地表面の日射量とその観測方法

日射量とは、ある表面(大気上端、地表面など)の単位面積が単位時間に受け取る太陽の放射エネルギーの量です。大気上端の日射量は太陽と地球の位置関係で決まるため、同じ緯度、同じ季節ならば経度による違いはありません(図1)。地表面の日射量は、大気上端の日射量が雲による反射、水蒸気・酸素分子・二酸化炭素などによる吸収、浮遊微粒子(エアロゾル)による散乱などを受けてから地表面に到達する日射量です。これらの影響は地域によって違うため、地表面の日射量の大きさも地域ごとに異なります。

地表面の日射量の測定には、さまざまな日射計が用いられます。よく使われているのは全天日射計で、半球型のドームの中に水平の白色(日射量をほとんど反射)と黒色(日射量をほとんど吸収)の受光部を並べ、これら受光部の間の温度差の測定によって換算式で日射量を得ています。受光部は小さいので、正しい日射量を測定するために受光部を水平に保つこと、および受光部を覆うドームの透明さを維持することが重要です。

最も簡単な方法は、一日の日照りの長さを示す日照時間の測定による日射量の推定です。快晴日の可照時間は緯度によって求められ、この時間と観測した日照時間の比を日照率と呼びます。日照率によって日射量が推定できます。アジアでは日照時間の観測の歴史は長く、東京では1891年から観測されています。中国のほとんどの地域では日照時間の観測は50年以上継続しています。日照時間の観測は簡単で、電源がなくても観測できます。
図1は大気上端の日射量(3月の月平均値)。太陽と地球の幾何学的関係にもとづく計算値で、太陽定数は1365 W/m2としました。大気上端の日射量が緯度とは関係するが経度とは関係しないことが分かります。

図1.大気上端の日射量

図2は中国で使用されているジョルダン日照計(Jordan Sunshine Recorder)です。金属筒の側面に小さなピンホールが空き、筒の中には写真感光紙を置いてあります。感光紙上にピンホールからの日光によって焼かれた像を記録します。これによって、日照時間を読み取ることができます。

図2.ジョルダン日照計

図3はベトナムで使用されているカンベル日照計(Campbell-Stokes Sunshine Recorder)です。直径約10cmの透明なガラス球の焦点面に記録紙を置き、太陽光により焼かれた部分の長さから日照時間を測定するものです。

図3.カンベル日照計

情報提供:徐 健青・赤坂郁美・増田耕一