アジアモンスーン

アジア域の格子点
降水量データ

統合・解析:アジア域の格子点降水量データの概要

1997年から2002年までの、地上雨量計観測による毎日の降水量の観測値をもとにした、アジア域の格子点降水量データです。

世界の降水量をまとめた格子点データセットはすでにヨーロッパやアメリカの機関で作られていますが、地上の雨量計の観測値は主に各国気象庁間の通信で得られたものを使っていたため、アジア諸国が観測を行なっていても、ヨーロッパやアメリカにうまく届かないために、格子点データの質があらいものになってしまうことがよくありました。

ここでは、わたしたちが参加した国際協同研究「GAME」(アジアモンスーン エネルギー・水循環観測研究計画) の枠組みでアジア諸国の気象・水文現業機関から提供された観測データを使っているため、従来の格子点データに比べて、降水分布の地理的特徴がよく表現されています。

ただし、ここでの格子点データ作成方法は、観測点の位置からの2次元空間内挿です。地形の効果は、観測点が反映している限りで表現されているだけであり、高い山の降水量の代表性はよくありません。また、雨量計観測にも誤差があり、とくに雪の降水量については取りこぼしがあることがわかっていますが、その補正も行なっていません。

海上およびじゅうぶん近くに観測点がない格子はデータ欠損扱いにしています。

なお、このデータセット作成は、GAMEを発展的に引き継いだ MAHASRI(モンスーンアジア水文気候研究計画)の一環でもあります。

統合・解析プロダクト

アジア域降水量格子点データ(第1.1版)

これは、GAME Phase 2 Collected Data に含まれた各地点の降水量を1か月ごとに集計したうえで、空間内挿によって作成した格子点降水量データです。

内挿アルゴリズムは、Willmottほか(1985)の「Spheremap」を使いました。これは、Shepard (1968)の2次元内挿アルゴリズム(重みつき平均法の一種)を、球面座標で計算するようにしたもので、 GPCC(全球降水量気候センター、ドイツ気象庁内)の全球降水量格子点データ作成にも使われています。

Precipitation interpolated from stations

東南アジア大陸部における降水量の季節変化

地形の影響や、雨量計の系統誤差は、今のところ考慮していません。海上およびじゅうぶん近くに観測点がない格子はデータ欠損扱いにしています。(じゅうぶん近いとみなす距離は、解析者の判断で決めました。)

第1.1版は、先に公開した第1版と基本的に同じ仕様ですが、作成アルゴリズムの細部を改訂したものです。 次の段階(第2版)として、GAME Phase 2以外の利用可能なデータを材料に加えて同様に内挿したものを作成する予定です。
 
データの形式 ASCII、格子点
構成 1か月ごとに個別のファイル
座標系 経度緯度座標系
対象領域 東経 60 - 145度、南緯 5 - 北緯 50 度 のうちの陸上
空間解像度 経度緯度 1 度 (緯度経度整数値の経線で囲まれた升目に値がある)
対象期間 1997 年 1 月 から 2002 年 12 月 (6年間)
時間解像度 1か月
データサイズ 約 10 MB

内挿アルゴリズムの参考文献

  • Shepard, D. 1968. A two-dimensional interpolation function for irregularly-spaced data. Proceedings, 1968 ACM National Conference, 517 - 524.
  • Willmott, C.J., Rowe, C.M. and Philpot, W.D. 1985. Small-scale climate maps: a sensitivity analysis of some common assumptions associated with grid-point interpolation and contouring. The American Cartographer, 12, 5-16.

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使用データ

GAME Phase 2 Collected Data のうちの降水量データ

GAME(アジアモンスーン エネルギー・水循環観測研究計画)は、 WCRP(世界気候研究計画) のGEWEX(全球エネルギー・水循環観測計画)の一環として、1996年度から2004年度まで実施された国際協同研究です。 このうち第2期(2002〜2004年度)の事業として、アジア各国の気象観測を行なっている機関(日本の気象庁を含む)の協力を得て、 1997〜2002年の6年間の気象データが収集されました。 このデータ集には、約1000地点での雨量計による毎日の降水量観測値が含まれています
 
データの名称 GAME Phase 2 Collected Data のうちの降水量データ
データの形式 ASCII
構成 各地点、各年ごとに個別のファイル、提供機関ごとにアーカイブ
座標系 各地点の緯度経度
対象領域 東・東南アジア諸国
(バングラデシュ、カンボジア、中国(本土、台湾)、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)
地点数 約 1000地点
対象期間 1997 年 1 月 1 日から 2002 年 12 月 31 日まで
時間解像度 1日
データサイズ アーカイブとして約17MB

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