砂データ
分析データ
【河川名】馬淵川(まべちがわ)
【採取地】青森県福地村
【国 名】日本
【採取日時】2005年
【採取者】青森県立青森高等学校、青森南高等学校
      教員:2名/生徒:13名
【分析者】横山一己博士(国立科学博物館)
馬淵川
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新井田川と馬淵川は、岩手県北東部から青森県の東部にかけてほぼ平行して流れています。そのため流域の岩石は、ほぼ同じように堆積岩、緑色岩などジュラ紀の岩石が分布しています。河原の主な岩石は、砂岩、チャート、泥岩、緑色岩、結晶質石灰岩で、かこう岩が稀に見られます。新井田川と馬淵川の違いは、後者には火山岩が多く見られることです。

東北地方の地質図(PDF)(272KB)

東北地方の最近の火山灰(PDF)(1,000KB)

サンプル写真

馬淵川の岩石

馬淵川の岩石
偏光顕微鏡写真

新しい火山岩

(第四紀)
新しい火山岩新しい火山岩

古い火山岩

(弱い変成作用を受けている)
古い火山岩古い火山岩
砂の中の主要鉱物 砂全体(砂の中の主要鉱物)砂中には、火山ガラスや火山岩片が多くみられます。新井田川の主要な鉱物は、斜長石、石英、曹長石、輝石です。馬淵川では、同じ鉱物が見られますが、斜長石が他の鉱物よりはるかに多く見られます。この主要鉱物の違いは、流域の火山岩の分布によるものです。あきらかに火山起源ではない鉱物は、曹長石で、ジュラ紀の岩石から運ばれたものです。そのため、新井田川には、比較的多くの曹長石が観察されます。
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重鉱物

重鉱物

磁鉄鉱を除く重い鉱物では、両河川ともに斜方輝石と単斜輝石がもっとも多くみられます。これらの重鉱物の起源は、いずれも最近の火山灰によるものです。流域には、砂岩、緑色岩、かこう岩などが分布しますが、これらの中の重鉱物であるジルコン、モナズ石などは極めて少ないです。

斜方輝石の化学組成 馬淵川の斜方輝石の化学組成は、Mg値にバラツキがありますが、新井田川とほぼ同じような分布を示します。両者ともに、各種の火山灰が混ざっていることを示すものと思われます。
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馬淵川の斜方輝石

年代新井田川と馬淵川の砂にはモナズ石が極少量しか含まれませんが、少ない測定値からは、以下のようなことが推測されます。新井田川のモナズ石の年代には、3つのピークがあります(18億年代のものと2億年前後及び1億年前後)。18億年のものと2億年前後のモナズ石は、ジュラ紀の砂岩に含まれるものです。1億年前後のものは、ジュラ紀の地帯に貫入している白亜紀のかこう岩から運ばれてきたものです。馬淵川も新井田川と同じような年代分布を示しますが、馬淵川には、5千万年より若いモナズ石が含まれています。この若いモナズ石は、第三紀の火山岩分布地帯に見られる新しいかこう岩類から運ばれています。
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馬淵川のモナズ石の年代