レーダーと雨量計の観測値を統合することで品質の高いデータを作成する
図1.(写真左)レーダー視野内の気象観測所に設置されている雨量計
図2.(写真右)インドネシア西スマトラ州に設置されている気象レーダー
このデータは気象レーダーと雨量計の観測値を組み合わせて作成した降水量データです。レーダーと雨量計はインドネシア西スマトラ州に設置してあり、日本とインドネシアの研究者が協力して運用を続けています。雨量計による地上の観測値とレーダーによる上空の観測値を比較して関係式を求め、レーダーの観測値を降水量に換算しました。このように2つの観測値を統合することで、レーダー単独よりも降水量の見積りが正確で、雨量計単独よりも空間分布が詳しい、品質の高いデータの作成を目指しています。公開中の試作データ(第1.1版)では、レーダーを中心とする半径約80 kmの範囲について東西と南北にそれぞれ約2.8kmの間隔で、2006年11月ひと月間の30分ごとの降水量分布が表現されています。
インドネシア現地に移転できるデータ作成技術として完成させる
図3.レーダーと雨量計の観測値を統合して求められた降水量分布の一例
レーダーと雨量計の観測値を統合する取り組みは古くからあり、例えば、日本の気象庁では「解析雨量」(気象庁のレーダーと雨量計の観測値を組み合わせたデータ)を作成する技術が開発され実用化されています。インドネシアの技術評価応用庁(日本でいう旧科学技術庁)や気象気候地球物理庁(日本でいう気象庁)でも、日本の「解析雨量」のようなレーダー・雨量計統合データを作成する技術の実用化が望まれています。しかし、赤道直下のインドネシアと日本とでは気象・気候条件や観測値の取得状況が異なるため、「解析雨量」作成技術などの既存の日本の技術はそのままではインドネシア現地に適用できません。そこで私たちはいま、現地に適用・移転可能な技術として完成させるため、インドネシアの研究者と協力しながら、レーダー・雨量計統合データ作成技術の改良に取り組んでいます。