岩石の種類
岩石の種類

岩石は大きく分けて、堆積岩、火成岩、変成岩に分類されます。
堆積岩とは、水中で(主として海中、まれに湖や河川敷などのこともある)砂や泥などが堆積したものが、長い時間をかけて押し固められて岩石になったものです。
火成岩は、マグマが冷え固まってできた岩石で、地上もしくは比較的浅い地下で固まった火山岩と、地下深い所で固まった深成岩に大別されます。
変成岩は、もともと堆積岩や火成岩であったものが、高温や高圧などの条件にさらされて、鉱物組み合わせや組織が変化したものです。
岩石の表面は、風化による変質や汚れで見にくくなっていることがよくあるので、鑑定の際にはハンマーなどで割った新鮮な面を観察するようにすると良いでしょう。

注意

ハンマーを使用する際には、周りに人がいないかよく確認しましょう。

注意

岩石用ハンマーのヘッドは片側が平らで反対側が尖っていますが、通常は平らな方の面で叩きます。

注意

岩石が割れた瞬間に小さなかけらが跳ねて飛ぶことがありますので、気をつけましょう。特に目に入ると危険なので、使用時には眼鏡をかけると良いでしょう(安全眼鏡=ゴーグルが有ればさらに良い)。また、頸動脈も同様に危険なので、首にもスカーフやタオルを巻いておくと安全です。

注意

岩石を割る際にはハンマーを持っていない方の手や足で、割ろうとする岩石を固定すると割りやすくなりますが、この時手足の指を叩かないよう、十分注意しましょう。万一叩いた時にダメージを最小限にする為に、手袋や、先端の硬い靴(安全靴など)を装着するようにしましょう。

注意

岩石を割るにはコツがあります。岩石の平らな面を上にして、その真ん中辺りにハンマーの角の部分を当てるような感じで鋭く振ると、比較的上手く割れます。

代表的な岩石

地殻を構成する岩石 堆積岩 砂岩、泥岩、礫岩、チャート石灰岩、凝灰岩
火成岩 火山岩 流紋岩、安山岩、玄武岩
深成岩 花崗岩、閃緑岩、ハンレイ岩
変成岩 片岩、片麻岩、角閃岩、緑色岩、
マントルを構成する岩石 カンラン岩

以下に、それぞれの代表的な岩石を紹介します。なお、文中に出てくる鉱物名については「代表的な鉱物の種類」の章を参照してください。

堆積岩
砂岩(さがん、英:sandstoneサンドストーン)

砂岩 砂が固まってできた岩石です。色は砂岩を構成する砂粒子の種類によって変わります。石英や長石が多い場合は白っぽく、火山岩など他の岩石の破片(岩片)が多く含まれている場合は灰色っぽくなります。

泥岩(でいがん、英:mudstoneマッドストーン)

泥が固まってできた岩石です。一般に黒っぽく、砂岩よりも緻密な組織を持っています。

礫岩(れきがん、英:conglomerateコングロメレイト)

礫(直径2 mm以上の粒子)が固まってできた岩石です。礫と礫の間は、泥や石灰質の微細粒子が充填して、接着剤の役割を果たしています。礫岩を構成する礫は、通常、角が取れて丸くなっていることが多いのですが、中には角張った礫で構成されているものもあり、これらは特に角礫岩(かくれきがん)と呼ばれます。

チャート(ちゃーと、英:chartチャート)

チャート ごく微細なシリカ(二酸化ケイ素:SiO2)が深海底で降り積もってできた岩石です。主にシリカの殻を持つプランクトンの死骸が降り積もって形成されます。非常に硬く、つるつるした表面が特徴的です。玉砂利などによく利用されています。シリカ自体は無色ですが、シリカと共に含まれる微量な不純物によって赤、緑、灰黒、などさまざまな色のチャートができます。

石灰岩(せっかいがん、英:limestoneライムストーン)

