
2008年5月12日6時28分(UTC, 日本時間12日15時28分)に中国四川省でマグニチュード7.8(USGS)の地震が発生しました(図1)。遠地実体波を用いた震源破壊過程の解析結果を報告致します。
図1 本震の発生位置(赤色星印)と過去100年間に発生したM7以上の地震の分布(黄色星印)。緑線はプレート境界。
・データ
IFREE OHP 及びIRIS 広帯域地震計で記録された波形データ(47 観測点)を使いました。
観測点分布を図2 に示します。
図2 解析で使用した観測点の分布。紫色三角印はIFREE OHP観測点、黄色三角印はIRIS観測点。
・解析結果
地震モーメント: 1.2×10**21 Nm
モーメントマグニチュード: 8.0
断層のサイズ: 320 km × 30 km
深さ:12 km
(走向,傾斜角,すべり角):(229, 33, 138)
破壊継続時間: 110 s
最大すべり量: 9.3 m
断層面におけるすべり分布、震源時間関数、メカニズム解を図3に示します。メカニズムは逆断層型で、破壊開始点から北東側へ破壊が進展したと思われます。観測波形(図4黒線)を見ると、震源から見て北東側の観測点は複数のフェイズが混じったような複雑な波形となっており、一方西側の観測点ではややシンプルな波形をしています。震源付近の構造の影響の可能性もありますが、破壊が北東側へ進展したことを反映しているのかもしれません。
図3 断層面上のすべり分布(上図)、震源時間関数(左下図)、メカニズム解(右下図)。すべり量のコンターは1.5 m毎に表示。
図4 観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較。青文字は震源から見た観測点の方位。
図5 余震分布とすべり分布の位置関係及び周辺の地形。紫色丸印は本震発生から1日以内、青色丸印は1 日以降の余震分布。
(上記結果はその後の解析で変更されることがあります)