ================================================= このたび、統合国際深海掘削計画(IODP)において、 赤道地域の過去の海洋環境の変化の解明を目的として、 下記のとおり、米国の提供する掘削船ジョイデス・ レゾリューション号が東太平洋の赤道域における研究航海を 行うことになりましたので、お知らせします。 この航海は、約2ヶ月間ずつ2回に分けて実施され、欧米の 参加者に加え、我が国から合計16名の研究者が参加する予定です。 なお、ジョイデス・レゾリューション号は、2006年9月より、 研究区画を中心とした改造を行う為に修理工事を行っておりましたが、 本年1月に修理を完了し、このたび、改造後初となる研究航海が 実施されることとなりました。 1.日程(現地時間): ○第1回航海 2009年3月5日米国ハワイ州ホノルルから出港 2009年5月5日米国ハワイ州ホノルルに入港 ○第2回航海 2009年5月5日米国ハワイ州ホノルルから出港 2009年6月23日 米国カリフォルニア州サンディエゴに入港 ○掘削場所:東太平洋の赤道域において掘削を実施 *気象条件や調査の進捗状況等によって変更する場合あり。 2.日本からの乗船者: 西 弘嗣(第1回航海共同首席研究者、北海道大学大学院 理学研究院准教授)をはじめ、日本から16名の研究者が参加する 予定です。詳しくは、J-DESCウェブサイトをご覧ください。 http://www.j-desc.org/modules/tinyd2/rewrite/expeditions/equatorial_pacific.html 3.研究の概要: 赤道太平洋における過去の海洋環境変動の解明 (航海名:Pacific Equatorial Age Transect (PEAT)) 地球の気候は、これまで温暖な時期と寒冷な時期を繰り返してきた。 約5千万年前までは両極に氷床の無い温暖な時期が続き、その後 南極の氷床の存在が確かめられている約3300万年前以降から 地球は寒冷になり始めたと考えられている。現在の地球温暖化の 原因とされている二酸化炭素濃度に関しては、4千万年前には 現在の3〜5倍、3千万年前には2倍もあり、ほぼ現在のレベルまで 減少したのは2千万年前以降であると考えられている。 太平洋は、数億年前から地球上の海洋の中でも面積・容積ともに 最大で、これまでの地球環境の変動に大きな影響を与えてきたと 考えられている。現在では、世界中の気候に影響を与える エルニーニョ現象が、太平洋の赤道域において発生している。 本研究航海では、このような過去の気候変動がどのような原因で 生じたのか、また、その時の太平洋の環境はどのように変化したのか を明らかにするため、赤道域における太平洋の深海底掘削に挑戦する。 2ヶ月程度の航海を2回実施し、赤道から北緯10 度にわたる 水深4,000〜5,000mの海域で、第1回航海で5地点、 第2回航海で3地点において、海底下100〜500mの 深さまで掘り抜く予定である。 掘削により得られた地質試料等の分析により、 1)過去の赤道域におけるプランクトン量の変化、 2)海水の温度変化、 3)海洋深層水の酸性化の変遷、 4)気候の変動に伴う海洋プランクトンの進化等 を解明することを目的としている。これにより、過去から現在まで 赤道地域の気候や環境、生物群集などがどのように変わって いったかが明らかとなり、環境変動に伴う地球の未来像を 描くときの貴重な情報を提供することが期待される。 4.その他 本研究航海について、乗船研究者がどのような船上研究生活を 送っているかなど、タイムリーな情報を日本地球掘削科学 コンソーシアム(J-DESC)のウェブページにて公開する予定です。 □IODP第320・321次研究航海 船上レポート〜赤道太平洋東部より〜 http://www.j-desc.org/m2/expeditions/report/320_321.html IODPは、海洋科学掘削船を用いて深海底を掘削することにより、 地球環境変動の解明、地震発生メカニズムの解明及び地殻内生命 の探求等を目的として研究を行う国際研究協力プロジェクトであり、 2003年10月1日より我が国と米国によって開始されました。 その後、欧州17カ国で構成される欧州海洋研究掘削コンソーシアム (ECORD)、中国及び韓国が参加し、国際的な推進体制が 構築されています。IODPでは、上記の米国掘削船ジョイデス・ レゾリューション号のほか、我が国が提供する地球深部探査船 「ちきゅう」、欧州が提供する特定任務掘削船の3船の掘削船を 用い、科学目標を達成するため戦略的かつ効果的に研究を行う こととしています。本年度は、IODPが開始されて以来、 初めて3船が同時に研究航海を実施する予定であり、多くの 科学成果が期待されます。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ CHIKYU MAIL NEWS 登録中の方にお送りしています。 購読の登録・中止はこちらから http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/mailnews/ CHIKYU HAKKENウェブサイトは、 地球深部探査船「ちきゅう」とその科学と技術に 関する情報の発信基地です。 http://www.jamstec.go.jp/chikyu/ 統合国際深海掘削計画(IODP)は、複数の科学掘削船を 用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動の解明 地震発生メカニズムの解明、地殻内生命の探求等を 目的として研究を行う国際研究協力プロジェクトです。 http://www.iodp.org/ 海洋研究開発機構地球深部探査センターは、IODP 日本実施機関として「ちきゅう」を運用しています。 発行元: 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC) 地球深部探査センター(CDEX) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