石灰岩 炭酸カルシウム(CaCO3)が浅海底で降り積もってできた岩石です。主に、炭酸カルシウムの殻を持つプランクトンの死骸が降り積もって形成されます。珊瑚礁などは石灰岩の典型です。純粋な炭酸カルシウムのみでできているものは白〜象牙色(ややピンクがかることもあり)ですが、砂などの不純物がある程度混じると灰色になります。鉄より柔らかいので、ナイフや釘などの鋭利な金属片で引っかくと傷をつけることができます。また、塩酸やクエン酸(レモン汁等)をかけるとシュワシュワと二酸化炭素の泡を出しながら溶けることでも他の岩石と容易に見分けられます。

凝灰岩(ぎょうかいがん、英:tuffタフ)

凝灰岩 降り積もった火山灰が押し固められてできた岩石で、その意味では火成岩と堆積岩の中間的な性格を持つ岩石と言えます。基本的には白っぽいものが多いですが、火山灰の種類や変質によって様々な色のものができます。岩石が形成される過程で、火山灰同士の間にあった空気・ガス成分が抜けた跡である孔が多く空いていることもあります。表面がガサガサした感じで、低密度であるのが特徴です。

火成岩

火山岩と深成岩は組織で区別されます。火山岩は急冷されてできたため、細粒な基質(石基)の中に、比較的早い時期にマグマから結晶化した一部の鉱物結晶(班晶)が浮いているような組織(斑状組織)が特徴的です。石によっては、班晶が全く認められないものもあります。深成岩は、地下深い所でゆっくりと冷え固まったため、すべての鉱物が大きく成長している(等粒状組織)のが特徴です。また、火山岩、深成岩それぞれについて、化学組成(シリカの含有量)によって、酸性岩、中性岩、苦鉄質岩に分類され、この順にシリカの含有量は少なくなります。また、色はシリカの含有量が多いほど白く、少なくなると黒に近づきます。この色の変化は,色指数(しきしすう)いう数値で表すこともできます。色指数とは、岩石に含まれる有色鉱物の体積比を表したもので、黒い岩石ほど値が大きく、白い石ほど小さくなります。

火成岩の分類
  酸性岩 中性岩 苦鉄質岩
SiO2含有量 (wt%) >66 66-52 <52
色指数 <10 10-35 >35
火山岩 流紋岩 安山岩 玄武岩
深成岩 花崗岩 閃緑岩 ハンレイ岩
Cross-polarizing microscope photographs of typical structures of volcanic rock (left) and plutonic rock (right)

火山岩(左)と深成岩(右)の代表的な組織を示す偏光顕微鏡写真

火成岩>火山岩
流紋岩(りゅうもんがん、英:rhyoliteライオライト)

シリカの多い火山岩で、基本的に白色〜明灰色です。造岩鉱物は石英と斜長石が多く、他に角閃石などの有色鉱物が点々と認められることがあります。表面はガサガサした感じのことが多く、マグマが冷え固まる際にガスが抜けた跡である小さな穴が認められることもあります。

安山岩(あんざんがん、英:andesiteアンデサイト)

シリカが中程度に含まれる灰色の火山岩で、日本のようなプレートの沈み込み帯には最も普通に存在する火山岩です。造岩鉱物として、石英、斜長石、輝石、角閃石、黒雲母、まれにカンラン石を含みます。

玄武岩(げんぶがん、英:basaltバサルト)

玄武岩 シリカの少ない火山岩で、新鮮なものは黒に近い色をしていますが、風化や変質によって緑色や茶色などに変色することもあります。石英を含まず、輝石(単斜輝石もしくは単斜輝石と斜方輝石)と斜長石が主な構成鉱物で、カンラン石を含むものもあります。

火成岩>深成岩
花崗岩(かこうがん、英:graniteグラニット)

花崗岩 石英と長石(斜長石、カリ長石、またはその両方)を主体とする深成岩で、その他に雲母(黒雲母、白雲母、またはその両方)や角閃石、磁鉄鉱などを含んでいることが多いです。みかげ石とも呼ばれ、建材や墓石などによく使われています。

