文部科学省委託事業

東海・東南海・南海地震の連動性評価研究

地震に強い社会をめざして。防災分野が連携して、東海・東南海・南海地震の連動発生を評価します。

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南海トラフ域海域地震探査・地震観測

独立行政法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)

目的:連動型巨大地震発生評価に必要な地震発生帯の物理モデルの高度化のための南海トラフ地震発生帯のプレート形状、およびプレート境界物性の把握

南海トラフ域海域地震探査・地震観測

調査・観測

  1. 人工地震探査: プレート境界の形状把握,詳細な2次元構造推定
  2. 自然地震観測: 深部・広域の3 次元速度不均質構造の把握

成果

  1. 日向灘(九州パラオ海嶺)から四国沖に沈み込むフィリピン海
    プレートの構造変化と「遷移帯」の存在
  2. 1946 年南海地震滑り域と対応する上盤プレート地殻構造変化
  3. 四国沖から紀伊水道における深部低周波微動発生域の構造特定
  4. プレート境界形状モデルの構築と可視化
2001年-2009年の深部低周波微動
2001年-2009年の深部低周波微動
地震探査・観測のしくみ
地震探査・観測のしくみ

1.日向灘〜四国沖に沈み込むフィリピン海プレートの構造変化

沈み込むフィリピン海プレート地殻

  • 日向灘南西部:厚い地殻を持つ九州パラオ海嶺
  • 日向灘北東部:海洋性地殻の薄い「遷移帯」の存在
  • 四国沖:南海トラフ海洋地殻

「遷移帯」の西端が1968 年日向灘地震の滑り域西縁と一致

プレート境界より10 km 深い位置の速度

  • 低速度域→沈み込む九州パラオ海嶺の地殻に相当
  • 構造探査による九州パラオ海嶺の位置と一致

深さ0-20km における短波長速度不均質

・九州パラオ海嶺が沈み込む部分(青線内)に速度不均質の強い(赤い)領域

沈み込むフィリピン海プレート地殻
沈み込むフィリピン海プレート地殻
沈み込むフィリピン海プレート地殻
沈み込むフィリピン海プレート地殻
(左)プレート境界より10km深い位置の速度
(左)プレート境界より10km深い位置の速度
(右)深さ0-20kmにおける短波長速度不均質

2.日向灘〜四国沖の上盤プレート構造変化

【R01_2】日向灘~四国沖の南海トラフで上側のプレート「ユーラシアプレート」の構造も分かって来ました。フィリピン海プレートが沈み込む際、フィリピン海プレートの上にある堆積物が掃き取られ陸側に付加した「付加体」が、足摺岬より西側では古い付加体(>6km/s)の海洋境界と1968年日向灘・1946年南海地震の滑り域の上限が一致。また、室戸岬より東側では古い付加体(>5km/s)の海側境界と1944年東南海・1946年南海地震の滑り域上限が一致することが分かりました。

付加体の海側境界分布
付加体の海側境界分布
1968年日向灘地震滑り域と1946年南海地震の大滑り域
1968年日向灘地震滑り域と1946年南海地震の大滑り域

3.四国沖〜紀伊水道の沈み込むプレート周辺の深部構造

【R01_3】四国沖~紀伊半島にかけて沈み込むフィリピン海プレートの、深い部分の構造も明らかになりました。
九州および四国中部(HY01, SK01) 島弧モホ面と沈み込むプレートの接合部
・四国西部(SK04) → 島弧モホ面接合部より浅いプレート境界(上盤がマントルではない)
モホ面の深さ変化 では、
・日向灘および四国沖(HY01,SK04,SK01):深さ35-40 km程度
・紀伊水道(TK02):深さ約20 kmに島弧モホ面相当の強反射面
が明らかになりました。このことは、 深部低周波微動が紀伊水道で発生していないことと関連するのではないかと推察されます。

深部低周波微動現象発生域の構造
深部低周波微動現象発生域の構造

4.プレート境界形状モデルの構築

【R01_4】このような調査・観測結果を元に、プレート境界面の形状および滑り込みの速度などを考慮した3次元モデルを構築し、シミュレーション研究への提供、活用を行なっていきます。

3次元モデルの構築及び可視化には Landmark DecisionSpaceDesktopを使用
3次元モデルの構築及び可視化には Landmark DecisionSpaceDesktopを使用