
1983年日本海中部地震震源域での探査
ひずみ集中帯の一部を成している日本海東縁の秋田県沖では、1983年(昭和58年)5月26日正午頃に気象庁マグニチュード7.7の地震が発生しました(1983年日本海中部地震)。被害は秋田県を中心に青森県、北海道の近隣県で多く生じ、さらにこの地震の津波によって島根県などの遠方の日本海沿岸まで被害が及びました。
1983年日本海中部地震の発生メカニズムを知るためには、震源域下や近傍の詳細な地下構造を知ることは重要です。そこで、1983年日本海中部地震震源域下や近傍において地震探査(マルチチャンネル反射法と海底地震計を用いた屈折法探査)を実施し、その結果、下図のような地下構造が明らかになりました。右上の反射法探査の結果から、東傾斜の逆断層を伴った背斜(強い力で押されて地層が大きく曲げられた構造)が明らかになり、地殻内には断層と思われる反射面が見ることができます。一方、下の海底地震計を用いた探査から得られたP波速度構造から、これまでの研究で過去に大きな地震が発生していない日本海盆域の薄い地殻が日本列島に向かって徐々に厚くなり、日本海中部地震震源域付近で急激に厚くなり、また速度も大きく変わっています。
今後、日本海東縁の地下構造を明らかにし、ひずみ集中帯の地震発生メカニズムの解明に役立てていく予定です。