
2010年2月27日6時34分(UTC)にチリでマグニチュード8.8(USGS)の地震が発生しました(図1)。遠地実体波を用いた震源破壊過程の解析結果を報告致します。
図1 本震(赤色星印)及び余震(青丸印)の発生位置と周辺で過去100年間に発生したM7以上の地震の分布(黄色星印)。
・データ
IRIS広帯域地震計で記録された波形データ(14観測点)を使いました。観測点分布を図2に示します。
図2 解析で使用した観測点(黄色三角印)の分布。
・解析結果
地震モーメント: 1.6×10**22 Nm
モーメントマグニチュード: 8.7
断層のサイズ: 140 km × 510 km
深さ:35 km
(走向,傾斜角,すべり角):(18, 18, 140)
破壊継続時間: 約100 s
最大すべり量: 15.0 m
断層面におけるすべり分布、震源時間関数、メカニズム解を図3に示します。メカニズムは逆断層型です。破壊はプレート境界の深い場所で始まり、震源付近とそのやや北側の浅い場所に大きなすべり領域があります。
図3 断層面上のすべり分布(上図)、震源時間関数(左下図)、メカニズム解(右下図)。すべり量のコンターは3 m毎に表示。
図4 観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較。
・津波の伝播について
海底に設置した水圧計で観測した波形を図5(黒線)に示します。また、震源モデル(図3)を基に推定した津波の波形を図5(赤線)、波動伝播を図6に示します。観測及びシミュレーション(ともに100-2000秒の帯域)により、沖合いに設置されている釧路及び室戸観測点で約10 cm弱、相模湾に設置されている初島観測点で約20 cm弱の変動量があったことが分かります。
図5 水圧計で観測した海洋変動による波形(黒線)と震源モデルを基に求めた波形(赤線)。
左から、釧路観測点・初島観測点・室戸観測点。100-2000秒のフィルター処理後の波形。
図6 震源モデルを基にシミュレーションした津波の波動伝播。
(上記結果はその後の解析で変更されることがあります)
・リンク
独立行政法人海洋研究開発機構 海底ケーブルデータセンター
http://www.jamstec.go.jp/scdc/top_j.html