「地球観測データの科学的・社会的に有用な情報への変換に関する開発研究」課題のうち、海洋研究開発機構の担当する課題で作成した下記の統合・解析プロダクトとその応用例について紹介します。
海洋再解析プロダクト

海洋の状態を知るためには、水温や塩分などを何度も観測して、空間分布を刻々と捉えることが必要です。しかし、観測できる回数は限られており、観測データをそのままならべても、時間的にも空間的にもまばらな絵になってしまいます。データ同化という方法を使って、このようなデータのギャップ を埋めて海洋の連続的な動きを捉えることができます。それは、海洋シミュレーションモデルの計算条件を観測データに合うように調整することで実現します。
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氷河インベントリ

今まで、ユーラシア大陸の中央部・モンゴルの氷河については詳しい調査が行われておらず、氷河インベントリの空白地域であった。この空隙を埋めるため、ロシアとの国境に位置するアルタイ山脈の氷河について、現地観測や地形図、衛星観測をもとにインベントリを作成した。なお、この解析からモンゴル側では過去50年で氷河面積が約30%減少したことが明らかになった。
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ユーラシアにおける水文プロセス

ユーラシア大陸寒冷圏における温暖化の進行を明らかにするためには、永久凍土や氷河の融解量を定量的に把握することが重要である。北極海に流れ込む大河川の一つであるレナ川流域に着目し、積雪水量、土壌水分量、融解深・氷量、蒸発散量、河川流量を統合的に解析した結果、この地域の降水量の増加と活動層が深くなることによる土壌水分の増大が河川流量の増加に関係していることが明らかになった。
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レーダー・雨量計統合降水量データ

2種類の観測値を統合することで、レーダー単独よりも降水量の見積りが正確で、雨量計単独よりも空間分布が詳しいという、両方の観測の特徴をあわせもつデータの作成を目指す。
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アジア域の格子点降水量データ

アジアモンスーン域では、降水(雨や雪)の量に大きな季節変化がみられる。このデータセットによって、アジアモンスーン域のうちの北半球各地の降水量の季節変化の特徴を知ることができる。
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20世紀前半の台風経路データセット

このデータセットは「フィリピン気象月報」の情報を活用して作成された。従来のデータセットにはない、20世紀前半の西部北太平洋域における1日ごとの台風経路や発生数を把握することができる。これにより、100年以上に渡って長期的に北西太平洋域における台風の実態をとらえることが可能となる。
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20世紀前半のフィリピン降水量データセット

「フィリピン気象月報」の日降水量データを電子化して作成された、20世紀前半のフィリピンにおける41地点(ヤップ、グアムを含む)の日降水量データセットである。現在の観測所のデータと比較可能なため、あわせて100年以上の継続した日降水量データセットとして、モンスーンの降水量変動や台風による大雨を調べるさいに活用することができる。
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モンスーンアジア熱・水収支データ

東アジアを対象に地上で実測された日照時間、気温や降水量などの気象観測データに基づいて算出された日射量を含む熱・水収支の月平均値および年平均値のデータセットである。これまで使われていた日照時間のデータだけでは分からなかった太陽からのエネルギーの最大値や、その発生時間などを算出できるため、稲の生育モデルにとって有効な情報を得ることができる。
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生態系連動マップ

地球全体における気温・降水量・雲量などの天候変動と植生(陸上に生息している植物の集団)変動との毎年の連動を分析するために作成された「生態系連動マップ」。1986年から1995年までの10年間の暖候季(4~9月)を対象期間とし、植生の有無・多少・活性度を示す植生指数(※)と気温・降水量・光合成有効放射量(太陽光のうち光合成に利用されうる光の量)のそれぞれとの毎年の相関係数(正の部分のみ)をマップに表現した。
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