開催授業

第16回野外授業を神奈川県酒匂川(さかわがわ)で開催しました

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2日目実習(10月30日(日))
本日は昨日訪れた場所、観察した岩石、採取した砂試料の復習から始まります。まず、昨日地図に書き忘れていた場所をしっかり見直ししました。

次に、河川敷で観察した、堆積岩、火成岩、変成岩を再度確認し直し、学校に保管されている別の場所から採取した岩石試料を分類してみます。

先生による答え合わせ。

深成岩と堆積岩はわかりやすかったですが、他の岩石はちょっと難しそうです。


いよいよその後は昨日採取した砂試料の観察です。まずは椀掛けしていない、砂からです。ほぼ初めて観察する鉱物たちに苦労します。

肉眼で見る砂とは違い、顕微鏡の中には鉱物が輝く別世界が広がります。


今度は、椀掛けした重鉱物の観察に移ります。

かんらん石、角閃石、斜方輝石を見分けますが、磁鉄鉱が多いので、磁石で取り除きました。

皆、熱心にスケッチします。

観察に疲れたら気分転換に、別の地域の砂など観察しました。場所によっていろいろな砂があるのですね。
午後は海洋コアの観察を行います。初めて見る深海の試料に皆興味津々です。

とはいっても、色も同じで、変化があまりピンときません。とりあえず、色や粒子の特徴を書き留めます。


次は、海洋コアの一部を顕微鏡で観察します。層順によって、化石が見えたり、火成岩の岩片が見えたりしました。
先生も深海堆積物鑑定に参加!珍しい堆積物の観察に地質屋の血がさわぐ(?)。
観察した深海堆積物たち。
河川敷の砂では見られない有孔虫。
火山灰に含まれる岩片(スコリア)。
最後に実習を通じて観察した内容と神奈川県の成り立ちについてまとめをおこないました。

昨日一番始めに見た地形は、神縄・国府津ー松田断層帯の一部で、これは現在のフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む境界部分と考えられています。現在の伊豆半島は、かつて本州の南にある海底火山でしたが、フィリピン海プレートの移動に伴って、本州に衝突して、現在の姿となっています。

酒匂川の北側にある丹沢山地は、元々は現在のフィリピン海プレートの一部として、800万年~600万年前にフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む境界部分でした。この地域は、日本列島に繰り返し火山が衝突を繰り返していることと、地球上で世界で唯一現在進行形の島弧−島弧衝突が起こっている場所として注目されています。

ずっと南から長い時間をかけて、島が日本列島に衝突した跡を観察してきました。動かないようにみえる地層でも、実は今も大きな地球の力で変化が起こっているのです。

講師コメント:
  • 野外実習では天気に恵まれ、高台から平野を見る事ができました。自分の身近な場所が、実は、大地がダイナミックに動いている現場である事を知って、酒匂川を見る目が変わったのではないでしょうか? 2日間、野外・屋内実習はとても内容がつまっていましたが、最後まで、皆よく集中してがんばりました。これからも折に触れて、地学の勉強を続けてくださいね。
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