アジアモンスーン

レーダー・雨量計
統合降水量データ

統合・解析:レーダー・雨量計統合降水量データの概要

インドネシア西スマトラにある気象レーダーの観測をもとに、地上雨量計の観測を参照して、レーダーと雨量計を統合した格子点降水量データを作成します。ただし、標高データに基づいて、レーダーからみて山陰にあたる領域は、欠損領域とします。

例えば、河川やダムにおける洪水・渇水の問題を考えます。このとき、対象とする河川やダムの上流全体を、ひとつの単位「集水域」としてとらえて、その集水域に降る雨の量を知ることがとても重要です。
問題の対策を練るためには、どのくらいの雨が、いつ、どこに、降るかという、雨量の時間的・空間的な分布を、できる限り詳しく知ることが重要なのです。

レーダー・雨量計統合降水量と河川流量データの作成のながれ図

レーダーと雨量計の観測を統合して導出された 
降雨強度分布の一例

地表に降る雨の量は雨量計で計測されます。ひとつの雨量計で計測される雨量は、計測地点を基準にしてある程度の面的広がりを代表します。しかし、その雨量が、集水域全体の雨量を代表することは、そう多くありません。ですから、集水域に十分な数の雨量計がない場合、または、雨量計が適切に配置されない場合、集水域は、雨量観測のない空白な部分をもつことになります。

集水域の上空に視点をむけて、雲のようすをみるとどうでしょうか。雨つぶ (などの大気中の降水粒子) は気象レーダーで観測できます。その結果、雲のようすを、時間的・空間的にきめ細かく知ることができます。ただし、観測できるのは、あくまで上空の雲のようすで、地表に降る雨の量ではありません。ですから、(なるべく地表近くの) 雲のようすから地表に降る雨の量を知るには、あらかじめ両者の関係を詳しく調べることが必要です。

このような背景をふまえて、気象レーダーの観測のうち、なるべく地表近くの情報をもとに、地上雨量計の観測を参照することで、レーダーと雨量計を相互に補完し統合した降水量データを作成します。このデータを活用すれば、対象とする集水域に雨量計がない場合でも、その集水域の雨量を知ることができます。

なお、このようなデータの先駆けは、日本の気象庁による「レーダー・アメダス解析雨量」ですが、 ここで対象とする地域の雨量計は、日本のように密には配置されていないので、独自の工夫が必要になります。

統合・解析プロダクト

レーダー・雨量計統合降水量データ (インドネシア西スマトラ)


データの形式 単精度実数、単純バイナリ、格子点 (GrADS 形式)
構成 1 日ごとに個別のファイル
座標系 経度緯度直交座標系
対象領域 東経 99.55-101.05 度、南緯 1.55-0.05 度 (経度緯度 1.5 度)
空間解像度 経度緯度 0.025 度 (1.5 分、約 2.5 km)
対象期間 2006 年 10 月 28 日から 11 月 27 日 (31 日間)
時間解像度 30 分
データサイズ 約 20 MB

データの履歴

  • Ver. 1.0: 2008-01-10 公開
  • Ver. 1.1: 2009-09-01 公開: Ver.1.0の修正バージョン。詳細については ドキュメントファイルをご参照ください。
  •             

使用データ

レーダー反射因子データ

2006 年 10 月、西スマトラ州パダン市郊外にあるミナンカバウ国際空港 (MIA) のすぐ近く、東経 100.30 度、南緯 0.79 度の位置に、X 帯ドップラーレーダー (XDR) が設置され、その月の末には観測が開始されました。 このレーダーは、地球観測システム構築推進プラン (JEPP) の課題のひとつである、海大陸レーダーネットワーク構築 (HARIMAU) の一環として設置されました。このレーダー観測で取得されるデータのうち、ここで活用されるデータの概要はつぎのとおりです。  
データの形式 単精度実数、単純バイナリ、格子点 (GrADS形式)
構成 1 時間ごとに個別のファイル
座標系 3 次元直交座標系
対象領域 水平には、レーダー地点を中心とする東西・南北各約 160 km の領域
鉛直には、高度 0.5-20 km の領域
空間解像度 水平・鉛直ともに 0.5 km
対象期間 2006 年 10 月 28 日から 11 月 27 日までの 31 日間
時間解像度 6 分
データサイズ 約 123 GB
URL HARIMAU:http://www.jamstec.go.jp/iorgc/harimau/
MIA-XDR:http://www.jamstec.go.jp/iorgc/harimau/mia_realtime.html
 

西スマトラ雨量計観測網データ (仮称)

地球環境観測研究センター (IORGC) が、インドネシアの技術評価応用庁 (BPPT)、気象地球物理庁 (BMG)、その他機関と協力して、西スマトラ地域に展開する地上雨量計観測網のうち、8 地点の降水量データです。 このうち、2 地点は自動気象観測装置 (AWS) の雨量計、のこり 6 地点は自記雨量計による観測です。 AWS の雨量計は0.2 mm 転倒ますが動作した回数を 1 分ごとに記録する方式、他方、自記雨量計は 0.5 mm 転倒ますが動作した時刻を記録する方式です。 このデータの概要はつぎのとおりです。  
データの形式 テキスト
構成 地点ごとに個別のファイル
対象期間 2006 年 10 月 28 日から 11 月 27 日までの 31 日間
 

SRTM 標高データ (仮称)

データの形式 符号あり 2 バイト整数、単純バイナリ、格子点
構成 経度緯度 1 度ごとに個別のファイル
座標系 経度緯度直交座標系
対象領域 東経 99―102 度、南緯 2 度―北緯 1 度 (経度緯度 3 度)
空間解像度 経度緯度 3 秒 (約 90 m)
データサイズ 約 25 MB
URL http://www.jpl.nasa.gov/srtm/