連動条件評価のためのシミュレーション研究
断層やプレート境界に応力や摩擦特性などの不均一性がある場合、断層は複数のセグメントに分割でき、これら複数セグメントが同時に破壊される場合(連動破壊)、時間遅れを伴って破壊される場合、単独で破壊される場合などがある。複数セグメントがどのように破壊されるかは単純ではなく、たとえば、東海、東南海、南海のセグメントがどのように破壊されるかについて、明確な規則性は見つかっていない。本研究では、断層が複数セグメントに分かれている場合、これらセグメントがどのように破壊されるかを数値シミュレーションにより検討する。現時点で可能なことは、どのような状況であればどのような破壊になるか、ということを調べることである。現実のプレート境界の状況などが十分な精度でわかっていないため、南海トラフで次に発生する地震がどのようなものになるかについて予測するのは難しいことは注意する必要がある。
プレート境界の地震発生サイクルシミュレーションモデル開発
東南海・南海地震の動的破壊過程のシミュレーションを行った。GPSデータからプレート境界のすべり遅れ速度分布を推定し、これが前回の巨大地震(1944年東南海地震、1946年南海地震)から継続しているものと仮定すれば、プレート境界面でのすべり遅れ蓄積量が推定できる。さらに、これからプレート境界面でのせん断応力分布を推定することができる。このせん断応力分布を初期条件として、摩擦特性の分布や初期破壊を適切に仮定することにより、東南海地震・南海地震の動的破壊過程の数値シミュレーションを行った。同じ初期応力分布を仮定しても、破壊開始点の位置により、東南海・南海の連動破壊になったり、単独の破壊で終わってしまう場合など、発生する地震は異なる性質をもつことが明らかになった。これは、地震性すべりによる応力が破壊過程に影響を及ぼすためである。
(b) (a)から計算されたプレート境界面のせん断応力分布。






