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2009年3月26日
「南海掘削」ステージ1航海の研究成果を出版しました 一覧へ戻る
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IODPは、2007年9月から2008年2月にかけて実施した「南海トラフ地震発生帯掘削計画(NanTroSEIZE)」ステージ1航海の現時点までの成果取りまとめ、報告書として公表しました。IODPでは、各研究航海における科学的・技術的な成果を、コアの肉眼記載、写真などとあわせ、「IODP Proceedings」として、研究航海終了から約1年後に出版しています。報告書(英文)はIODPウェブサイトからオンラインで入手・閲覧いただけます。(ページ下部に日本語要約)

◆Proceedings of the Integrated Ocean Drilling Program Volume 314/315/316
NanTroSEIZE Stage 1: investigations of seismogenesis, Nankai Trough, Japan
http://dx.doi.org/10.2204/iodp.proc.314315316.2009

日本語要約

2007年9月から2008年2月にかけて実施した南海トラフ地震発生帯掘削計画(NanTroSEIZE)ステージ1では、Expedition 314、315、316の3航海を行い、前縁スラスト帯で2サイト(サイトC0006、0007)、巨大分岐断層帯で5サイト(サイトC0001、0003、0004、0005、0008)、前弧海盆で1サイト(サイトC0002)の計8サイトにおいて、コアリング及び検層(掘削同時検層:LWD)を行った。船上分析及び航海終了後の陸上研究により、付加体浅部及び分岐断層のテクトニックな特徴を明らかにする以下の様な予察的科学成果を得るに至った。

巨大分岐断層周辺の岩相、構造及び活動

主にナノ化石を用いて決められた年代に基づいて、付加体及び上部堆積層の形成史が明らかとなった。サイトC0004では、分岐断層を挟んだ層序の逆転(鮮新世から更新世)が確認され、反射法地震波探査等から予想されていた断層の衝上運動が実証された。また、全てのサイトに於いて、古い付加プリズムの上を若い斜面堆積物が覆っている様子が明らかになった。付加プリズムの年代は大局的には陸側に向かって古くなっている。斜面堆積物の厚さや年代はサイトごとにまちまちであり、堆積後に斜面崩壊ないしは削剥によって取り除かれた部分もあると考えられる。サイトC0002では、その上に更に800m以上の前弧海盆堆積層が載っているが、これらは150万年以降に急速に堆積したものである。これは分岐断層の活動により隆起した外縁隆起帯が、堆積物の堰の役割を果たした為であると解釈される。

応力分布

比抵抗イメージ検層を用いて、掘削時に孔壁に出来た展張割れ目がはっきりと捉えられ、その方向から水平面内の応力分布が求められた。前縁スラスト側の3サイトでは、北西-南東方向(トラフ軸に直交する方向)の圧縮場が、一方で、前弧海盆内のサイトでは同方向の展張場が確認された。興味深いのは、コア中の微小構造にはこれら現在の応力場と調和的な物質のみならず、異なる方向の古応力を記録したものも見つかった点である。これらは過去の断層活動史とそれに伴う広域応力場の変遷を読み解く上で有力な手掛かりを与える。

熱構造

コアリングを行った6サイトにおいて、孔内温度とコアの熱伝導率の測定を行い、地温勾配と熱流量を求めた。求められた地温勾配・熱流量はテクトニックセッティングによって幾分差があるものの、いずれも海底観測から推定される値よりも低かった。

ガスハイドレートとBSR

サイトC0002では反射法地震波探査によって海底下400m付近に明瞭なBSR(bottom simulating reflector)が確認されており、ガスハイドレートの存在が予測されていたが、検層の結果、BSRの上部200mの区間で、孔隙を充填したガスハイドレートの存在を示唆する結果が得られた。一方、コアリングではこの区間の殆どを掘り飛ばしており、本格的な研究は今後のステージに譲る事となった。

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