
2011年3月11日14時46分(JST)に三陸沖で「マグニチュード9.1」※1の地震が発生しました(図1)。海域で観測した津波波形と震源断層についての暫定的な解析結果を御報告致します。
図1 「地震の震央(黄色星印)とそのメカニズム」※1、JAMSTEC DONET観測点及び釧路・初島・室戸ケーブル式観測点の位置(赤色三角印)。黄色線は地表面もしくは海底面におけるプレート境界位置を示す。
「地震の発生位置とメカニズム」※1を図1に示します。震源の深さは約20kmであり、震源のメカニズムとその規模から、北米プレートと太平洋プレートの境界で発生したプレート境界型地震と考えられます。震源から見て北側の海域にはJAMSTEC 釧路ケーブル式観測点、南西側にはDONET観測点、及び初島・室戸ケーブル式観測点があり、沿岸から離れた沖合で地震波や津波の到来による水圧変動を観測しています。DONET観測点で記録された地震波形データを図2、DONET観測点及び各地のケーブル式観測点で記録された水圧変動を水位に換算した波形データを図3、4に示します。
観測した水圧変動の到達時刻を基に、各観測点から津波の伝播をシミュレーションすることで(逆伝播解析)、津波の波源域がおおよそどの範囲まで広がっているのか、推定することができます。図5にその推定結果を示します。津波の波源域が南北方向に450km以上伸びており、非常に大きなサイズを持つ震源断層であることが分かります。このため、大きな規模を持つ余震や誘発地震が広い範囲にわたって発生することが予想され、今後も引き続き、安全の確保に努めることが重要です。
※1:Global CMT Project による解
図2 紀伊半島沖DONETシステムの強震計で観測した加速度上下動成分の波形。横軸の0値は地震発生時刻を示し、地震発生から約100 秒後に地震波が到着していたことが分かる。
図3 紀伊半島沖DONETシステムの水圧計で観測した水圧変動波形。100-10000秒のフィルター処理を施し、水位変化に換算して表示している。横軸の0値は地震発生時刻を示し、地震発生直後に地震波、そして約1時間後に津波が到来していたことが分かる。
図4 釧路・初島・室戸ケーブルシステムの水圧計で観測した水圧変動波形。100-10000秒のフィルター処理を施し、水位変化に換算して表示している。
図5 津波逆伝搬解析による津波波源域の推定。海溝軸方向における長さは450kmを超えている。赤線はJAMSTEC水圧計データの解析に基づく津波波面。観測点名隣の数字は津波走時(単位:分)を示す。
(上記結果はその後の解析で変更されることがあります)
・リンク
独立行政法人海洋研究開発機構 地震津波・防災研究プロジェクト
http://www.jamstec.go.jp/donet/j/index.html