閃緑岩(せんりょくがん、英:dioriteダイオライト)

花崗岩とハンレイ岩の中間的な化学組成を持つ深成岩で、主に斜長石、角閃石、輝石(単斜輝石、斜方輝石)、黒雲母と少量の石英を含みます。有色鉱物は輝石よりも角閃石が多いのが特徴で、この点でハンレイ岩と区別できます。比較的石英を多く含むものは、石英閃緑岩と呼ばれます。

ハンレイ岩(はんれいがん、英:gabbroガブロ)

主に輝石(単斜輝石もしくは単斜輝石と斜方輝石)と斜長石からなる深成岩です。石英を含まないので、白色鉱物はすべて斜長石です。黒っぽい輝石類と、白っぽい斜長石がごま塩状に見えることがよくあります。その他に角閃石やカンラン石を含むものもあります。

変成岩

鉱物には安定に存在できる温度・圧力の範囲があります。身近な例を挙げれば、ダイヤモンドと石墨(せきぼく・グラファイト)は共に炭素のみからなる鉱物ですが、高圧ではダイヤモンドが、低圧では石墨が、それぞれ安定な鉱物です。岩石が形成時と大きく異なる温度・圧力状態に置かれた場合に、岩石を構成する鉱物の種類が、その温度・圧力で安定なものに変化する現象を変成作用と呼び、こうしてできた岩石を変成岩と呼びます。

片岩(へんがん、英:schistシスト)

地下の深い所で大きな力を受けて変形を伴いながら変成されたために、ペラペラと剥がれやすいシート状の構造を持つようになった岩石のことを片岩(へんがん)と呼びます。片岩には原岩の名前を冠して、例えば原岩が砂岩であれば砂質片岩(さしつへんがん)、泥岩であれば泥質片岩(でいしつへんがん)のように呼びます。原岩が玄武岩の場合のみ、緑色片岩(りょくしょくへんがん)と呼ばれます。シート状に剥がれやすいのは、雲母や緑泥石(りょくでいせき)のようなシート状鉱物が多く含まれ、これらが面状に並んでいるためです。

片麻岩(へんまがん、英:gneissナイス)

片岩同様、強い面構造を持った岩石ですが、片岩より粗粒であるため、片岩ほど剥がれやすくはありません。片岩より高温(> 600℃)で変成作用を受けたため、鉱物が大きく成長しており、雲母やザクロ石などが肉眼で確認できることが多いです。

角閃岩(かくせんがん、英:amphiboliteアンフィボライト)

角閃岩 玄武岩やハンレイ岩を原岩とする変成岩で、ほとんど角閃石と斜長石から構成されます。深緑色の硬い岩石で、片岩や片麻岩のような構造を持たないのが特徴です。

緑色岩(りょくしょくがん、英:greenstoneグリーンストン)

緑色岩 緑色片岩に似ていますが、面構造を持たないものを緑色岩と呼びます。緑レン石(りょくれんせき)の黄緑色と、緑泥石の深緑色の織りなす斑模様が特徴的です。

その他の岩石
カンラン岩(かんらんがん、英:peridotiteペリドタイト)

上に挙げた岩石はすべて地殻の岩石ですが、カンラン岩はマントルを構成する主要な岩石です。そのため地表に露出することは稀で、特殊な地域にしか分布しません。カンラン岩、主にカンラン石と輝石が構成しており、斜長石やスピネルを含んでいることもあります。色はカンラン石の色を反映した明るい緑色をしています。粗粒であるために、一つ一つの鉱物がはっきり肉眼で確認できることが多いです。カンラン石は変質に弱く、変質すると蛇紋石(じゃもんせき)という鉱物になります。カンラン岩が変質した結果できた、ほぼ蛇紋石だけからなる岩石を蛇紋岩(じゃもんがん)と呼びます。

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