2018年度
観測(カッコ内は主要担当者)
1) 後方散乱計の購入・性能試験(本多)
耐圧水深1000mの後方散乱計を複数台購入した後、秋〜冬に計画されている白鳳丸海洋観測で試験運転を行います。船上から吊りおろし、得られたデータと現場濾過などで観測されたPOC, 粒状無機炭素(PIC)、生物オパール、またプランクトンネットで観測された動物プランクトン、植物プランクトンと比較することで、後方散乱強度と粒状懸濁・沈降物質の質、量の関係性について考察します。
2) 水中ビデオカメラの開発・性能試験(小栗)
耐圧水深200m程度の水中カメラを開発します。開発後は、後方散乱計と同様に、試験運転(海洋観測中に試験投入し、得られたデータと現場濾過などで観測されたPOC, 粒状無機炭素(PIC)、生物オパール、またプランクトンネットで観測された動物プランクトン、植物プランクトンと比較します。さらにマトラボ(MATLAB)等の数値解析ソフトウエアを応用し、画像解析手法を検討します。
3) セジメントトラップ実験ほか海洋観測・衛星観測(本多、松本、藤木(連携)、Siswanto)
夏に実施されるKEO, K2での海洋観測航海(海洋地球観測船「みらい」航海)で、現在設置中の時系列式セジメントトラップを回収、再設置します。また現場濾過器により同時期の海中の粒状物質の鉛直分布を観測します。また人工衛星で観測される植物量・群集組成、および既存のアルゴリズムで計算される海洋表層POCおよび基礎生産力(PP)を実海域観測データと比較しその有効性を検証します。一方、本研究に必要となるK2, KEO係留系データの取得を行います。
4) BGC-ARGOデータの解析(藤木(連携)、井上(連携))
平成29年度、K2, KEO付近に投入されたBGC-ARGOから逐次送信されてくる後方散乱強度の時空間変動データを解析し、これまで観測されてきた両海域における沈降粒子の時空間変動パターンから後方散乱強度の時空間変動パターンの意味を検証します。
数値シミュレーション(笹井)
これまで両海域におけるセジメントトラップ実験の結果から得られた沈降粒子の時空間変動を再現できるような適切なマーチンカーブ、沈降速度などを検討します。
2019年度
観測
1) 後方散乱計の設置・第1期観測開始
夏に予定されている航海で、再度後方散乱計の性能試験を実施した後、KEO, K2係留系の水深200m, 400 m, 700mに後方散乱計を設置し、時系列観測を開始します。
2) 水中ビデオカメラの設置・第1期観測開始
夏に予定されている航海で、再度後方散乱計の性能試験を実施した後、KEO, K2係留系の水深200mに水中ビデオカメラを設置し観測を開始します。
3) セジメントトラップ実験ほか海洋観測・衛星観測
引き続きセジメントトラップ実験他海洋観測および人工衛星データ解析を行います。
4) BGC-ARGOデータの解析
引き続きBGC-ARGOから逐次送信されてくる後方散乱強度の時空間変動データを解析し、昨年度から同時期に得られたK2, KEO両海域における沈降粒子の時空間変動パターンと後方散乱強度の時空間変動パターンを比較します。
数値シミュレーション
引き続き、セジメントトラップ実験の結果から得られた沈降粒子の時空間変動を再現できるような適切なマーチンカーブ、沈降速度などを検討します。
2020年度
観測
1) 後方散乱計の回収・データ解析・整備
夏に予定されている航海で、KEO, K2係留系の後方散乱計を回収する。航海中に再度性能試験を行います。陸上に持ち帰り、得られたデータの解析を行います。並行して洗浄・キャリブレーション等整備を行います。
2) 水中ビデオカメラの回収・データ解析・整備
夏に予定されている航海で、KEO, K2係留系の水中ビデオカメラを回収します。航海中に再度性能試験を行います。陸上に持ち帰り、得られたデータの解析を行います。並行して洗浄・キャリブレーション等整備を行います。
3) セジメントトラップ実験ほか海洋観測・衛星観測
引き続きセジメントトラップ実験他海洋観測および人工衛星データ解析を行います。
4) BGC-ARGOデータの解析
(もしもBGC-ARGOが生きていれば)引き続きBGC-ARGOから逐次送信されてくる後方散乱強度の時空間変動データを解析します。
数値シミュレーション
後方散乱計時系列解析データの結果を再現できるような適切なマーチンカーブ、沈降速度などを検討します
2021年度
観測
1) 後方散乱計の設置・第2期観測開始
夏に予定されている航海で、再度後方散乱計の性能試験を実施した後、KEO, K2係留系の水深200m, 400m, 700mに後方散乱計を設置し、第2期時系列観測を開始します。
2) 水中ビデオカメラの設置・第2期観測開始
夏に予定されている航海で、再度後方散乱計の性能試験を実施した後、KEO, K2係留系の水深200mに水中ビデオカメラを設置し第2期時系列観測を開始します。
3) セジメントトラップ実験ほか海洋観測・衛星観測
引き続きセジメントトラップ実験他海洋観測および人工衛星データ解析を行います。
数値シミュレーション
2022年度(最終年度)
観測
1) 後方散乱計の回収・データ解析・整備
夏に予定されている航海で、KEO, K2係留系の後方散乱計を回収する。航海中に再度性能試験を行う。陸上に持ち帰り、得られたデータの解析を行います。並行して洗浄・キャリブレーション等整備を行います。
2) 水中ビデオカメラの回収・データ解析・整備
夏に予定されている航海で、KEO, K2係留系の水中ビデオカメラを回収する。航海中に再度性能試験を行います。陸上に持ち帰り、得られたデータの解析を行う。並行して洗浄・キャリブレーション等整備を行います。
3) セジメントトラップ実験ほか海洋観測・衛星観測
引き続きセジメントトラップ実験他海洋観測および人工衛星データ解析を行います。
数値シミュレーション
これまでに得られた後方散乱計/セジメントトラップ時系列解析データの結果を再現できるような適切なマーチンカーブ、沈降速度などを提案します。
図3 研究計画