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2005年11月26日
「ちきゅう」初のコア採取に成功!
「ちきゅう」は、2005年11月26日、来年予定している本格的な掘削試験に向けた調査として、下北半島から北東に約90kmの沖合で水圧式ピストンコアリングを実施、水深1,200mの海底下からコア(地層の柱状試料)の採取に成功しました。
これは「ちきゅう」として初めてのサンプル採取となります。
成果の詳細は
プレスリリース
をご覧ください。
11月17日(木)午前10時、「ちきゅう」は、サンプル採取地点を目指して八戸港八太郎岸壁を出港。正午の気温でも6℃と、外に出ると目が覚めるような寒さである。遠くに望める山々は雪で白い。船上スタッフは、システム統合試験と同時に、初のコアリングに向け、機器やデータシステムのセットアップに余念がない。
船上での操業には常に危険が潜んでいる。18日には総員退船訓練を実施。実際に救命ボートまで乗り込み、シートベルトの着用確認を行った。天候は安定し海況は良く、探査船はほとんど揺れない。「ちきゅう」は下北半島沖の水深1,200mサイトへ向けて進んでいく。
11月22日(火)晴れのち曇り
10:00
コアリング前最後の通船で、CDEXセンター長はじめ掘削スタッフ、ラボスタッフらが合流
15:00
キュレーター(サンプルの管理者)、乗船研究者、ラボスタッフは、採取されるサンプルの処理、分析手順等について夜遅くまで再確認
19:00
「ちきゅう」はコア採取地点へ進路を向ける。
24:00
コア採取地点に到着。船体はそのまま定点保持を開始
翌朝の時点で風速は10m/s、波高は1m。この程度の海況なら、船体の位置を約5m以内に安定させることが可能。夜には小雨が降り、風も15m/sまで強くなるが、全く影響はない。
11月23日(水)晴れのち曇り
07:30
スタッフは今日も朝から作業を開始。
パイプラッカーにエレベータを取り付け、ドリルパイプ重量を支える自動スリップ装置をセット
10:00
コア採取後の拡掘を行うコアビットを掘削装置に取り付け
13:00
コア編成(コアビットの上にコアバレル、ドリルカラーを接続したもの)を水深28mまで降下
15:00
ドリルパイプ用のサイズ調整金具を交換
18:00
コア編成は水深180mまで降下。
ラボスタッフは船上でスタンバイしている。
11月24日(木)曇り時々雨
08:00
コア編成を水深445mまで降下開始
ムーンプールにたくさんのサンマが泳いでいる。しかしもちろん、釣りは厳禁。船外活動ではヘルメット・安全靴・防護めがねの装着が必須である。
15:00
コア編成を水深1,180mまで降下
ハイドロリックラフネック(パイプなどを締めるまたは、弛める装置)の調整
16:00
HPS(循環や回転を行うための動力装置)の調整。
この時点でサンプル採取ポイントの海底面を確認、水深は1,215mである。
1,192mまで一旦ドリルパイプを揚管し、ポンプで海水を循環させる。
17:00
デリック上部でワイアーライン作業を行なう足場を準備、ワイアーライン周りの漏れ止めシールを取り外す。
船上・陸上スタッフの全員が、初コアを心待ちにしながら、チームは一つ一つ確実に準備を行っている。
11月25日(金)晴れのち曇り
07:30
外気温は終日10℃以下。
掘削スタッフによる船外活動は続く。
シンカーバー(インナーコアバレル上部に接続する錘)を降下、HPS内でストップさせる。
08:00
ワイアーラインBOP(暴噴防止装置)内をチェック
09:00
ドローワークスの空気圧をチェック、エア乾燥装置バルブの磨耗を発見し、エアードライヤーNo.2に切り替える。
14:00
ドリルパイプスタンドNo.30を組み立て、シンカーバーをHPS内に降下
15:30
インナーコアバレル(コアを採取する筒状の装置)を組み込む。
17:00
インナーバレルを降下するため、コアラインウィンチをセットアップ
今日は市山キャプテンの誕生日。夕食の合間に、ささやかな誕生会を開催。明日はいよいよコア採取である。
11月26日(土)曇り
06:00
コア採取当日の気温は摂氏8.9度、風速18.5m/s、海流は南南西に1.7 ノット
07:00
掘削スタッフは、現在の作業状況を再確認、コアリング作業にかかる。
08:00
インナーコアバレルにシンカーバーを接続
09:00
水深1,210mまでコアビットを降下、インナーバレルを1,125mまで降下、
突然、コアライン張力が急激に低下。張力700kgまでラインを巻き込む。
10:00
ワイアーライン周りを閉塞し、いよいよコアリングである。
ドリルパイプ内の圧力を上昇させ15.5Mpaでシアピンを切断、海底下にインナーコアバレルをショット!
成功!
10:40
海底下の地層に突き刺さったインナーコアバレルを船上に回収・分解する。
ドリルフロアからページングで「
Congratulation, first core on deck!(おめでとう!初めてのコアが揚がってきたぞ!)
」。
ラボでは皆が拍手喝采。1回目のサンプル回収率は105%。
ドリルフロアからのコンベヤでCore Cutting Areaへコアを運び込む。
センター長はコアを前にしてガッツポーズを繰り返し、体中で喜びを表現。
採取したコアは強烈な化学物質の臭いがし膨張が激しいため、すぐにドリルでコアライナーに穴を開ける。
開けた穴からは次々に「泥うどん」ができる。一本9.0mのコアを1.5mごとにセクション割りをし、ラボエリアにコアを運び込む。
コアはすぐにIDを付与、X線CTスキャナーにかけ、取得したイメージデータをJ-CORESで表示。
地層はほとんどがガスを含む緑灰色の泥層で、一部に砂質な部分を含んでいる。
有孔虫もたくさん入っている。
来年実施するライザーBOP設置のためのコンダクターパイプをジェットインさせるには絶好の岩相である。
この後4回のサンプル採取を実施し、合計5本のコア採取に成功。
ドリルフロア、ギャレー(食堂)を含め、皆、夜遅くまで働く。
どのコアもコアライナーの上端まで地層が詰まっており、サンプル回収率は全て100%近い。
初めて採取したコアとしては充分な結果である。
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