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2007年4月23日
第3回IODP成果報告会開催のお知らせ 一覧へ戻る

5月25日(金)に東京大学海洋研究所(東京都中野区)において、2005年に行われたIODPの研究航海の成果報告会を開催いたします。

統合国際深海掘削計画(IODP)において2005年4月から2005年10月にかけて、米国及び欧州の科学掘削船により大西洋及び太平洋において実施された4回の掘削航海の成果報告会を、下記のとおり開催いたします。

本報告会では、掘削航海に参加した我が国研究者から、掘削航海の調査概要と今後の研究について報告します。あわせて、地球深部探査船「ちきゅう」により本年秋から開始される予定の南海トラフ地震発生帯掘削計画に関する最新情報の報告も予定しています。

IODPは、科学掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動の解明、地震発生メカニズムの解明及び地殻内生命の探求等を目的として研究を行う国際研究協力プロジェクトであり、2003年10月より日本と米国によって開始されました。その後、欧州海洋研究掘削コンソーシアム(ECORD)、中国及び暫定アジアコンソーシアム(IAC)として韓国が参加し、現在、21カ国が参加する国際的な推進体制が構築されています。IODPでは、日本が提供する地球深部探査船「ちきゅう」のほか、米国が提供する科学掘削船、欧州が提供する特定任務掘削船(MSP)の複数の掘削船を用い、科学目標を達成するため戦略的かつ効果的に研究を行うこととしています。

arrow 日時: 平成19年5月25日(金)10:00から16:45
arrow 会場: 東京大学海洋研究所(東京都中野区南台1丁目15番1号)
http://www.ori.u-tokyo.ac.jp/
arrow 主催: 日本地球科学掘削コンソーシアム(J-DESC)
海洋研究開発機構(JAMSTEC)
東京大学海洋研究所(ORI)
arrow プログラム(PDFファイル:130KB)
arrow お問い合わせ: 第3回IODP成果報告会世話人
海洋研究開発機構地球内部変動研究センター 北里 洋
TEL: 046-867-9767 FAX: 046-867-9775
E-mail: kitazatoh@jamstec.go.jp

東京大学海洋研究所 白井正明
TEL: 03-5351-6549 FAX: 03-5351-6438
E-mail: shirai@ori.u-tokyo.ac.jp

 
  講演題目: ポーキュパイン海盆における炭酸塩マウンドの形成過程の解明:
IODP Expeditions 307 (航海期間:2005年4月26日-2005年5月31日)
  講演者: 狩野 彰宏(広島大学・大学院理学研究科)
  要旨: 冷たい海水に生息するサンゴは、光の届かない世界中の海底に数千体にもおよぶ「礁」を造る。 2005年4-5月に実施されたIODP第307次航海は、「深海サンゴ礁」を掘削する最初の試みであった。掘削の結果、北東大西洋の水深800mに発達するチャレンジャーマウンドは、厚さ150mに達し、無数のサンゴ片を含む細粒石灰質粘土からなることが示された。深海サンゴ群集は、中新統のシルト岩の上に、北半球氷河活動が強化した約2万7千年前に成立したものである。サンゴの繁殖に必要なのは、エサとなるプランクトンであり、それは表層水・中層水境界の比重勾配に濃集する。すなわち、寒冷化に伴い、サンゴの生育にとって好ましい海洋構造が成立したのである。深海サンゴ礁の成長は約2万年前に最大に達し、重要な炭素貯蔵庫(炭素タンク)になっていた可能性がある。今後の研究により、この新たな生命堆積体の起源と歴史に関する証拠が集められるだろう。本講演では、現在までに判明した調査結果を中心に報告する。
 
  講演題目: メキシコ湾における堆積物中の間隙水圧上昇機構および流体移動過程の解明:
IODP Expeditions 308 (航海期間:2005年5月31日-2005年7月10日)
  講演者: 布浦 拓郎(海洋研究開発機構)
  要旨: IODP第308次航海Gulf of Mexico, Hydrogeologyは、メキシコ湾大陸棚における堆積物中の過剰間隙水圧および流体移動プロセスの解明を目的として、掘削・現場計測(間隙水圧・温度・間隙率)が行われた。本航海では、高速に堆積した泥岩による過剰間隙水圧を解明するため、帯水層の上に透水性の低い巨大な地滑り岩帯が発達したUrsa地域で3カ所、さらに比較対象としてBrazos-Trinity地域において、海盆上の泥質層の厚さ、すなわち上載荷重の異なる3地点を掘削した。これまでに、詳細な堆積物の物性測定の他、間隙水、微生物等についての解析が進められた。航海後に実施されたポストクルーズ会議では、主に物理・堆積物学的な立場から議論が深められた。現在、更に詳細な解析が進められており、大陸斜面の安定性、堆積物内部での流体移動等を支配する要因が明らかになることが期待される。本講演では、航海概要と調査結果を報告する。
 
  講演題目: タヒチ島のサンゴ礁掘削試料に基づく南太平洋の過去2万年間の海洋環境の復元:
IODP Expeditions 310 (航海期間:2005年10月8日-2005年11月16日)
  講演者: 井龍 康文(東北大学・大学院理学研究科)
  要旨: IODP第310次航海Tahiti Expeditionは、ほぼ40年に及ぶ深海掘削計画史上初のサンゴ礁における浅層多孔掘削であり、地質学の歴史に残る記念碑的プロジェクトである。本航海の目的は、1) タヒチ島における後氷期の海水準上昇を復元し、高精度の海水準変動曲線を構築すること、2) タヒチ島における後氷期の海面水温変化を明らかにすること、3) 気候変動や海水準変動が礁形成に及ぼす影響を明らかにすることである。現在、11月にタヒチで行われる航海後第2回目のポストクルーズ会議を目指して、各国の研究者が、採取試料およびデータを精力的に分析・解析中である。現時点までに、1) タヒチでは後氷期の急速な海水準の上昇に伴って、海水が富栄養化かつ溶存酸素濃度が著しく低くなり、微生物岩が発達したこと、2) 現在から13,500-14,000年前に起きたとされている急激な海水準上昇(融氷イベント)であるMeltwater Pulse 1Aがタヒチでも追認されることなど、着々と成果が上がりつつある。本講演では、調査結果と現在の研究状況について報告する。
 
  講演題目: カスカディア付加体でのガスハイドレートの形成過程等に関する調査:
IODP Expeditions 311 (航海期間:2005年8月28日-2005年10月29日)
  講演者: 秋葉 文雄((有)珪藻ミニラボ)
  要旨:

IODP第311次航海Cascadia Margin Gas hydrateでは、カスカディア縁辺部北方の大陸斜面を南西―北東に横切る測線上の4地点(U1325、U1326、U1327およびU1329)、そして活発な流体とガスの流れを伴う冷湧水系での1地点(U1328)の掘削が実施された。その目的は、1)更新世のdistal turbidite(*)からなる付加体コンプレックスにおけるガスハイドレートの賦存状況の把握、および2)その形成機構の解明である。本航海の結果、従来の形成モデルを一部変更するような数多くの重要な成果が得られている。本航海の船上における成果については昨年10月に既にインターネット上で公開(Riedel. et al., 2006)されている。また、本年4月にパリにおいて開催された第2回ポストクルーズ会議では、古地磁気測定や微化石の追加分析などの新たなデータも追加され、それらの結果も含めた本航海の最終的な成果を各国の研究者がまとめつつある現状である。本講演では、それらの状況も含めて報告する。
(*)distal turbidite: 乱泥流堆積物(タービダイト)の末端部

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